事故死したので異世界行ってきます
第24話 復讐
「【ゲート】」
ゲートをくぐるとヨルダン法国の近くにある森に出た。
「さぁ…リベンジマッチだ」
今回は、正面突破ではなく周り込み宮殿に1番近い所に移動した、そこで【心眼】を使いレグルス法帝のいる場所を探った、すると丁度この壁の向こう側にある部屋に居ることがわかった。
しかし、ヨルダン法国は大きな壁に覆われた国家であり普通なら侵入は容易ではない。
そう、普通なら。
俺は助走をつけて一気に壁を駆け上がる、壁を登りきると息をつく事なく1番近くにあった王宮の外壁を蹴り破り中に侵入する。
するとそこには俺を一度殺したあの男が居た。
「な、なんですか貴方は?!」
「……」
俺は名乗ることなくエリフィスをレグルスに向かって振り下ろす。
ガキンッ!
レグルスは咄嗟の判断で光魔法で壁を作り出した、しかしその壁はすぐに崩れた。
「【テレポート】」
瞬間レグルスは姿を消す、すかさず【心眼】を発動してレグルスの居場所を特定する、そこは俺が一度死んだ場所だった
「またあの場所か……」
俺はゲートを使いアノ場所へと移動した。
「今ですッ!」
レグルスが指揮をとる、俺の足元には無数に積み重なった魔法陣が現れた。
そして次々にーー
「範囲負荷魔法【パワードダウン】」
「範囲負荷魔法【スピードダウン】」
「範囲負荷魔法【ライフダウン】」
「範囲負荷魔法【マジックダウン】」
「範囲負荷魔法【ディフェンスダウン】」
「範囲負荷魔法【ミラクルダウン】」
「範囲負荷魔法【インテリダウン】」
ーーと言った詠唱が次々に聞こえてきた、その数はおおよそ1000といった所だろうか、1000人もの魔導士が紡ぎ作り出した魔法陣は俺を捉えている。
だが、俺が歩みを進めたその瞬間、ガラスが割れるような音を立てて千の魔導士達が紡いだ魔法陣は跡形もなく消え去った。
「ま、まさか… 本物なのかその鎧 ︎」
レグルスは声を裏返しながら俺に聞いて来る。
「あぁ、そうだ」
レグルスの問いかけに答えると同時に、身体中に火と闇の魔力を大量に巡らせる、ガンドラはその魔力に応えるかのように赤黒く、禍々しい稲妻を放ち無差別に人や宮殿を撃ち崩す、直撃した魔導士は即死、宮殿に稲妻が当たった部分は爆発物が爆破したのかと思うほどの穴が空き、宮殿中が穴ぼこだらけになり外壁には無数の亀裂が走っている。
巡らせているだけだから魔力の消費はないが敵陣営の損害は甚大だ。
「貴様ぁッ!!
【輝光龍・ブリリアントドラグネス】
喰い殺せっ!!!」
「無謀だな」
光の龍が俺を喰らおうと口を大きく開け、喰らおうとした瞬間、龍は光の粒へとなり豆電球の光が消えるかのように消え去った。
「俺に魔法は効かん、倒したければ物理攻撃で倒してみろ」
「なんだと…」
ヨルダン法国は屈指の魔法国家だがその反面武器を使える兵士の教育には全く力を入れて居ない、そんな国にとって今の俺は最大の天敵と言っても過言ではないだろう。
「何か言い残すことはあるか?」
「…」
「残念、お別れだ」
俺はレグルス法帝の首をスパッと切り落とす、それを目の当たりにした魔導士たちは皆、腰を落とし敗北を確信した。
「ガンドラ、お前の実力見せてもらうぞ?」
(承知した)
俺は体に巡らせていた分の魔力を全てガンドラに移した、瞬間ガンドラは赤黒いオーラを放ち、一歩歩けば地面が割れ亀裂とともに禍々しい稲妻が走る
俺は来るときに登った壁の方に歩いて向かった、ただそれだけのことでヨルダン法国の宮殿は完全に崩れさった。
国を覆う重厚な石の壁に1発パンチを入れて見た、すると壁には亀裂と同時に赤黒い雷が轟音を響かせながら流れていき、鈍い音を立てながらいとも容易く重厚な石の壁は崩れ去った。
壁が崩れ、降ってきた岩は俺に当たる前にガンドラか湧き出る稲妻によって塵になる。
「ガンドラ… お前武器じゃないんだよな?防具なんだよな?」
(左様だ、我は防具であって武器でない)
この方、自分の破壊力知ってて物を言っているのだろうか……
ガンドラに流した魔力を自分の体へと納めるするとガンドラから滲み出ていたオーラは消えた、こうでもしないと意図しない破壊が無限に起こりそうだ……
ヨルダン法国の一件はこれで終わったと確信したため【ディメンション】で異空間に飛ばしていたアルバスに付き従った魔導士達を解放してあげようとするが……
「あ…… そういや俺、【ディメンション】失ってたわ」
(えぇ〜ッッ!?)
