歩くだけでレベルアップ!~駄女神と一緒に異世界旅行~
第215歩目 受け継がれる意志、男の夢!彼女ニケ⑩
8/11 タイトルを変更しました。
(変更前)受け継がれる意志、男の夢!彼女ニケ⑳ → (変更後)受け継がれる意志、男の夢!彼女ニケ⑩
なお、本文の変更はございません。
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前回までのあらすじ
こだわりの為には金を惜しまない!
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□□□□ ~第一次異世界大戦勃発!?~ □□□□
あれから2日が経ち、約束通りエプロンが仕上がった。
ただ、『10日掛かるところを2日で』というのは、やはり無理があったらしい。
それと言うのも、ワクテカ気分でエプロンを受け取りに行った際に思わず絶句した。
店長さん始め店員さんはずっと寝ずの作業だったのか、全員目の下にはクマができていた。
しかも、髪はぼさぼさでスッピン状態。
恐らくだが、体を清める暇すらなかったのだろう。ちょっと臭かった。
(お、おぅ......。こりゃあ、まるで生ける屍だな)
そんな言葉がピッタリな、突貫作業だったことを思わせるボロボロな風体だった。
原因は俺にある以上、気の毒には思う。
だが、対価を支払っている以上、申し訳なくは思わない。
そこに、アテナ達のエプロンを追加注文したところ・・・。
「は、はは、ははははは......。や───」
「や?」
「やったりますよぉぉおおお! 皆さん! 新たに4着ご注文頂きました! こちらも2日で仕上げますよ!」
「「「「「イエス、マイマム!」」」」」
「いえ、こちらは普通にやってもらえればいいですから......」
と、異常なハイテンションで盛り上がっていた。
と言うか、「イエス、マイマム!ってなんやねん! お前ら、そんなキャラだったか!?」と、思わずツッコミそうになってしまった。
うん。無理な労働は体に良くないな。
良い子のみんなは真似したらダメだぞ? お兄さんとの約束なッ!
閑話休題。
そんなこんなで、ニケさんとのデート最終日。
俺は朝のいちゃいちゃをたっぷりと堪能した後、キッチンへとやってきていた。
「今度はこちらを着ればよろしいのですか?」
「そうですね。やはり、料理を作る時はオーソドックスな白が一番ですから」
ニケさんが手にしているものは、先日受け取ってきた白いエプロンだ。
おっと。説明を忘れていた。
実は、エプロンは2着注文していた。
そして、ニケさんは現在別のエプロンを着用している。
それは淡いピンク色で、フリルとレースをふんだんにあしらったかわいらしいエプロン。
生地は可能な限り薄いものをお願いしていて、ニケさんの体のサイズよりも少し小さめな、着ると多少パッツンパッツンになる大きさのものとなっている。
これに関してはもの凄くこだわった。
店長さんがドン引くぐらいには妥協を許さなかった。
こだわった理由は敢えて伏せさせてもらう。
そもそもが個人的な理由だしな。
と、話を戻そう。
ピンク色のエプロン。
それは『若妻』や『新妻』を連想させる男の願望。
だからこそ、実用には向かないと思っている。
いいや、実用にこそ向いていると言わざるを得ない。
そんな訳で、朝のいちゃいちゃ時には実用的なピンク色のエプロンを着てもらっていた。
一方、今お願いしている白い方のエプロンは、正真正銘料理用のものだ。
こちらも、フリルとレースがふんだんにあしらわれた、とてもかわいらしいエプロン。
おおまかなデザインはピンク色の方とは少々異なり、ピンク色の方は例えるなら『愛』がテーマで、白色の方は『花』がテーマとなっている。
うん。なかなか良いな。店長さんのセンスの良さが伺える素晴らしい逸品だ。
そして、こちらに関してこだわった点はただ一つ。
ニケさんの体のサイズよりも一回り大きいもの、着ると少しだぶつくというか、ゆったりと余裕のあるものになるよう何度もお願いした。
こだわった理由は今は伏せさせてもらおう。
少しすると、その理由が分かるだろうしな。
「そういうものですか。畏まりました。それでですね......」
「どうしました?」
「あ、あの......き、着替えますから、少しの間だけ目を瞑っていて頂けますか?」
「目を? なんでです?」
「そ、その......は、恥ずかしいですし......」
「はぁ......?」
よくは分からないが、言われた通りに目を瞑ることにした。
ただエプロンを交換するだけだというのに、恥ずかしいとはなんぞやと思いつつ。
すると・・・。
───シュル。
───シュル。
聞こえてきたのは衣が擦れる音。
脱衣場でよく耳にする、あの聞き慣れた音だった。
(......え? どういうこと? ニケさんは何をしているんだ?)
