歩くだけでレベルアップ!~駄女神と一緒に異世界旅行~
第223歩目 けじめからの依頼!
前回までのあらすじ
冒険者カードを見せれば一発だった!
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竜殺し詐称疑惑は一件落着となった。
だからといって、魔動駆輪を暴走させた罪が無くなる訳ではない。
「いえいえ。竜殺し様ほどの大英雄に罪を科すなど......」
「罪は罪です。きちんと償いたいと思います」
綺麗事をいう訳ではないが、信賞必罰は世の常。
一社会人として、ドールの主人として、けじめはしっかりとつけておきたい。
ちなみに、罪科の裁定は都市内でのいざこざなら都市長に。
都市外でのいざこざなら主に自警団に、その権限があるのが一般的だ。
「償うなど滅相もない。轢かれて怪我をした者どもも真実を知れば、轢いてくださったのが竜殺し様だと分かれば、怒り苦しむよりも歓喜に打ち震えましょう」
「そういうの本当にやめて!?」
尊敬するのも、希望や憧れにするのも、勝手にしてくれたらいい。
だが、盲目的な信仰というか、悪いことでも良しとするのは勘弁してもらいたい。
権威を笠に着るのは嫌いだが、こういうふうにへりくだられるのもあまり好きではない。
「とりあえず、俺にできるならことなら何でも言ってください。微力ながら罪滅ぼしをさせて頂きます」
「......今、何でもって言いました?」
「え?」
最後は強引に押し切る形となってしまった。
単なる自己満、偽善者乙なのだろうが、このままでは俺が納得できなかった。
「そーいうめんどくさいとこー、アユムらしいよねー(o゜ω゜o)」
「......やれやれ。......主は損な性格なのじゃ」
「そうなのだ? アユムらしいのだ?」
「ほっとけ!」
※※※※※
数十分ほど歩いた後。
「おぉ! 貴公がかの有名な『竜殺し』殿であるか! ようこそ参られた!」
「......」
衛兵さんに案内された先はまさかの町長邸だった。
説明するまでもないと思うが、所謂貴族邸である。
(確かに何でもするとは言ったが......、まさか貴族邸に連れて来られようとはなぁ)
ブタ侯爵との一件があって以来、俺は問答無用で貴族との接触は避けていた。
それだけに、改めて貴族を目の前にすると何とも言えない気持ちにさせられる。
ただ、衛兵さんが「罪滅ぼしは結構ですので、町長の力になってあげてください!」と真剣な眼差しで訴えてくるもんだから、何でもすると言った手前断るに断れないでいる。
「竜殺し殿のお噂はかねがね聞いておりますぞ。類稀な武勇をお持ちだとかなんとか」
「とーぜんー! 私のアユムだからねー(`・ω・´)ムフー!」
「......当然じゃな。......主は我が主でもあるのだからの」
「何か食べるものはないのだ?」
「......お前らは黙れ」
こいつらの、この偉そうな態度はどうなのだろうか。
一応、俺達は罪滅ぼしで来ているのだから、もう少し謙虚でいて欲しい。
(というか、ドールは大人しく休んでろよ......)
「ほっほっほ。これも噂通り、幼女愛好家と」
「それは違いますからね!?」
カラカラと笑う、ずんぐりむっくりな老貴族───もとい、モートマ伯爵。
まさか国境にまで俺が幼女愛好家だという噂が流れているとは......頭が痛くなる。
仮に『竜殺し=幼女愛好家』とでもなったら、先代の竜殺し達に申し訳ない。
いや、それだけではない。
「アユムが好きなのは私だけだよねー(*´∀`*)」
「..................姉さま?......それは聞き捨てならぬのじゃ」
「アユム! アユム! 我のことは好きじゃないのだ!?」
「......いや、お前らは本当に黙れ」
口を開けば、俺が好きだとなんだと......。
(嬉しいじゃねぇか!)
あぁ、嬉しいさ!
嬉しいけれど、俺が幼女愛好家だという信憑性が増すだろ!?