という、魔導士達の声が時空から聞こえた気がした、気がしただけだ。
「また今度、【ディメンション】を手に入れた際にでも解放してあげるか……」
そんなことを考えながら、【ゲート】を使って家に転移した。
家に戻るとガンドラを脱ぎ、エリフィスを腰が抜きリビング机の上に並べて置く、自分の身から離れるとアイツらのこえは聞こえ無くなってしまうが国王に報告しに行くだけだから別に問題ないだろう。
王宮へは勿論【ゲート】を使う。
玉座の間に移動しようと試みたがたどり着いた先は王宮の入口にある門の前だった。
「あれ?」
「誰だ!」
門番の男が俺に声をかける。
「あ、大賢人のユウスケです」
「し、失礼しましたッ!!玉座の間にて国王がお待ちです!」
「わかりましたー」
玉座の間は、大賢人になる前に入ったあの部屋だ、玉座の間の扉の前には複数人の騎士がいた。
「大賢人のユウスケです、国王に会いにきました」
騎士は一言と言葉を発することなく、重々しい扉を開けてくれた。
「どうぞ」
そして無言の騎士がようやく口を開いて出た言葉がそれだ。
「おぉ!大賢人殿!そなたの活躍のお陰でなんとか危機は乗り越える事が出来た、礼を言うぞ」
「いえいえ」
「労をねぎらう間も無くこんな事を言うのは何だがいつヨルダン法国が攻めて来るかわからぬ… 緊急事態に備えて今から1週間の間はこの国を出ないでほしい」
「ヨルダン法国は攻めてきませんよ」
「そりゃあ、そなたの様な強い御仁がいると知っている今であれば攻めてこないかもしれないが… 念のためこの国の護衛を頼む」
「いやいや、ヨルダン法国はつい先程ーーーー」
玉座の間の重々しい扉がゴゴッと開くと同時に魔導士が1人入ってきて跪き口を開く。
「偵察魔導士部隊より報告します 隣国ヨルダン法国は何者かによって壊滅した模様!」
玉座の間にいた全員がざわつく。
「なんじゃと?」
「詳しい情報はまだわかりませんが黒き鎧を纏った、たった1人の戦士が滅ぼした様です」
さらに玉座の間がざわつく
「どう言うことじゃ!詳しく調査せよ!」
「その必要はないと思いますよ ヨルダン法国を壊滅した張本人目の前にいるし」
「「「「「はぁっ~⁈⁇ ︎」」」」」
その場にいた全ての者が口を揃えて言った、あの冷静沈着な大臣でさえも
「そなたには驚かされてばかりだな…」
「ユウスケ殿…ゴホン、大賢人様もしや、ガンガンチュアをお付けになられたのですか?」
やはりこの大臣は察しがいい
「えぇ、そうですよ」
「ガルガンチュア…あの魔装を身に付けたと言うのか…?」
「えぇ、なんなら今から見せましょうかな?」
俺は得意げに国王に向かって言う
「では見せてもらうとしよう」
「【ゲート】…… ん?」
おかしい、ゲートが現れない、ガンドラは外部からの魔法は全て無効にするが装備している者の魔法を無効にすることは決して無い、つまり原因はガンドラでは無い何かだ。
俺が不思議がっていると大臣が口を開いてこう言う。
「大賢人様、宮殿内はほぼ全館魔法が封じられおります こちらをどうぞ」
大臣が俺に指輪を渡してきた、俺はその指輪をつけてもう一度ゲートと唱えた、すると無事ゲートは出現した
どうやらこの指輪をはめているもの以外は魔法を禁じられているようだ、よく見れば俺以外の全員がつけていた。
俺は家に帰ると、ガンドラをいそいそと身につけて腰にエリフィスを携え玉座の間に戻る。
「おぉ… これは… ん? その剣エリフィスか?」
「そうですよ」
「 おい!大臣、アレを持ってこい! 」
「御意ッ!!」
なんだなんだ、何が起こるんだよ、エリフィスに関しちゃ前から持ってたけどな?なんで今更反応するんだ?
エリフィスをよくよく見たら魔力を流していないにも関わらず、刀身から禍々しいオーラが薄っすらと滲み出ていた。
「今この時を持って
大賢人ユウスケ殿に闘神の称号を与える」
急な授与式が始まったようだ、王の宣言とともに
大臣が銀のトレーを持って、俺の近くまでゆっくりと歩いて来て、複雑な形の紋章を差し出した。
俺はその紋章を手に取り受け取る、するとその紋章は魔法陣へと変化して俺の体に吸い込まれるように取り込まれていく。
その瞬間、玉座の間にいた王を含めた全員がひれ伏しこうべを垂れた。
何が起こったか俺にはわからない。
「な、なんですか?」
「これよりそなたは闘神として活躍してほしい」
「これは初代国王から代々引き継がれた闘神に与えられる権利を記した書物だ、後ほど確認してほしい」
どうやらとんでもなく凄いことになったようだ。
てか、今までエリフィス携えてた時に何も言ってことなかったのは、レプリカを携えている痛い人と認識していたからなのだろうか。
「わかりました… 大臣さん、これお返しします」
大臣から借りた指輪をスッと返そうとすると、大臣は膝をつき両手の平を上に突き上げた
明らかに先程までとは対応が違う、闘神とは一体なんなのだろうか…
俺は指輪がない状態でゲートを開こうとした、すると何故だかわからないがしっかりとゲートを開くことができた、これも闘神になったおかげが?
俺は王に『失礼します』と一言 いってゲートをくぐる、俺がゲートを完全にくぐり抜けて閉じるまで、王を含めその場にいたものはみな膝をついてこうべを垂れていた。
「ふぅ〜… 一体なんだってんだよ」
俺はガンドラとエリフィスを脱いで、国王から受け取った書物を読んだ、そこにはとんでもない権利の数々が記されていた。
今回はここまでです!
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