歩くだけでレベルアップ!~駄女神と一緒に異世界旅行~

なつきいろ

第189歩目 女神と条件!最強神vs最強種④


前回までのあらすじ

ニケさんは鬼教官だったようです。

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申し訳ありません。

『最強神vs最強種』シリーズは想定していたよりも長くなってしまいました.....。
この後はデート回がしばらく続きますので、今しばらくお付き合いください。

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□□□□ ~神様ぱぅわ~!~ □□□□

 ニケさんへの誤解も解けたことだし、後はこの問題を解決するだけだ。
 そう、解決するだけのことなのだが.....。

「なんでモーちゃんが【黒死化】してるのー(。´・ω・)?」

 ここにきて、ようやくアテナが事の重大性に気付いたようだ。おっそ!

 それよりも、【黒死化】とはなんだろうか。
 厨二心をちょっとくすぐられる、かっけ~響きだ。

「えっとねー。歩がポカして死んだ時のー、モーちゃんver.だよー( ´∀` )」
「俺がポカして死んだ.....? ま、まさか!? 『絶技』ってやつか!?」
「そーそー。それー」

 おぅ.....。マジか.....。

 ここにきて、よもや『絶技』に出会うとは思いもしなかった。(※世界編!【絶技】 参照)
 いや、以前も出会っているはずなのだが、アテナはなんで言わなかった!?

「だってー。戦闘中だったじゃーん(´・ω・`)」

「今とさほど変わらないだろ!」とツッコミたかったが、あの時と違って、今はニケさんがいる。
 それゆえに、もたらされた情報なのだろう。アテナの状況判断は意外と的確だ。

「じゃー、その【黒死化】ってやつが竜族の絶技なのか」
「ちがうちがーう! 【黒死化】はねー、モーちゃんの種族限定だよー(・ω・´*)」
「モリオンの種族? ドールで言うところの妖狐族みたいなやつか?」
「そだねー。ドラゴンちゃんもいっぱいいるしねー(`・ω・´) 」

 それもそうか。
 かつてベルジュで戦ったドラゴン達も様々な種類がいたような気がする。もう覚えちゃいないけど。

「確か、モリオンの種族は.....」

 そこまで言ったところで、ふと思った。
 今の俺なら、モリオンのステータスを見れるんじゃね?、と。

 残念ながら、今までの俺、つまり人間状態の俺では、スキルレベル差の影響でモリオンのステータスを確認することはできなかった。
 しかし、今の俺、つまり半神状態である俺ならば、所謂神様ぱぅわ~とやらでモリオンのステータスを確認することが可能なのではないだろうか。

 早速、【鑑定】神様ぱぅわ~でモリオンを見てみる。

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『モリオン』 レベル:3 危険度:ミジンコ

 種族:竜族(黒死竜)
 年齢:661
 性別:♀

 職業:ー
 称号:竜族の姫

 Lv.3(人間ver.)  Lv.3(竜ver.) 
 体力:44000    体力:88000
 魔力:46000    魔力:92000
 筋力:48000    筋力:96000
 耐久:48000    耐久:96000
 敏捷:46000    敏捷:92000

 装備:なし

 技能:ステータス

 Lv.1:状態異常耐性

 Lv.2:魔法耐性

 Lv.3:索敵/感知/物理耐性

 Lv.4:鑑定/偽造

 加護:『捕食』Lv.3 3/3
    『魅了』Lv.3 3/3

 絶技:『黒死化』

【一言】ふぇ!? なんで見れるのーΣ(・ω・*ノ)ノ
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 ふふふ。驚いてる。驚いてる。
 男子、三日会わざればなんとやらってやつだ。


 アテナに一泡吹かせられたので、一つ一つ検証していこう。

 まず、危険度が『ミジンコ』というところに吹いてしまったが、これは俺が半神状態だからだと思う。
 本当は『大』や『特大』クラスであってもおかしくはないはずだ。それにしても『ミジンコ』って.....。