※※※※※
「この『フロッグ饅頭』おいしーねー(*´μ`*)」
「おいしいのだ。ぶにゅぶにゅ感が楽しいのだ」
「饅頭なのにぶにゅぶにゅするのか......」
とりあえず、アテナ達を黙らせることには成功した。
アテナとモリオンはモートマ伯爵の用意した『フロッグ饅頭』で、ドールは耳と尻尾をもふもふしていたらいつの間にかすやすやと寝息をたて始めていた。
ドールはドールで体調が優れていなかったので限界を迎えたのだろう。
「では、早速ですが、お話を聞かせて頂いてもよろしいですか?」
「うむ。そのことなのだが───」
貴族とは積極的に関わり合いにはならない。
このスタンスは相手が王侯貴族であろうとも変わるものではない。
だが、今回は罪滅ぼしという目的がある以上、協力せずにはいられない。
それに───。
「魔物の大軍......ですか?」
「そうなのだ。大森林の向こう側より突如押し寄せてきてな。......苦労しておる」
広げられた地図をもとに、モートマ伯爵より詳細が語られていく。
魔物の大軍が現れ出したのは今から2年程前らしい。
(2年程前というと......俺がレムーナに滞在していたかどうかの辺りか?)
その時は東方都市の一つである『サーマル』を襲撃されたが、これを撃退。
そこから不定期ではあるが、度々魔物の襲撃が行われるようになったのだとか。
「一応、最悪の事態を考えて、『コペル』と『グータラ』の住人はここに避難させた」
「英断ですね。『サーマル』しか襲撃を受けないという保証はどこにもありませんし」
「うむ。我ら貴族には国を、領地を、領民を守る義務がある。常に最悪の事態に備える必要がある」
「おぉ......」
「どうされた、竜殺し殿?」
こんな清廉な貴族が居ることに感激を覚えた。
いや、ブタ侯爵が特別酷いだけで、モートマ伯爵が普通なのかもしれない。
(......それともあれか? 人間族とドワーフの違いか?)
「ははは。竜殺し殿に誉められるとは光栄の至りですな。だが、領民は領地の礎。これを守るは貴族ならば当然のことであり、貴族が貴族たらん証でもある」
「そこまで言いますか......」
立派な顎髭をなでながら、毅然とした態度でそう言い放つモートマ伯爵。
さすがは国より征東軍都督を任されるだけのことはある。
ブタ侯爵とは違って好感を持てる人物───というか、貴族である。
「お爺ちゃーん。『フロッグ饅頭』お代わりいいーい(。´・ω・)?」
「人間! 我もお代わりが欲しいのだ!」
伯爵に向かって人間言うなッ!
「お前らな、少しは遠慮しろよ。......伯爵、申し訳ありません」
「なぁに、幼子は元気が一番。まるで孫を見ているようで若返りますわい」
「お爺ちゃーん、(......もぐもぐもぐ)(・ω・´*)」
「(......むぐむぐむぐ)なのだー」
「ちゃんとお礼言って!?」
「ほっほっほ!」
いや、アテナ達に接する態度からしても薄々は気付いていた。
モートマ伯爵は好感の持てる好好爺なんじゃないかということを......。
だからこそ、俺はモートマ伯爵に協力しようと思った。
もう一度言うが、貴族とは積極的に関わり合いにはならない。
このスタンスは相手が王侯貴族であろうとも変わるものではない。
だが、俺は貴族嫌いの現地勇者とは違う。
確かに貴族にはあまり良いイメージはないが、別に貴族のことは嫌いでも何でもない。
ただ、俺のほうから積極的に関わり合いにならないというだけで、モートマ伯爵のような好感を持てる方なら喜んで......とまでは言わないまでも、可能な限り協力してあげようとは思う。
(まぁ、罪滅ぼしの目的もあることだし、協力するのは仕方がないことだよな、うん)
「ふーん(o゜ω゜o)」
「......なんだよ?」
「アユムってー、素直じゃないよねー! あーははははは( ´∀` )」
「やかましいわッ!」
アテナの余計な茶々を受け流し、モートマ伯爵との本題に戻る。
現状、モートマ伯爵が魔物の襲撃に頭を悩ませているのは理解できた。
となると、俺に頼みたい案件というのはそれ以外にはないだろう。
「俺に魔物の軍勢を退治して欲しい、そういうことですね」
どこまで力になれるかは分からない。
だが、竜族襲撃の時の一件に比べれば大したことではなさそうだ。
それに、これで罪滅ぼしができて、モートマ伯爵とのコネもできたと考えれば、いまだ戦乱の最中で不謹慎ではあるが儲けものとも言える。
そう思っていたのだが───。
「それはそれでありがたいが、そうではない」
「え? 違うんですか?」
正直、それ以外にはないと思っていたので、かなり驚いた。
というか、それ以外にはないような気もするが......。
「できることならそれもお願いしたいところだが、そう上手くはいかないだろう」
「と言いますと?」
「竜殺し殿も小耳に挟んだことはないかな? 世界の至る所で魔物が暴れているということを」
「世界の各地で......あぁ! 思い出した!」
あれは旧都でニケさんとのデート中だった時のことだ(※第201歩目 参照)
冒険者ギルドで「他国では魔物が活発化している」という情報を聞いた覚えがある。
(こういうことだったのか......)
