歩くだけでレベルアップ!~駄女神と一緒に異世界旅行~

なつきいろ

第20歩目 はじめての失敗!Aランク昇格試験⑥

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『ラピスラズリ』 レベル:75 危険度:極小

種族:人間
年齢:18
性別:♀

職業:ギルド職員
称号:なし

体力:1650
魔力:1000
筋力:1420
耐久:1580
敏捷:1300

【一言】ついに見ちゃったんだねー!ねー?どうー?落ち込んだー?
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.....俺、ギルド職員よりも弱かった!!

「なぁ、ラズリさん強すぎじゃないか?」
「ちがうちがうー!歩が弱すぎなのー!」
「それって、やっぱり日本人だからか?」
「当然ー!むしろ体力10もあったほうが驚きだよー!」

体力10で驚きとか......日本人貧弱すぎだろ!

俺達は今、転送陣を目指している

「う~ん。どうやらここは20階層以上みたいですね」
「どういうことです?」
「ダンジョンは10階層ごとに魔物とレベルが変化します」
「なるほど」
「どういうことー?」

アテナは人差し指をあごにあて、んー?と小首を傾げている

安定のバカっぷりだ
しかし、分からないことはちゃんと聞いてくるだけでも偉い

「ラズリさんが見たことがない魔物が出てきてるってこと」
「それがなにー?」

「ハァ~。いいか?ダンジョンは10階層ごとに魔物が変化する。
 そしてラズリさんは15階層までいったことがある。
 これでわかったろ」

「つまりー、ラピスは私達よりもすごいってことでしょー?」

「全くちがう。いや、すごいのはあってるが」
「ふえーーーーーん!あってるならつねらないでよーーーーー!」

俺は当然のようにバカをつねると、駄女神は喘いだ

「あってるかどうかが問題じゃない。理解したかどうかが重要だ」
「あってるなら誉めてくれてもいいじゃーん!」
「だからそこが重要じゃねえって言ってんだろ!」
「ふえーーーーーーーーーーーーーーん(´;ω;`)」

20階層という未知の階層なのに緊張感が全くない
アテナは単にバカなだけだが、俺は剣豪で武王の影響だろうか

「つまり、ラズリさんは10~20階層までの魔物は知っていることになる。
 ただ、今いる階層はラズリさんが見たことない魔物が出てきている。
 だから20階層以上なんじゃないかってこと。わかったか?」

「あー!なるほどー!歩って賢いねー(・ω・´*)」

今ので賢いことになるのか......
こいつ、これでも智慧の女神なんだよな?

「ふふっ。本当に仲がよろしいようで」
「でしょー!歩ってばツンデレなんだよー!」
「それは良いことを聞きました。参考にさせてもらいますね」
「参考ってなに!?婚活の!?」

とりあえず、駄女神と婚活バカはほっとこう......

今出てきている魔物はおおよそ3種類
カエル、ねこ、亀みたいな魔物だ

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『ブルーフロッグ』 レベル:48(F) 危険度:小
体力:850
魔力:720
筋力:850
耐久:900
敏捷:800
【一言】うぇー。ぶよぶよー。気持ちわるーい!
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『アレイキャット』 レベル:49(F) 危険度:小
体力:780
魔力:900
筋力:720
耐久:800
敏捷:950
【一言】かわいいー!ねー飼おうよー!ダメー?
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『ハードタートル』 レベル:50(F) 危険度:小
体力:950
魔力:920
筋力:900
耐久:990
敏捷:700
【一言】歩いじめてみてー!私がカメさん助けるからー!
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ねこ魔物なんて飼いません
亀を助けても竜宮城なんていけません

「魔物強すぎ!俺より強いとかマジか......」
「だからー歩がよわ・・・」
「よ~し、分かった。言うんじゃない!」

魔物よりも弱いとか泣けてくる
なんでもかんでも日本人だからで済むのもおかしいが......