不思議に思ったので目を開けようとすると、ニケさんからは「ほ、本当に目を瞑っておりますか?」との震えるような声が掛かったので、ここはおとなしく待つとする。
───シュル。
───シュル。
「......」
ごくりっ、と息を呑む。
(ま、まさか......は、裸エプロンとか?......ハッ! これはあれか!? 「本日の朝食は私でございます。どうぞお召し上がりくださいませ」的なあれか!?)
耳に意識が集中しているせいか、衣擦れ音を聞く度に変な妄想を掻き立てられてしまう。
まさかの状況に、期待と緊張感で心臓がバクバクと激しく脈打ち、心が張り裂けそうになっている。
(いやいやいやいやいや。さすがのニケさんでもそれはないか)
しかし、俺はすぐさまそんな有り得ない妄想を掻き消すかのように心を落ち着けた。
ニケさんが自発的に裸エプロンをするなど到底有り得ない。
とは言え、将来的には(俺がお願いするつもりだから)してもらう予定ではあるが。
それと言うのも、ニケさんは性的なことに積極的ではあるものの、羞恥心をキチンと弁えているからだ。
お風呂に入る時など、いつも恥ずかしそうに手で(風呂にタオルは認めない! 手だけで全て事足りるからな!)体を隠しているぐらいだ。
まぁ、その姿が堪らなく嗜虐心をそそられる訳なのだが。
だから、ニケさんが裸エプロンなどは決して有り得ない。
俺がお願いするその時までは我慢して待つ他はないのである。
(さすがの俺でも、いきなり裸エプロンを所望する訳にはいかないよな。HAHAHA)
・・・。
妄想より離れ、現実に戻ること数分。
ようやく、ニケさんから「お待たせ致しました」との声が掛かる。
ニケさんのかわいらしいエプロン姿に期待で心を弾ませながら、ゆっくりと目を開ける。
すると、そこには───!
「い、いかがでしょうか?」
「おぉ! まさかの逆転満塁ホームラン、キターーーーー!!」
「ふ、ふぇ!? ま、ますたぁ!? どうしたんですかぁ!?」
俺はそれを見るなり、天高く拳を振り上げ、サクラもビックリする程の大声で吼えた。
いま俺の目の前には一糸纏わぬ姿のニケさんが───いいや、一糸だけ、白いエプロンだけを纏った姿のニケさんがいる。
どういう訳か、ニケさんは裸エプロンだったのだ。
陶器のようなツルンと滑らか且つ雪を思わせるような真っ白な肌に映える白色のエプロン。
真っ白な白色ではないからこそ、白色のエプロンの存在がしっかりと際立っている。
(こ、この破壊力......。これはもはや戦争だッ!)
ニケさんの恥ずかしそうな表情も相まって、俺と息子はもはや一触即発状態だ。
何が切っ掛けで、この平和が破られるか分かったものじゃない。
(お、落ち着け。落ち着け、我が息子よ。今はこの光景をともに楽しもうではないか!)