いや、だとしたら余計に分からない。
モートマ伯爵はなぜ俺に魔物の軍勢退治を依頼しないのだろうか?
俺の聞いた情報では、力のほどは分からないが新種の魔物もいるという。
だったら、尚更『竜殺し』である俺の力に頼りたいのではないのだろうか?
「例え、今回は竜殺し殿の力でもって撃退に成功したとしても......」
「したとしても?」
「この襲撃が一過性のものなのか断続的に続くものなのかが分からない」
「それはそうでしょうね。魔物のみぞ知るってやつでしょうし」
ただ、実際はどうなんだろう?
2年間も襲撃が続いていることを考えると、これからも断続的に続くような気が......。
「これが一過性のものだったら良いのだが、仮に断続的に続くようなものだった場合は竜殺し殿の手をそこまで患わせる訳にはいかないのでな」
「......ん?」
えーと、モートマ伯爵は何を言っているのだろうか?
その言い方だと......依頼を引き受けたが最後、魔物を殲滅するまで俺がひたすら倒し続けるようにも聞こえるのだが?
(......ハッ!)
この時、全てを悟ってしまった。
まさにその通りだった。引き受けたが最後、この地の魔物を全て殲滅するまでは旅にも出ることが許されない状況となってしまうところだった。
『竜殺し』とは英雄であり、人々の希望や憧れでもある。
まさに善や正義の象徴となっている訳だ。
故に、一度引き受けた依頼は完遂までやり遂げるもの。
みたいな迷惑で激しい思い込みがモートマ伯爵には───。
いいや、モートマ伯爵だけに限らず、多くの人々にはあるのだろう。
だからこそ、モートマ伯爵はそれでは偲びないと遠慮してくれた訳だ。
(......ふふッ。この好好爺、やるじゃねぇか!)
モートマ伯爵のさりげない優しさに感謝せずにはいられない。
俺の考える嫌な貴族だったら、きっと問答無用で戦わさせられていたことだろう。
まぁ、その場合は色々な理由をこじつけて、さっさと退散しちゃうんですが。
「それにだ」
「?」
「これは我が国で起こったこと。ならば、我が国で解決を図るのが筋だと思う」
「おぉ......」
自分のケツは自分で拭く、ということなんだろう。
当たり前のことだが、こんな当たり前のことができない大人が非常に多い。
そういう意味では、このモートマ伯爵は貴族うんぬんを抜きにしても、かっけぇ爺さんであることはまず間違いない。武骨な老兵、一本筋の通った信頼できる好好爺といった辺りか。
(俺も将来はモートマ伯爵のようなかっけぇジジイになりたいものだな)
「んー? アユムはあんなお髭ぼーぼーになりたいのー(。´・ω・)?」
「そういうことを言ってんじゃねぇよ!? 筋の通ったかっけぇジジイになりたいの! 髭なんてどうでもいいわ!!」
俺の決意はアテナの無粋な茶々で台無しとなった。
※※※※※
大事な話をしている最中のアテナは本当に邪魔だ。
それを改めて認識した俺は、寝ているドールを人身御供とした。
寝ているドールには悪いが、「最愛の妹であるドールの面倒をしっかりと見ろ」とアテナに言い付けておけば、少なくとも姉(笑)としては頑張ることだろう。
「アユムも『フロッグ饅頭』食べるのだ?」
「......いらない」
俺はぶにゅぶにゅと何とも言えない気持ち悪い音を立てているモリオンを膝の上に乗せて、モートマ伯爵との話の続きを開始した。
「そんな訳で、魔物の襲撃は何とか凌いではいたのだが......」
「戦況が変わった、と?」
「......うむ。1年程前から激しさを増し始めおった」
それは襲撃の頻度だけには止まらず、魔物自体にも変化が表れ出したという。
「変化......ですか? 何か思い当たる節でも?」
「てんでバラバラだった魔物の動きに統率が見られるようになった」
「なッ!? つ、つまり、魔物を統率する者が現れた、と!?」
「......うむ。恐らくはそうだと思う」