 そして、モリオンの種族が黒死竜であることと、年齢が661歳であることも確認が取れた。
 ほ、本当に600歳を超えてやがった.....。これ、あれだよな? 竜族ではまだ子供ってことでいいんだよな? とても判断に迷う。

 更に、以前アテナに聞いた時よりも、ステータスが二倍近く増えているのは【黒死化】の影響だろう。
 それにしても、レベル3でステータスがオール40000超えとは末恐ろしいものがある。

 最後に、今回の一番の収穫と言えば、モリオンの【鑑定】や【偽造】スキルがレベル4であることと、『加護』まで判明した点だろう。
 
 これで様々な点が繋がり、一本の線となった。

 俺がモリオンのステータスを確認できないのは、レベル4スキルである【偽造】が原因だ。
 そして、モリオンが俺の名前を知ることができたのは、レベル4スキルである【鑑定】のおかげだ。

 更に言うと.....。

 時折、俺の意識がぶっ飛んで記憶に齟齬が生じるのは、この『魅了』という加護が原因だろう。
 特に、俺に隠れてお菓子を食べている時や、もしかしたら、モリオンと一緒に旅に出る切っ掛けを作った時にも使用していた恐れがある。

 とんでもないアホ竜だ!
 はい、おしおき決定。

 ・・・。

 しかし、この半神状態というのは実に素晴らしい。
 まさか、ステータスの全てを確認できるとは思わなかった。

 これさえあれば、もしかしたら.....。ちらっ。

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『アテナ』 レベル:3 危険度:極小

 種族:女神
 年齢:ーーー
 性別:♀

【一言】見れるとおもったー? 見れませーん! あーははははは( ´∀` )
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 ちぃ!
 うちのくそBBA駄女神がウザすぎる!

「歩の考えなんてー、お見通しだよー! 人生経験つんできんしゃーいΣヾ(´∀`*」
「.....」

 ニケさんの年齢が見えなかったことから、普通に考えれば、アテナも見れないだろうとは思っていた。
 しかし、ニケさんによると、俺は並大抵の主神よりも力があるそうなので、もしや?との期待もあった。
 上手く隠されたのか、元から見えないのかは分からないが、さすがはオリンポス12神の1柱であると誉めてやろう。

 何はともあれ、モリオンの現状を確認できたことは大きな戦果と捉えることができる。


 では、後はお任せしますね~、ニケさん!


□□□□ ~粘り勝ち~ □□□□

───ゴゴゴゴゴ!

【黒死化】の影響で形成された黒蝶の繭が、徐々に徐々に剥がれ落ちていく。
 いよいよ、新生モリオン(敵)の登場である。

 既に、新生モリオン(敵)のステータスを確認してあるとは言え、こういうボスの登場シーンは、やはり一人の男の子としてどこかくるものがある。
 現状のイメージ的には、カエルの剣士が登場し、様々な時の世界を巡る超大作RPGがしっくりとくる。

───ゴゴゴゴゴ!

 しかし、これで二回目となるが、前回はこんな壮大な情感に溢れていただろうか。
 もっと呆気ないぐらい、淡々と静かに登場していたような記憶がある。

 そう思っていたら.....。

「ゴゴゴゴゴー( ´∀` )」
「お前が言ってたのかよ!?」

「だってー。ひまなんだもーん(´-ε -`)」

 本当、どうしようもない駄女神だなっ!

 せっかく、心踊るモリオンの見せ場ボスの登場シーンが台無しである。
 緊張もくそもあったものじゃない。まぁ、今回俺は戦わないし、緊張なんて微塵もしていないが。

 そんな、どこか場違いでのほほんとしている俺達に、真剣な表情でドールが一つの懸念を様してきた。

「のぅ? 思ったのじゃが.....」
「どうした?」
「トカゲと戦う場所はここで良いのか?」
「?」

 ドールが何を言いたいのかよく分からない。

 俺達が現在居る場所は、教会から少し離れたちょっとした空き地みたいなところだ。
 そこは決して広いとは言えないが、それでも、モリオンと戦うには不都合ない程度の広さはある。
 イメージ的には、住宅街の中にある小さな公園程度の大きさぐらいだと思って欲しい。