「でも歩なら全く問題ないはずだよー!実際余裕でしょー?」

アテナの言う通り、実はかなり余裕だ
出てくる魔物はただ殴るだけで全部倒せている

「スキルLv.3ってのはそういうことなんだよー!」
「ステータス低いのに?」
「関係ないねー!ぶっちゃけラピスも瞬殺できるよー( ´∀` )」
「......え?マジ?」
「まじー!」

アテナはそういうと、にぱー☆とほほ笑んできた。かわい

いやいや!そこでにぱー☆はどうなんだよ
いちおラズリさんは仲間なんだし

アテナが言うには、この世界はステータスよりもスキルレベルがものを言うらしい

「歩以外の人はたくさんの経験を積んでやっとスキルレベルがあがるんだよー。
 ラピスも剣術持ってるみたいだけどLv.1だしねー。
 Lv.1じゃ、Lv.3の歩には絶対勝てないのがこの世界の決まりー(o゜ω゜o)」

「ステータス差が1.5倍~2倍近くあるのにか?」
「余裕余裕ー!ちなみに勇者ちゃんも剣術Lv.3なんだよー!」
「ふぁ!?俺って勇者と同じ強さなの!?」
「今の歩じゃ勝てないけどねー( ´∀` )ステータス差あるしー!」

なるほど。そういうことか
つまり同じスキルレベルならステータス差で決まるのか

「ラズリさんが仮に剣術Lv.2だったらどうなる?」
「それでも余裕ー!」
「そ、そうなのか......」

確かにLv.2とLv.3の時の強さは体感的にも別次元だった

「実際Lv.2とLv.3の違いってどれぐらいなんだ?」
「ステータスでいうと6倍ぐらいー?」

え?これもLv数倍なの!?
となると、Lv.2の時点でラズリさんとはほぼ同格ってことか

どうやら、スキルで無双できるっぽい


□□□□

(ステータスは)弱いけど、(スキルで)強いことが判明した俺は転送陣を目指す

だが、その道のりは非常に厳しい
別に魔物はたいしたことない。厳しい理由は当然......

「フミャアアアアアアアアア!」

通路のわきから、ねこの魔物があらわれた

「あっ!たまあああああああ!」
「ええええ!?またですか!?」
「本当すいません。うちのバカが......」

アテナがねこ(アテナ命名:たま)に向かって走り出した

そして、

「ぎゃふ!?」

当然のように、ねこに突撃されて地面を転がるアテナ

「いたーい!いたいよー(´;ω;`)」
「お前さぁ。ねこに嫌われてるの分からないのか?」
「だってー鑑定では好感度高かったんだもーん!」
「ねこは子供が嫌いな生き物なんだよ。うるさいから」
「だ、だれが子供よーーーーーーーーーーーーー!」

とまぁ、さっきからずっと、ねこの魔物の時だけアテナが暴走しだすのだ

そしてゴッドあいも所詮、女神スキル(笑)だった

「いいか?も言うが、ねこはあきらめろ。わかったな?」
「はーい......」

アテナは肩を落としてしょんぼりしている

その姿がかわいそうで......

───ぽふっ。ぽんぽん

「にへへー!ありがとー!」

頭をぽんぽんされたアテナは、いつものようににぱー☆と微笑んだ
かわいい

「そうやって甘やかすから改善しないのでは?」
「と言われましても......アテナのにぱー☆ってかわいくないです?」
「気持ちはわかりますが......」

ラズリさんの言いたいこともわかる

でも、しかし、

「フミャアアアアアアアアア!」
「こんどこそー!たまああああああ!」
「だからなんでまた行くんですか!?」

ラズリさんが思っている以上にアテナはバカなんです

「ぎゃふ!?」

そして、注意したところで学ばないのがアテナなんです

「いたーい!いたいよー!たまーなんでー?(´;ω;`)」


□□□□

ダンジョンは危険だが宝の山らしい

「いいですか?ダンジョンにはお宝がたくさんあります。
 当然、宝箱なんてものもあります」

「なるほど」

「しかし、全部が全部お宝という訳ではなく、中には宝箱に擬態した魔物もいます。通称、宝箱もどきですね。
 ですから、宝箱を見つけてもすぐには近付かず、一度【検査】の魔法を使って安全かどうか調べたほうがいいでしょう」

ラズリさんが言うには、【検査】の魔法も探索者と勇者のみが覚えるらしい
つまりダンジョン探索するには、通常なら探索者の仲間が必須になるということだ

てか、勇者万能すぎだろ!いや、だからこそ勇者なのか

「どうです?私ってオススメじゃないですか?
 今なら旦那さんを・・・」
「いい人見つかるといいですね。応援してます」
「あぅ......」

某うさぎのような口をして肩を落とすラズリさん
そんなことを話していれば、当然やつがなにかする訳で......