しかし、俺は何とか息子を言い宥めて、ゲ○ドウスタイルで再び鑑賞タイムに浸る。
危ない。危ない。今回は(平和の象徴である)白色のエプロンだったからこそ息子と和平を結ぶことができたが、これがもし(愛を育む象徴である)ピンク色のエプロンだったとしたら戦争が勃発していたところだ。
そう、俺(の理性)と息子(の暴走)による第三珍世界大戦がな・・・。
とりあえず、バカなことを言っていないで、ニケさんにその真意を尋ねてみる。
当然、尋ねるべきは『なぜ裸エプロンなのか?』、この一点に限る。俺はまだ頼んでいない訳だしな。
「え? これが本来の正装だと伺ったのですが?」
「......はい? 裸エプロンが正装? 誰にですか?」
「誰にも何も、現地勇者のお供にですが......」
そういうことかー!
現地勇者、最高かよッ!!
思い出されるのはほんの数日前の出来事。
俺達が異世界に行ったことは記憶に新しいと思う。
そこで、俺達は現地勇者一向に盛大にもてなされた。
当然、豪華な料理も振る舞われた訳なのだが、その際現地勇者に強く言われていたことがある。「キッチンには決して立ち入らないように!」、と。なぜか俺にだけだ。
とは言え、始めから立ち入るつもりは全くなかったし、見られては不都合なものでもあるのかもしれないと思い、結局のところ立ち入ることはなかった。
だが、今その理由が分かったような気がする。こういうことか、と。
(そりゃあ、自分の嫁さんや彼女の裸エプロン姿を他の男に見せたくはないわな───ん?)
現地勇者の最もな理由にうんうんと頷いていたら、ふとある事に思い当たった。
それはニケさんのことだ。
ニケさんは積極的に現地勇者一向に料理の師事をお願いしていたという。
(つ、つまり......これはそういうことなのか!?)
もし、そうだったとしたら、俺は鬼に───いいや、侵略者にならざるを得ない。
それこそ戦争だ。第一次異世界大戦も辞さない覚悟である。
俺は安心を得る為にも聞きたいという気持ちと、そうだったら嫌だなぁという聞きたくない気持ちの板挟みに苦しみながらも、事実はどうだったのか尋ねてみることに。
そう、「料理の手ほどきを受けていた時も裸エプロンだったんですか?」、と。
そして───。
「そうですよ? あそこでは正装らしいですから」
「......」
よし、第一次異世界大戦の始まりだ。
(現地勇者、ふざけんなよ! ぬっ殺してやるッ!!)
しかし、それはすぐに勘違いだったことが判明する。
「当然、私は着物の上から着用していましたが」
「え? 先程は裸エプロンだったと......」
「それは現地勇者のお供だけです。この私が歩様以外の男に裸を見せる訳がないじゃないですか」
「そ、そうですよね! その通りですよね!」
「歩様?」
ニケさんが不思議そうな表情をしている横で、俺はホッと胸を撫で下ろしていた。
(そ、そうだよな......。あのニケさんが俺を裏切る訳はないよな。ニケさんの心も体も全部俺のものだもんな!)
どうやら息子だけではなく、現地勇者とも和平を結ぶことができたようだ。
うん。平和が一番。誰だ? 第一次異世界大戦とか物騒なことを言っていた奴はッ!
「では、早速朝食を作りますね」
「はい。お願いします」
───トントン。
───トントン。
リズミカルな包丁の音が朝の爽やかな空間に響き渡る。
一応言っておくが、ヒノノ○トンのCMでは決してない。
「......」
「......」
「あ、あの......。そ、そんなにまじまじと見つめられると恥ずかしいのですが......」
「問題ありません。ニケさんが料理を続けている限り、こうさせてもらいます」
俺の喰い入るような視線に恥ずかしそうにしながら料理をしているニケさん。
ぷりんぷりんと揺れる『白く甘い果実である尻』と、淡くほのかに浮かぶ『赤く甘酸っぱい果実である表情』の共演が俺を魅了してやまない。
どちらを先に食べようか迷ってしまいそうだ。......ぐへへ、ぐへへへへへ。
ただ、俺は思う。
(ニケさんはもう少し脂肪を付けるべきだよなぁ。アテナ程とは言わないまでもさ?)