実際問題、指揮官の登場は由々しき事態だ。
数の暴力。
それ自体も十分脅威的ではあるのだが......。
所詮、群れて襲ってくるだけならば烏合の衆に他ならない。
めんどくさいが、対処の仕様はいくらでもある。まぁ、めんどくさいが。
だが、そこに統率された動きが加わるだけでも脅威度は一気に跳ね上がる。
特に、統率者が賢ければ賢いほど厄介なのは、ボス猿をもって体験済みである。
「ここ1年間の被害は増すばかりなのだ。......ふぅ。実に悩ましい問題だよ」
「......心中お察しします」
大きい溜め息を吐くモートマ伯爵の顔には深い皺の後が刻み込まれている。
まるで苦渋に満ちた疲れきった表情といったところだ。
(征東軍都督なんていう重責を担っているんだ。その心労は計り知れないんだろうなぁ......)
「単にお爺ちゃんなだけでしょーΣヾ(´∀`*」
「うるせぇんだよ! ドールの面倒を見てろ!!」
「ふぇぇえええ(´;ω;`)」
バカを一蹴して、本題に戻る。
「ちなみに戦力はいかほどを?」
「今まではB~Aランク相当の冒険者で済んでおったのだが......」
「もう厳しい、と?」
「うむ。今ではSランク相当の冒険者でもギリギリといったところらしい」
「おおぅ......」
本来の力の1ランク~2ランク上とか......。
これが統率されたものの力の恐ろしさである。
「だから、ワシも最前線である『サーマル』には赴かずに、国境である『ゲルゴナ』にこうして滞在しているという訳だ」
と言われても、どうしてそこでそうなるのかが全く分からない。
最前線にこそ、征東軍都督としての居場所があるような気がしてならない。
(まさか臆病風に吹かれて......なんてことは、モートマ伯爵に限ってはないよな?)
というか、モートマ伯爵なら「若い者にはまだまだ負けるものかッ!」とか叫びながら、征東軍都督という御大な立場なのに勇んで先陣に立つイメージのほうががしっくりとくる。
「どういうことです?」
「政治的な理由だ」
「政治的な?」
曰く、国境より魔物を溢れ出させることは国際的な問題となるらしい。
ここでいう国際的な問題とはフランジュ王国との関係性を指す。
つまり、押し寄せてきている魔物の大軍勢をフランジュ王国領へと越境させるようなことがあってはならないということだ。
「それはそうでしょうが......ものには限度がありますし、仕方がないことでは?」
「そういう訳にはいかない。事実がどうであれ、侵略の恐れありと判断されかねない」
「えぇ......」
さすがにそんなことは......と言いたいが、ブタ侯爵のような貴族も居る。
故に、「余計な疑いの元となる原因は作るべきではない」と、そう言いたいのだろう。
例え、それが魔物の侵攻であろうと、『カルディア王国領から越境して、フランジュ王国領へと侵攻した』という事実は覆らないのだから。
特に、この世界の人々からしたら、たった70年間の不可侵条約でしかない。
多くの人々が、カルディア王国はたった70年で条約を破棄してきたと思うだろう。
フランジュ王国国民のカルディア王国国民への怒りは相当なものとなるに違いない。
「だから、ワシはここを離れる訳にはいかない。最前線も気にはなるが......。それよりも、国際問題を引き起こす訳にはいかないのだ」
「......なるほど」
これで全てに合点がいった。
領民を守るのが義務だというモートマ伯爵が、どうして最前線に赴いていないのか。
領民よりも国民を。
領地よりも王国を。
王国に仕える貴族の一人として守ろうとしているのだろう。
───ガンッ!!
「伯爵......」
「 Σ(・ω・*ノ)ノ」
「の、のだ!?」
それは貴族としては正しい在り方なのかもしれない。
より多くの国民を救うための最善の方法なのかもしれない。
だが───。
何とも胸糞悪い話である。
何とも貴族というか公人らしい話でもある。
───ガンッ!!