「歩~!宝箱あったよー!私が見つけたから私のものだよねー?」

少し先を行ったところに不自然に置かれた宝箱
そして嬉しそうに尋ねてきた、がめついアテナ

「いいぞ~!開けてみろよ~?」
「え?え?え?さっきの話聞いてました?」
「さっすが歩~!話がわかるー!」

アテナが宝箱に近付くと、

───ガチャ

「ガアアアアアアアアアア!」
「うぎゃああああああああ!」

思った通り、宝箱もどきだった
宝箱もどきの姿形は某RPGゲームのそれと全く同じだ

「歩~!助けてええええ!助けてよーーーーー!」

アテナが宝箱もどきに襲われ始めた

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『宝箱もどき』 レベル:50(F) 危険度:小
体力:1000
魔力:1000
筋力:950
耐久:1000
敏捷:900
【一言】なんで宝箱が魔物なのー!?助けてよー(´;ω;`)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

結構強いな
Fランクでは最高クラスの魔物かもしれない

アテナの知識を信じるなら、魔物はランクごとにステータスの上限値が決まっているらしい
Fランクは1000だ。ちなみにGランクは500らしい

Fランクでは最高クラスの魔物なのだろうが、

───ガンッ

「ガゴオオオ......」

一発殴るだけで、宝箱もどきは光となって消え去った

「ええええ!?一発で、ですか!?」

どうやらスキルLv.3は、ラズリさんも驚くぐらい反則級に強いみたいだ

「アテナ。大丈夫か?」
「うえーーーーーん!ごわがっだよーーーーー!」
「【検査】って魔法があると魔物かどうかわかるんだってよ
 ラズリさんが使えるみたいだから教わってこいよ」
「本当ー!?わかったー!ありがとー!歩~!」

アテナの泣いていた顔は、すでにパァッと明るく華やいでいた
泣いたり笑ったり、まるで子供のようにころころと表情が変わる

「よし、完了。これで【検査】使えるぞ」
「ありがとー!ねー私が宝箱見つたら私のでいいー?」

「がめついな!
 あと魔法を教えてくれたラズリさんにお礼言えよ!」

「あ、うん。ありがとーラピス。それよりー.....
 ねーいいー?私が見つけたら私のでいいー?」

こんなに心のこもってないお礼ないわ~

「ねーねーねーねー。いいよねー?いいよねー?」

俺の服をくいくいっと引っ張って、しつこくおねだりしてきた

「うるせえよ!好きにしろよ!」
「ふえーーーーーん!いたいー!でもやったー!」

俺に頬をつねられて痛がりながらも、にぱー☆と喜ぶアテナは非常に気持ち悪い

「約束したからねー!絶対だからねー!」
「はいはい」
「ふふっ。では【検査】の魔法の使い方なんですが......」
「じゃあ宝箱探してくるー( ´∀` )」
「ちょっ!ちゃんと説明聞いていけよ!」

俺の制止も聞かず、アテナは駆け出していってしまった

「・・・」
「本当すいません。うちのバカが......」

数分後......

「ガアアアアアアアアアア!」
「うぎゃああああああああ!
 助けてええええ!歩助けてよーーーーー(´;ω;`)」

アテナが宝箱もどきに襲われていた

「・・・」
「......ハァ。ちょっと行ってきます」

俺は駄女神を助けるため駆け出した

そして思った

こいつ、つかえねぇ


□□□□

「大変な目にあいましたね。
 でも無事戻ってこれてよかったです」

俺達は冒険者ギルドに戻ってきた

落ちた先は24階層だったみたいだ
俺はラズリさんと協力して、24階層、25階層の階層主をなんなく倒した

「それにしても、アユムさんの働きは素晴らしかったです」
「ありがとうございます」
「Aランクに恥じない強さでした」
「さすが私の歩だねー( ´∀` )」
「だれがお前のだ!だれが」

アテナは我が事のようにきゃっきゃっと喜んでいる
頬をつねりたいところだが、そこまで喜ばれると照れる

ちなみに、どちらの階層主も俺よりはるかにステータスは高かったが、恐怖感すら感じなかった

スキルLv.3は改めてやばいと思った

ちなみに、あのあと何度もアテナはねこに突撃されたり、宝箱もどきに襲われていた

本当に学ぶ脳みそはないようだ
駄女神は欲望に忠実なバカなおっぱいだった

「格上の階層主に果敢に挑んでいく勇猛さ。
 そして、格上を相手にして圧倒するアユムさんのお姿。
 思わず見惚れてしまいました」

「は、はぁ......」
「どうでしょう?私を貰っては・・・」
「ごめんなさい!」
「あぅ......」

いい加減しつこい!
だれかラズリさんを貰ってあげて!