ニケさんはベストだけれど、ニケさんの体つきはベターだと思う。
とは言え、ニケさんは戦闘系の女神様な訳だから、体つきがアスリート並みにキュッと引き締まっているのはある意味仕方がないのだろう。
ただ正直なところ、俺はアテナやスカイさん、須藤さんぐらい、ふっくらというか肉つきの良いほうが好みである。......まぁ、こんなこと言ってもどうしようもないんだけどさ?
(ニケさんはあんまり食べないからなぁ......)
実に悩ましいところだ。
無理してでも食べろとは言えないしな。
□□□□ ~こだわり爆発!! 俺がやらねば誰がこだわる~ □□□□
ニケさんの裸エプロンを目でたっぷりと楽しんでいる間に朝食が出来上がったようだ。
本来なら、このままアテナ達を起こして、みんなで一緒に朝食をとるところなのだが・・・。
「えぇ? 起こさなくてもいいんですかぁ?」
「あぁ、まだいいぞ。もう少し、ニケさんと二人きりでいたいからな」
「ふふっ。ありがとうございます。本日がデート最終日ですから気を遣って頂いているんですよね?」
「HAHAHA」
全然違います。
まだニケさんの裸エプロンを楽しみたいだけです。
さて、本日の朝食は───。
【大豆の炊き込みご飯】
【大豆とネギのお味噌汁】
【絹ごし豆腐】
【大豆の唐揚げ】
【大豆の五目煮】
【豆乳プリン】
と、豆尽くしとなっている。
ちなみに、この豆尽くしフェアは、俺がこの日の為に敢えて希望した。
豆は健康にも良いし、アテナ達も食べられる数少ない野菜(?)だし、それに・・・。
「じゃあ、早速いただきますか」
「歩様のお口に合えば良いのですが......」
チョコ唐揚げ以外イマイチな料理を食べたことがないので不要な心配だ。
俺は「大丈夫ですよ」と一言掛けてから、更にもう一言発した。
「ニケさんにお願いがあるのですが」
「なんでしょうか?」
「食べさせて欲しいです」
「よ、よろしいのですか!? いつもは恥ずかしいと言って、少しもさせて頂けないのに......」
「まぁ、今は二人きりですし、特別ってことで。それに、そうじゃないと───」
「はい? 何か仰られました?」
「いえいえ。では、お願いします」
デート最終日ということもあるので、俺もニケさんにおもいっきり甘えたい。
そして、それはニケさんも同様で、俺におもいっきり尽くしたいことだろう。
それに、俺には別の思惑も───。
「俺は味噌汁から先に頂く派なんですが......最初はご飯からでお願いします」
「畏まりました」
俺に『あ~ん』ができると嬉々とした表情を浮かべるニケさん。
早速、スプーンでご飯を掬って、俺の口に運んでくる。
「歩様。あ~───」
「すいません。スプーンではなく、お箸でお願いしてもいいですか?」
「え? それは別に構いませんが......畏まりました」
「よろしくお願いします」
一見、「どっちでもよくないか?」と思われるかもしれないが、これは将来に向けた布石でもある。
さて、お箸に持ち変えたニケさんが、再びご飯をお箸に乗せて俺の口に運んでくる。
そうそう。ニケさんはテーブルマナーにも勝利しているので、お箸の使い方はきれいなものだ。
「歩様、あ~ん♪」
「あ~ん......(ちらっ)」
「いかがでしょうか?」
「(もぐもぐもぐ)───おいしいですよ。さすがはニケさんですね」
口に入れた瞬間に広がる大豆の確かな風味。
噛めば噛む程、口いっぱいに広がる大豆の甘味。
うん。朝から食べるには贅沢な一品だ。
それに、ニケさんの「あ~ん♪」のおかげで、いつもよりも5割増───いいや、10割増はおいしく感じる。
「ありがとうございます! お次は何にされますか?」