 確かにこの広さだと、今のモリオンに好き勝手に暴れられでもしたら、それこそ被害は甚大だろう。
 そういう点では、ドールが懸念を様するのも無理はない。

 しかし、相手はあのニケさんである。
 その心配は全くしていないし、このぐらいの広さでも十分なはずだ。

「いや、そのことではなくての。トカゲは変身するのではないか?」
「.....は?」

「は? ではない。前回とは状況が異なるのじゃ。
 恐らくじゃが、今回はドラゴンに変身するのではないのかの?」

 変身.....だと!?

 頭の中が真っ白になる。
 前回と今回では何が違うのか全く分からない。

 いや、突然のことで、理解が追い付かないといったほうが正しいのかもしれない。

「ア、アテナ。ど、どうなんだ?」
「そりゃー、するでしょー! だってー、疲れてないしねー( ´∀` )」

 つ、疲れ.....?
 なんのこと.....だ? あー!!

 そして、ようやく思い出した。

 前回はフォボスなる大ボスにモリオンをぶつけた後、俺達は新生モリオン(敵)と相見えることになったんだった。
 だからこそ、疲弊しきっていた新生モリオン(敵)に、俺達は勝利することができたのだ。
 もし、あの時、モリオンにドラゴンver.にでも変身されていたのなら、俺達はなすすべもなく敗退していたことだろう。

 そう、あの時、モリオンが変身できなかった理由は疲弊が原因だったのだ。
 そして今は、元気も元気、いつもにっこにこな元気印であるモリオンなのだ。

 えー、やだー、変身できちゃうじゃないですかー。 (by キタキツネ)

「だから、「ここで戦うのか?」と聞いておるのじゃ!」
「.....」

 いいはずないだろ!?

 さすがに、これは看過できない。

 いくら教会から少し離れているとは言え、ドラゴンver.のモリオンでは間違いなく人目に触れてしまう。
 それに、町中で突如ドラゴンなんてものが現れようものなら、それこそ大パニックになることは容易に想像できる。
 しかも、この世界の人々はドラゴンに耐性があまりない。

 つまり、ドラゴンver.のモリオンを見ただけでも恐慌状態に陥ることは必至だろう。

 前回のドラゴン騒動は、十傑であるキャベツさんが何とか揉み消してくれたようだが、今回はそういう訳にはいかない。
 騒動を起こした時点でアウトである。

「ンゴゴゴゴゴー( ´∀` )」

 アテナの演技にも力が入る。
 それすなわち、新生モリオン(敵)の登場が近いということだ。

「.....どうするのじゃ?」
「.....」

 モリオンが変身するリスクを考えたら場所を移したい。
 それも、誰の目にも触れることなく、誰にも迷惑を掛けない場所で、安心して.....。

 当然だが、今からそんな都合の良い場所が見つかる訳がない。
 そもそも、そんな都合の良い場所を知っている訳でもない。

 結局、俺にできることはただ一つしかないのだ。

「.....ニケさん。何とかなりませんか?」
「キス一回です」
「.....え?」
「今すぐに、とは言いません。ですが、私が望んだ時に必ずキスをして頂きたいです」

 うぐぐっ!
 そ、そうきたか!

 しかし、ここは「緊急事態なんですよ!」と呆れ、怒る場面ではない。
 なんたって、「その条件さえ受け入れて頂けたのなら、なんとでもしますよ?」と存外に言われているのだから。

 さすがニケさん。

 こういうところで、抜け目なく要求を通そうしてくるその姿勢は嫌いじゃない。
 むしろ、それでこそ俺の好きなニケさんだ!