「あの......それで試験結果はどうなんでしょう?」
「当然合格よねー!25階層突破したんだしー?」

確かにアテナの言う通りだ
Bランクの俺が25階層を突破できたのは事実だ

「試験結果なんですが、当然不合格ですね」

そんな俺達を余所にラズリさんは予想外な言葉を放った

「え?不合格......?」
「なんでー!?ぺったんこラピスいい加減にしなさいよー!」
「ぺったんこ......」
「話進まないだろ!黙ってろ!駄女神!」
「ふえぇ(´;ω;`)」

アテナを黙らせて、ラズリさんの説明を聞く

「まずですね。今回の試験の主旨は、ダンジョンに潜っても大丈夫かどうかを見極めるものでした」
「はい、理解しています」

「アユムさんは、間違いなくAランクになれるだけの強さはあります」
「それなら・・・」

「ですが、適性というのは強さだけではありません。
 危険を回避する能力なども重要となります」
「は、はぁ?それなら問題なかったはずですが?」

ラズリさんが言っている意味は理解できる
強さはなにも力だけじゃないってことだ

「3階層で罠にかかりましたよね?」
「え?」

「アレイキャットに何回も突撃されてましたよね?」
「え?え?」

「注意してもやめませんでしたよね?」
「えっと......」

「なによりもダメなのが説明を全く聞いてませんでしたよね?」
「・・・」

お、おい、これって......

「以上のことから、ダンジョンに潜るだけの能力がないと判断して、不合格とさせて頂きました」

「ちょ、ちょっと待ってください!
 それって全部アテナのことですよね?
 俺、関係ないですよ」

「アテナさんの同行を許可したのはアユムさんですよ。
 連帯責任という言葉はご存じないですか?
 再試験はぜひアユムさんお一人で来てくださいね」

そう言って、ラズリさんはやさしく微笑んだ

「歩、残念だったねー!次頑張ればいいよー!」
「・・・」

アテナは慰めのつもりなのか、俺の肩にポンッと手を置いてきた
さも、自分は関係ないとばかりに......

「そんなことよりーダブル早く買ってよー!約束したよー!」

───ブチッ

「......そうか。そんなにダブルがいいのか?」
「うんー!ダブル♪ダブル♪」

「だったらたっぷりダブルを味わわせてやるよ!
 このくそ駄女神!」

俺は両手でアテナの頬をおもいっきりつねった

「ふえーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!
 そのダブルはいらないーーーーーーー(´;ω;`)」


こうして俺はAランク昇格試験に不合格となった

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『アテナ』 レベル:3 危険度:極小

種族:女神
年齢:ーーー
性別:♀

職業:女神
 称号:智慧の女神

体力:50
魔力:50
筋力:50
耐久:50
敏捷:50

女神ポイント:500【↑350】

 【一言】んー♪ダブルおいしぃー♪歩はなんだかんだ言ってやさしいんだよねー!
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 アユムの所持金:419000ルクア
冒険者のランク:B(クリア回数:5回)

このお話の歩数:約15400歩
ここまでの歩数:約353780歩
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『アユム・マイニチ』 レベル:840【↑18】

種族:人間
年齢:26
性別:♂

職業:凡人
称号:女神の付き人

体力:850(+840)【↑18】
魔力:840(+840)【↑18】
筋力:845(+840)【↑18】
耐久:845(+840)【↑18】
敏捷:900(+840)【↑18】

技能:言語理解/ステータス

Lv.1:初級火魔法/初級水魔法/初級風魔法
    初級土魔法/初級光魔法/初級闇魔法

Lv.2:索敵/感知/隠密/偽造/捜索/吸収
    浄化魔法/治癒魔法/状態異常耐性
    物理耐性/魔法耐性

Lv.3:鑑定/剣術/体術

共有:アイテムボックスLv.1

固有:ウォーキングLv.840 560/841
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コメント

  • ノベルバユーザー328077

    え?女神かわええやんけ

    1
  • ノベルバユーザー301491

    女神クソムカつく

    2
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