「味噌汁......と言いたいところですが、大変でしょうし、大豆の唐揚げをお願いします」
「畏まりました。歩様、あ~ん♪」
大豆の唐揚げをお箸で摘まみ、再び「あ~ん」と体を前のめり気味にしてくるニケさん。
「あ~ん。......(ちらっ)」
「いかがでしょうか?」
「(もぐもぐもぐ)───これも凄くおいしいですよ。ニケさんは料理上手ですね」
外はサクサク、中はモチモチ。......これ、マジで旨いな。
大豆だと知らなければ、普通の唐揚げだと勘違いしてしまいそうだ。
うん。朝から食べてももたれない、胃にも優しい一品だ。
「ありがとうございます! 自信作なんですよ、特に揚げ物に関しては!」
「へぇ。そうなんですか。確かにおいしかったですしね」
そう言えば、以前も大量に唐揚げを作っていたな。
となると、揚げ物が得意というのも、あながち冗談ではないのかもしれない。
「もう一つ、いかれますか?」
「じゃあ、お願いしようかな」
「畏まりました。歩様、あ~ん♪」
「あ~ん。......(ちらっ)」
再び、口に広がる幸せな食感と目に映る幸せな光景。
きっと、ニケさんは気付いてはいないことだろう。
ニケさんが「あ~ん♪」と体を前のめりにしてくる度に、俺が幸せに包まれていることを。
「歩様、こちらもどうぞ。あ~ん♪」
「おいしいですからね。じゃんじゃん食べますよ。あ~ん。......(ちらっ)」
幸せは身近なところにある。
「そ、その......。私も食べさせてもらってもいいですか?」
「もちろん。ニケさん、あ~ん。......(ちらっ)」
「あ~ん♪ ふふっ。歩様に食べさせてもらったおかげか、凄くおいしく感じますね」
どういった形で幸せを得るかは人それぞれだ。
「では、歩様。あ~ん♪」
「ニケさんももっと食べてもいいんですよ? あ~ん。......(ちらっ)」
「私は歩様が私の料理をおいしそうに食べているお姿を見るだけでも、自然と満たされますから」
「そ、そうですか?」
胸に手を抱いて、いじらしいことを宣うニケさん。
なんか照れる。
そして、ちょっとショック。
遥かなる頂が見えなくなってしまった・・・。
「それにですね、歩様?」
「なんです?」
「そ、その......恥ずかしいですが、仰って頂ければいつでもお見せしますよ? この体は歩様だけのものなのですから」
「!?」
ま、まさか......気付かれていたとでもいうのか!?
いやいや、そんなことはないはずだ。俺の計画は完璧だったはず。
しかし、ニケさんならば或いは・・・。
「私が気付いていないとでも? 私は歩様の一挙手一投足、余すところなく全てを見ているのですよ?」
「全て!?」
「ふふっ。彼女として当然の務めです」
「彼女凄いな!?」
それにしても、そうか。気付かれていたのか。
俺がたゆんだエプロンの隙間から、ニケさんの遥かなる頂(いただき)を見ていたことに。
俺が白色のエプロンを敢えて大きめなサイズで注文した秘かな理由。
俺がこの日の為に敢えて朝食に豆尽くしフェアを希望した本当の理由。
俺がニケさんに敢えて「あ~ん」をして欲しいとお願いした最大の理由。
それらは全て『俺の、俺による、俺の為のこだわり』であり、『俺の、俺による、俺の為の理由』でもあった。
そう、全てはこっそりと、ニケさんの遥かなるピンク色の頂を見る為に・・・。
「そんな回りくどいことをせずとも、仰って頂ければお見せしますのに......」
「それでは意味がないんですよ。───あっ。いえ、決して見たくないという意味ではないんですけどね?」
「どういうことですか?」
「うーん。言葉では説明が難しいんですよ」
一言で言うのなら、チラリズム?
