事故死したので異世界行ってきます
第12話 新スキル
「──??──!?」
目の前が真っ白でよく見えない、それに聴覚も鈍っていて全く聞き取れない。
「聞こえますか??ユウスケ様!?」
聴覚がまず治り、その後すぐに視覚も治った。
俺は、転生前の場所にいて、既に椅子に座っている状態だった。
目の前に座るイスラフィールは少し心配そうな顔でこちらを見ている。
「イスラフィールさんですか……?」
「そうです、契約遂行を確認しましたのでこちらに召喚させていただきました!」
「な、なるほど……」
天界から見てるんだ……
「では、前回と同じようにこちらから選んでいただけますか?」
そう言ってイスラフィールから渡されたのはあの本だった
「んー……どれがいいだろう……」
俺は色々な能力を見比べた結果、沢山ある能力の中から、選択肢を3つ選んだ
その能力がコレだ。
『軍神の魂』 
ステータス (攻撃力)
を15分間の間だけ10倍
リキャストタイム24時間
『魔獣召喚』 
消費MP1000 
大量の魔獣を従魔として召喚する
『大魔導士の祝福』
ステータス( MP )を常時2倍
全属性の魔法を使用することができ
魔法を習得するまでにかかる時間が短くなる
今の破格のステータスをさらに引き上げるのもかなり強いと思うし、従順な僕を召喚し数で有利になる事も戦術としては大切な事だ。
けど、やっぱり異世界に来たんだから魔法を使いたいうん、コレにしよう。
「では、この【大魔導士の祝福】でお願いします」
「わかりました!」
「はい、ありがとうございます」
「あの……」
「なんですか?」
「もしよろしければ……」
「もう1人排除して欲しい、ですか?」
俺がそう訊くとイスラフィールは頷きながら返答した
「……はい もちろんタダでとは言いません!契約してくださるのであれば現時点で更に1つ【神の恩恵】を選んでもらって構いません!」
「んー……次退治できるのいつになるかわかりませんよ?」
「それでも結構です!貴方が死ぬまでにもう1人排除するという契約でどうでしょう?」
「遂行条件はそれで構いませんが、対価についてはもう、一声欲しいです」
「うーん……じゃぁ 2つでどうですか?」
現時点で更に2つの能力を得ることができるのはとても魅力的だが、『1つ得る』も『2つ得る』もどちらも、将来性にかける短期的な報酬でしかない。
できることなら、次に繋げられるような報酬にしたい。
「いえ、現時点で追加の能力は要りませんので、次から契約遂行に得られる【神の恩恵】を1つではなく2つにして頂けませんか?」
「なるほど… 1人につき2つと言う事ですね?」
「はい」
「わかりました、その条件呑みましょう」
「では、今から向こうの世界に戻しますのでそこから動かないでくださいね」
転生するときと同じように、俺の足元には魔法陣が浮かび上がり、一瞬にして目の前が真っ白になり、気づいた時には、頭と胴体が繋がっていない状態の盗賊のカシラの前に立っていた。
「ユウスケ…?」
心細い声で話しかけてきたのはリリカだった
「なんだ?」
「終わったの…?」
「あぁ、終わったよ、盗品を回収してさっさとこんなところから出よう」
「そうだね」
俺とリリカはアジトにある建物の中に入りギルドから依頼されていた盗品を探し始めたが、全部持って行く方が良いのではないかと言う考えに至り、全ての盗品を転生者にしか使えないアイテムボックスに入れてアジトを後にした。
「そういえばリリカ怪我はないか?」
俺はギルドへ向かう帰り道の中リリカにそう尋ねた
「大丈夫だよ、私何も戦ってないし…」
そういえば援護をしてもらうだのなんだのと言ったくせに全て1人でやってしまった。
因みにアジトを後にする前に盗賊の団員は全て俺が始末してきた。
「そ、そうだったな!悪いな全部1人でやってしまって」
「いや…私人を殺すなんて事できるかどうかわからなかったし、どっちかっていうと助かったよ」
どうやら、人を殺すことに引け目を感じていたらしい、普通の人はそう思うのが当然のことだ、俺も少し戸惑いはあったがクエストだからという使命感の方が強くためらいなく殺した、そして盗賊のカシラに関しては自らの利益のために、一切の躊躇なく殺した。
「そ、そうだよな。すまないな、こんなクエストを受けることになってしまって」
「いや!私はユウスケと、一緒に居れたらそれで十分だよ!」
リリカは満面の笑みを浮かべて俺にそう言った
俺はリリカのこう言う健気な所がとても好きだ。
「ありがとう」
「いえいえ、どういたしまして!」
「なぁ、リリカ」
「なに??」
「魔法って何属性あるんだ?」
「えっと、元属性が、水、火、土、風、雷、闇、光  の7属性で、派生属性はもっとたくさんの種類があって私も全部は把握してないの
例えば水の派生属性で氷とか
光の派生属性で治癒とか色々あるんだよ」
「なるほどな……かなり数が多いんだな、因みにその元属性7つ全部基本的に全員が使えるのか?」
リリカはギルドへ帰る足を止めて大声でこういった
「そんなわけないじゃん!!! あ、ごめん……つい大声になっちゃって……」
「いや……大丈夫だ、歩きながら話の続きをしようか」
再び俺たちは歩み出し会話を続ける
「それで、7属性のうちどれなら使えるんだ?」
「人それぞれ使える属性、適性が違うんだよ、例えば私なら水と風あとほんの少しだけ火が使えるってとこだよ」
どうやら3属性を行使することはかなり困難を極めるよう だ
「3属性使うことができるのは結構すごいことなのか?」
リリカは鼻を高くして胸を張ってこう言った
「もちろんですとも! 常人であれば1つが限界だし、なんの適性も無いって人も少なくは無いんだよ!」
であれば、リリカが自信満々に言うのもわかる
まぁ、俺はチートスキルのおかげで全属性使えるんだけどね。
「じゃあ、三属性使えるリリカに魔法教えてもらおうかな」
「え?でももしユウスケの適性属性が雷とかだったら私教えられないよ?」
「大丈夫だ、問題ない」
エ◯シャダイかよ。
自分で自分の発言にツッコミを入れる悲しい24歳なのであった。
「じゃあまずは適性属性を調べなきゃいけないね!」
「カルダド王国に着いたら魔法適性がわかるアイテム買ってくるね!」
「おう、よろしく頼む」
こうして俺たち2人の初めての共同クエストは終わった。
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