将来的にはともかく、激戦区は間違いなく最前線である『サーマル』に他ならない。
───ガンッ!!
それを、国際問題に発展するのが怖いからと、総大将が最前線を不在にするのはいかがなものか。
最前線で今も頑張っている騎士や冒険者達に、総大将不在のまま命を張ってくれとどう説明するというのか。
魔物側は統率者を得て、より一層強化されたというのに......。
───ガンッ!!
本当に胸糞悪くなる話だ。
「お、お爺ちゃん、どうしたのー?r(・ω・`;)」
「ア、アユム......」
「......伯爵、もうお止めください」
だが、そんなことぐらいでモートマ伯爵を嫌悪したりはしない。
いや、そんなことぐらい、既にモートマ伯爵も分かっているようだ。
───ガンッ!!!!
モートマ伯爵も苦渋の決断だったのだろう。
モートマ伯爵も本当は悔しかったのだろう。
「恥を偲んで竜殺し殿にお願い奉る!!」
額から真っ赤な血を流しながら、こう何度も何度もテーブルに頭を叩き付けて一生懸命にお願いしている姿を見せられたら嫌いになんかなれる訳がない。
ドワーフだからか、ちょっと豪快過ぎるような気もしなくもないが、大切なものの為にこうまでできる男気は嫌いじゃない。むしろ好ましい。
(よし! 俺の心は決まった!!)
そして、モートマ伯爵の男気が琴線に触れた俺は一言こう返した。
「いいですよ」
頼みごとの内容なんか聞く必要は全くない。
男気には男気で返す。
これが野郎流の生き様ってもんよ!
「おぉ! おぉ! さすがは竜殺し殿だ! 恩に着る!!」
「別に恩に着なくていいですよ。俺は伯爵の男気に感化されて動くだけですから。......後、罪滅ぼしの為」
モートマ伯爵の頼みごとは大体分かる。
魔物の軍勢の一掃がそうではないのなら、残るはあれしかないだろう。
「伯爵、ご安心ください。俺が始末してきます」
こうして、俺は魔物の大軍勢を率いる統率者の討伐依頼を引き受けることとなった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
後書き
次回、本編『冒険者』!
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今日のひとこま
~ドワーフらしい実力社会~
「そういえば......モートマ伯爵もドワーフってことは鍛冶師なんですか?」
「いかにも。ワシはこのカルディアでは5本の指に入る腕前だ」
「へー。貴族なのに凄腕鍛冶師ってすごいですね」
「何を......って、あぁ、そうか。他国の者はあまり知らないのか」
「どういうことですか?」
「ここカルディアでは鍛冶師の腕前が最も評価される。だから、貴族はみな一級の腕前なんだよ」
「つまり、貴族といえば皆第一線級の腕前であると?」
「逆だよ、逆。第一接級の腕前であることが貴族であることの絶対条件なんだ」
「え? じゃあ、平民であっても腕前が抜きんでていれば貴族になれると?」
「そういうこと。......というか、国王様はもともと平民出の出身だよ」
「えぇぇえええ!? 国王が元平民だったんですか!?」
「驚くのも無理はない。他国ではなかなか有り得ないことだからな」
「それでよく国が機能していますね」
「国王一人でどうにかなる国はヤバいと思わないかい? 国と言うのは周りに賢臣さえ居れば後はどうとでもなるもんだ」
「ドワーフらしい剛毅な回答(笑)。でも、なんだか夢のあるお話です」
「と、思うだろ? でも、意外とそうでもない」
「と言いますと?」
「やはり貧富の差によって受けられる教育の質が異なる」
「あぁ......」
「だから、実際は貴族出のほうが鍛冶師としての腕前も高い事のほうが多いんだ」
「HAHAHA。それはどこの世界でも一緒なんですね」
「そういうことだな。だが、稀に国王様のように突出した才能の持ち主が現れることもある」
「まさにサクセスストーリーってことですね」
「そういう意味では、ここカルディアは鍛冶師にとっては住みよい国だろうね」
なるほどね。国としての一つの在り方としては面白いかも。
そういえば、ナイトさんの腕前だったら貴族にでもなれるのかな?
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