 だが、しかし、ニケさんは分からないだろう。

 人間とは小狡い生き物なのだ。
 人間とは小賢しい生き物なのだ。

 そして、言葉には遊びというものがある。

「分かりました。その条件を受け入れましょう」

「まぁ!! ふふっ。これでようやく歩様とキスを.....。
 あっ。ご安心ください。今はこちらを優先致しますので」

 めっちゃ喜んでいるニケさんには申し訳ないが、今回は俺の勝ちだ。
 そして、『どこにキスをする』という指定をしてこなかった、ニケさんの負けだ。

 俺だって、ニケさんとキスをしたいのはやまやまだ。
 それでも、なんとなくのキスだけは絶対にしたくない。

 まぁ、今回はほっぺにキスでいいだろう。
 申し訳ないが、ニケさんにはこれで納得してもらいたい。
 
 そう、内心でほくそ笑んでいたら.....。

「そうそう。あらかじめ言っておきますが、唇以外はダメですからね?」
「.....」

 ニケさんの燃え盛るきれいな灼眼が、俺を捕らえて放さない。
 まるで「返事をお願いします。逃がしませんよ?」と言われているようだ。

 所詮、俺はニケさんの掌の上で陽気に踊る道化に過ぎない。
 所詮、俺はニケさんの尻の下に敷かれ、その感触を楽しむ凡人に過ぎない。

 小賢しいことを、くだらない反抗をしようとしたことが、そもそもの間違いだったのだ。

「.....よろしいですよね?」

 ニケさんから、再度返事を促される。
 その瞳には、その表情には、期待とほんの少しの不安の色が入り交じっている。

 ニケさんだって、不安なのだ。
 ニケさんだって、勇気を振り絞っているのだ。

 ・・・。

 あぁ、もう!
 覚悟を決めよう!

 だから、俺は───。

「喜んで」
「!!」


 俺氏、ついにキスするってよ。


□□□□ ~絶対にキスしてもらいますからね?~ □□□□

「では、歩様のご希望は、誰にも迷惑を掛けず、
 誰の目にも触れない場所ということでよろしいですね?」

「間違いないです」

 喜びを抑えきれず終始ニヤけ顔のニケさんに、俺はそう頷いた。
 条件を受け入れる他はないという仕方がない状況だったとは言え、ここまで喜ばれると恥ずかしい反面申し訳なくもある。

 結局、あれこれと理由を付けてキスを後回しにしていたが、考えてみたら俺の覚悟が足りなかっただけなのかもしれない。
 まだ7日間もある。まだチャンスは他にもあると.....。

 そういう意味では、今回の一件で踏ん切りがついたと前向きに考えるべきだろう。
 本当にヘタレですいません。ニケさん。

「そうですね。どこにしましょうか?
 候補地はそれなりにあるのですが、どこがいいのやら.....」

「この世界でも、人があまり居ないところがいいでしょう。
 本来なら、ドラゴンとか滅多に見れないものなんですよね?」

「仰る通りです。かと言って、秘境や奥地という訳にはいかないでしょうし.....」

 なぜ?と思ったが、開拓の進んでいない秘境や奥地などは環境が劣悪なようだ。
 それこそ、魔物や動物、虫の宝庫なのだとか。

 どこぞの駄女神が、「虫はいやー(゜Д゜)」としきりに騒いでいることからも、秘境や奥地という選択肢はないと見ていだろう。

「難しそうですか?」
「ご安心ください。必ずキスをして頂きますので」

 いやいやいや。
 キスうんぬんよりも候補地を探してくださいよ.....。

 刻一刻とタイムリミットが迫る中、ニケさんはそれでも冗談が言えるぐらいには余裕綽々だった。

 ・・・。

 そして、キスへの情熱が原動力となったニケさんに、遂にその時が訪れる。

「お待たせしました!
 そこは環境自体は整っているとが、この世界の誰の目にも触れることのない最適な場所です」

 ようやく、該当する場所を見つけたようだ。

 ニケさんは実に清々しい表情をしている。
 まるで仕事を終えたキャリアウーマンのようだ。

 いや、キスを虎視眈々と狙う狩人のようだ。大丈夫ですって! ちゃんとしますから!