あれ? 簡単に説明できるな(笑)
別に、好意による露出も悪くはないと思う。
それはそれで素晴らしいものだ。否定する気は一切ない。
だが、俺はその一瞬その一瞬における輝きを大切にしたい。
ちらっと見えるその瞬間を、ちらっと見えた後の脳内補完を大事にしていきたい。
つまり、ぱんもろよりもぱんちら、胸どーんよりも胸ちらだということだ。
「は、はぁ......?」
「理解できるとは思っていません。でも、そういうものだと思って頂ければ」
「そ、そうですか。えっと......結局、私はどうすればよろしいのですか?」
「気付いていないフリをしていればいいんです。まぁ、今更ですが」
「それでよろしいのであれば。───ごほん。歩様、あ~ん♪」
「あ~ん。......(ちらっ)」
最っ高!
その後、ニケさんは朝食の間ずっと気付いていないフリをしていてくれた。
当然、気付いてはいるので、恥ずかしさからか動きは固くなりガチだったが・・・。
なんにせよ、俺のこだわりに最後まで付き合ってくれたのだから最高の彼女ではある。
しかし、敢えて一つ言わせてもらうなら、気付いたなら気付いたなりの演技をしてほしかったところだ。
例えば、頂が見えそうになったところをサッと隠して、俺を焦らしてみたせり。
例えば、敢えて大きく前のめることで頂どころか山の中腹を見せてみせたり。
などなど。
まだまだニケさんには覚えてもらわないといけないことがたくさんある。
少しずつ少しずつだが、俺色に、俺のこだわりに、ニケさんを染めていこうと思う。
「ふつつかものですが、よろしくお願い致します」
「そ、そんな大袈裟な......」
こうして、デート最終日、俺はニケさんのエプロン姿をたっぷりと堪能したのであった───。
(7日分の取得品)
①キャンピングカー型魔動駆輪 (↓2,200,000,000)
②モリオン用二人乗り魔動駆輪 (↓500,000,000)
③魔神槍ゲイ・ヴォルグ
④槍術Lv.1 (女神ポイント ↓50)
⑤槍術Lv.2 (女神ポイント ↓100)
⑥槍術Lv.3 (女神ポイント ↓300)
⑦指名依頼報酬 (↑50,000,000)
⑧ニケ用エプロン白&ピンク (それぞれ ↓50,000,000)
⑨店舗貸し切り賃料 (↓200,000,000)
⑩アテナ達用エプロン (それぞれ ↓25,000,000)
⑪7日分の生活費 (↓8,000,000)
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『アテナ』 レベル:3 危険度:極小
種族:女神
年齢:ーーー
性別:♀
職業:女神
称号:智慧の女神
体力:50
魔力:50
筋力:50
耐久:50
敏捷:50
装備:殺戮の斧
女神ポイント:499,890【↑7250】(7日分)
【一言】ねぇーねぇー。知ってるー?
これねー、約40歩分以来なんだよー( ´∀` )
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アユムの所持金:251,952,200ルクア【↓3,058,000,000】(7日分)
冒険者のランク:SS(クリア回数:26回)
このお話の歩数:約160,000歩(7日分)
ここまでの歩数:約101,598,200歩
アユムの旅行年:44ヶ月+28日(↑7日)
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『アユム・マイニチ』 レベル:14251【↑10】
種族:人間
年齢:26
性別:♂
職業:凡人
称号:女神の付き人/竜殺し
所有:ヘリオドール/ねこみ/ねここ
体力:14261(+14251)【↑10】
魔力:14251(+14251)【↑10】
筋力:14256(+14251)【↑10】
耐久:14256(+14251)【↑10】
敏捷:16711(+16651)【↑10】
装備:竜墜の剣 (敏捷+2400)
神剣デュランダル (???)
魔神槍ゲイ・ヴォルグ (体力&魔力+20000)
技能:言語理解/ステータス/詠唱省略
Lv.1:初級光魔法/初級闇魔法
Lv.2:浄化魔法
Lv.3:鑑定/剣術/体術/槍術/索敵/感知/隠密
偽造/捜索/吸収/治癒魔法/共有
初級火魔法/初級水魔法/初級風魔法
初級土魔法/ 物理耐性/魔法耐性
状態異常耐性
Lv.4:初級風魔法 (※『竜墜の剣』装備時のみ)
Lv.5:??? (※『神剣デュランダル』装備時のみ)
共有:アイテムボックスLv.3
パーティー編成Lv.3
ダンジョンマップLv.3
検査Lv.3
造形魔法Lv.3
奴隷契約Lv.3
待機:申請魔法Lv.3
ワールドマップLv.3
マッピングLv.3
加護:『ウォーキング』Lv.14251 9278/14252
『NTR』 Lv.10823 2389/10824
『不協和音』 Lv.565 100/566
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後書き
次回、本編『6章本編 終話』!
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今日のひとこま
~お前らはそういう対象じゃない!~
ニケさんとヘカテー様が帰界して数日後、アテナ達のエプロンも出来上がった。
「これが贈り物のえぷろんじゃな。なかなか良い品ではないか」
「それはそうだろ。1着2500万もするんだからな」
「ヒラヒラしていて、すぐに破れそうなのだ」
「......破るなよ? いいか? 振りじゃないからな?」
「では、早速着るとしようかの。妾はトカゲを手伝うので、主は姉さまを頼むのじゃ」
「はいよー。ほら、アテナこっちに来い」
「やーだよー! 私は着なーいよー! あーははははは( ´∀` )」
「......じゃあ、お前はご飯とおやつ抜きな」
「Σ(・ω・*ノ)ノ」
「大人しく着るか、ご飯とおやつ抜きか、好きなほうを選べ」
「えー。着ないとダメー?r(・ω・`;)」
「せっかく買ったんだから着ろよ。高かったんだしさ」
「ぶー(´-ε -`) 歩が勝手に買ったんじゃーん! 私はいらなーいって言ったのにー!」
「......お前、ご飯とおやつ抜き」
「ご、ごめんなさーい! 着るー! 着るからー!」
「ダメだ。───サクラ、このくそ駄女神が泣きついてきてもお菓子をあげるなよ?」
「はぁい。りょーかいしましたぁ」
「ふぇぇえええ。コンちゃーん、歩がいじめるぅぅううう(´;ω;`)」
「大人しく着れば良かったのじゃ。自業自得であろう。......妾のおやつを分けてやるから、それで我慢せい」
「うっ。ド.......ド......お、お姉ちゃんは分けるのだ?......なら我も分けるのだ!」
「美しい姉妹愛だなー(棒)......と言うか、分けるなよ。アテナは抜きだって言っただろ」
「ねぇねぇ。ますたぁ、ますたぁ」
「サクラ、どうした?」
「みんなはぁ、裸エプロンじゃなくていいのぉ?」
「ちょっ!? おまっ!? 何を言って───」
「ほぅ。裸えぷろんとな? どういうことか詳しく話すのじゃ」
「えっとぉ、ニケ様はねぇ、裸エプロンでぇ、ますたぁといちゃいちゃしてましたよぉ」
「ふむ。主?」
「な、なんだよ?」
「当然、その後は交尾をしたのであろうな?」
「ぶっ!? す、する訳ないだろ!?」
「ハァ......。主がそこまでへたれとは思わなんだ。それとも、ニケ様では魅力が足りなかったのかの?」
「お、お前な......。ニケさんに殺されるぞ?」
「では、なぜに交尾をせなんだのかの? ひとえに、ニケ様の魅力が足りなかったのではないか?」
「あのな? そういうのは時間をかけてゆっくりとだな......」
「裸えぷろんまでやっておきながら、何を戯言を。なんだったら、妾も裸えぷろんになっても良いのじゃぞ?」
「やめろ。お前らはそういう対象じゃないんだよ。普通に着てもかわいいんだから、それでいいだろ」
「ふん! だったら、早う交尾をせぬか! 妾は待っておるのだからの!」
「服を脱げばいいのだ?」
「だから、やめろって! モリオンは特にそういう対象に見れないんだから!」
普通でいいんだよ、普通で。
アテナやドール、モリオンは普通に着てもかわいいんだからさ!
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