「では、アテナ様、よろしいでしょうか?」
「んー.....」

 当然と言わんばかりにアテナに確認するニケさんと、今回はなぜか即答をせずに少し考え込むアテナ。

 この二人、どうやって意志疎通をしているのだろうか。
 会話らしい会話なんて、ほとんどしていないというのに.....。

 何も言わなくても気持ちが通じあっているというかなんというか、とても悔しい。悔しいです!

「だいじょぶでしょー。いっちゃってー( ´∀` )b」

 かっる!?
 え!?それでいいの!?

 そして、アテナは相変わらずの軽さである。
 考え込むということは、何か重要なことではなかったのだろうか。.....いや、アテナだし、今更か。

「畏まりました。では、歩様。早速、参りますね?」
「は、はい。よろしくお願いします」

───パンッ!

 手を叩いたニケさんから小気味良い音が一つ。

 その音を皮切りに、黒蝶の繭みたいなものも含めて、この場にいる全ての者の体を構成する輪郭が徐々に徐々に薄れていった。

 そして───。

「こ、これは!?」
「な、なんじゃ、これは!?」
「ふふっ。何も問題ありませんよ」
「しゅっぱーつ( ´∀` )」


 この日、俺達はこの世界パルテールから忽然と姿を消すこととなった。

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後書き

次回、本編『最強神vs最強種⑤』!

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今日のひとこま

~肉食女子の滾り~ 

「歩様。申し訳ございません」
「いきなりどうしたんですか?」
「いえ。あんなにキスを無理矢理決めてしまいまして.....」
「ちょっ!? い、嫌がってなんていないですよ!? それは誤解です!」

「そう.....なのですか?」
「それは本当です。なんでしたら、神様ニケさんに誓ってもいいですよ?」
「嬉しいです.....。ずっと断られていましたので、お嫌なのかとずっと不安でした」
「あぁ.....。それは本当に申し訳ありません。実は.....」

俺はここでキスを断っていた理由をニケさんに話すことにした。
シチュエーションに拘りたいことやアテナ達の目があることなどなど。

「シチュエーション.....ですか?」
「やはり、ファーストキスは拘りたいというかなんというか.....」
「え?」
「え? あれ? 俺、何か変なこと言いました?」

「い、いえ。あ、歩様はロマンチストなのですね」
「はぁ.....? ニケさんもステキな場所でしたいという思いはありませんか?」
「無いとは言いませんが.....」
「なにか?」

おや?
こういうのは女性の方が気にするものだと思っていたが.....。

「私としては、早く不安を一掃したいというか、歩様を私だけのものにしたいというか、
 もっと歩様を感じていたいというか、恋人であるという確かな事実しょうこが欲しいですね」
「うっ.....。そ、それは実に、ニケさんらしいですね。なんかすいません」
「いえいえ。それだけ私のことを想って頂いた証ですもの、感謝致します」
「ありがとうございます。約束は必ず守りますので、そこだけは安心してください」

「ふふっ。信じております。
 ですが、アテナ様達の目が気になるというのはどういうことでしょうか?」
「恥ずかしいと言いますか、教育に悪いんじゃないかと.....」
「愛し合っている姿なのにですか?」
「アテナ達には刺激が強すぎませんかね?
 それに、まだそういうことを知るには早すぎる気もします」

「そうなのですか?
 エロースは知識を得る時期に早いも遅いもないと言っていましたが.....」
「うっ.....。そ、そういう考え方もあるにはあるでしょうが.....」
「とりあえず、歩様がお嫌なのでしたら無理にとは言いません」
「た、助かります」

「ですが、少し残念でもありますね.....」
「と言うと?」
「人前でのキスは、いかにも『歩様は私の彼氏なんです!』と周囲に印象付けることができるじゃないですか。私の神護である『勝利』の血が滾ります」
「HAHAHA」


あれか?
ニケさんって独占欲は言わずもがな、意外と競争意識が強いのかな?


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