歩くだけでレベルアップ!~駄女神と一緒に異世界旅行~

なつきいろ

第14歩目 はじめての無駄!


『歩~!私もスキルを覚えたいー!』

突然、アテナが訳の分からないことを言い出した

まぁいつものことだから無視しよう
俺はそのまま歩き出した

『歩~(´;ω;`)無視しないでよー!』

アテナは勢いよく俺に抱き着いてきたのだが......

俺は無言で目線をおろす
ワンピースの隙間からは、俺の胸板で潰れ、むにゅとすばらしい谷間を作りだしている巨乳が見えた

───ずりゅずりゅ 

「どどどっ、どういうことか詳しく話せ」

やばい!童貞には刺激が強すぎる!
しかし俺は目を離すことができなかった

『んー?慌ててどうしたのー?』
「き、気にするな......で?なんだって?」

───ずりゅずりゅ 

じっ─────────。

俺の胸板でこすれる胸の感触がとてもやわらかい
やはりすばらしい!本当こいつは顔と体だけは女神級だ!

『変なのー!まぁいいやー!
 でねー、私も歩みたいにスキルを覚えたいのー!』

「お前にはゴッドパンチ(笑)やゴッドチャーム(笑)があるだろ」
『それは女神スキルなのー!私が言ってるのは庶民スキルー!』

庶民スキル......だと!?
言い方にカチンッときたが、今は置いておこう

「それで?どうやってその「庶民スキル」を覚えるんだ?」
『私も女神ポイントで覚えられるよー!』
「え?マジ!?」
『まじー!』

アテナはそう言うとにぱー☆とはにかんできた
そして、ぴょんぴょんぴょんって跳ねてくる

───ぷるんぷるんっ

「ぶっ!!」

鼻血出た
きれいなピンク色のぽっちが見えた

『な、なんで鼻血でたのー!?』
「き、気にするな......」

童貞には刺激が強すぎるが、ありがたい瞬間でもあった

□□□□

アテナと色々相談した結果、以下のスキルをあげることにした

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
斧術Lv.1(消費50)/斧術Lv.2(消費100)
体術Lv.1(消費50)/体術Lv.2(消費100)
物理耐性Lv.1(消費100)/物理耐性Lv.2(消費200) 
魔法耐性Lv.1(消費100)/魔法耐性Lv.2(消費200)
状態異常耐性Lv.1(消費200)/状態異常耐性Lv.2(消費400)

女神ポイント計 1500
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

アテナに死なれると困るので耐性系は真っ先にあげることにした
現状は俺と同じスキル状況だ

体術は俺と同じ理由
ゴッドパンチ(笑)があるから、いらないかと思ったが念のためだ

そして気になるのは......

「なぁ。なんで斧なんだ?」
『斧だからだよー!かっこいいじゃーん!』

うむ。分からん
なにがかっこいいのかも全く分からん
まぁアテナのスキルだしどうでもいいか

てか、白いワンピース着た美少女が斧持ってるとかシュールすぎてちょっと怖い

『歩~!ちょっと見ててー!』

なんだかうれしそうにきゃっきゃっとはしゃいでいる

アテナが木を殴る
拳を何度か入れて、ようやく小さなへこみができた

『どうー?すごいー?』
「・・・」

アテナが大きな胸を揺らして、ドヤ顔で尋ねてきた

俺とはずいぶん威力が違う
どうやらスキルの強さは使い手のステータスに影響されるみたいだ
まぁアテナはくそ雑魚ステータスだし、こんなもんなんだろう

『い、いたーい!歩、治してー(´;ω;`)』

よく見ると、アテナの手の皮がすこし剥けていた

「ハァ......」

ヒールを使って一瞬で治してやる

『ありがとー!体術は痛いからあまり使わないようにするねー!』

アテナはいつのものようにぱー☆と微笑んできた

「・・・」

どうやらこいつの体術はつかいものにならないようだ
というか、スキルあげなきゃよかった。ポイントが無駄になった

『でも強くなったでしょー?斧!斧を持てば歩の役に立てるよー!』
「ふ~ん。役に立てるね~」

(あれで強くなったつもりなのか......)

でも、こんなバカな子でも考える脳みそはあったようだ
アテナはアテナなりに考えてくれてるんだな

なんて風に、思う訳もなく......

「本音は......?」
『歩に内緒でこっそりお金を稼いで遊びたーい!』

まぁ思った通りだ
これがアテナクオリティーなんだよな

だから俺は......

「お前には全く期待していないが、とりあえず武器屋にいくぞ」
『ふえーーーーーーーーん!つねらないでよー(´;ω;`)』 

アテナの頬をつねりながら武器屋を目指した

□□□□

武器屋に着いた

店の中はきれいとは言い難いが、武器特有の鉄の匂いで満ちていた
棚には様々な武器が乱雑に置かれている

これだけたくさんあれば、アテナが気に入る武器もありそうだ

〔へい、らっしゃい〕

カウンターの奥から髭ボーボーのおやっさんがでてきた
いかにも職人です、みたいな風体だ

「ほら、好きな武器選べよ」
『うんー!どれにしようかなー?』

アテナは目をキラキラさせ、食い入るように武器を眺め始めた

(普通、女の子が武器を見て目をキラキラさせるものか?)

と思ったが、アテナは普通じゃなかった
単なるおっぱいだった。なら、まぁいいか

しばらくすると、アテナが一つの武器を指差した

『歩~!これなんかどうー?私の美しさにぴったりじゃないー?』
「・・・」

アテナが指差したのは、この武器屋には似つかわしくない、刀身の先まで白銀に輝くきれいな武器だった

なるほど。確かに美しい武器だ
アテナはバカだけど、顔と体だけは女神級だ
アテナが装備できたら確かに映えることだろう

『ほらほらー!20万ルクアだってー!私、これがいいー!』

安いな!
買える、買えるぞ!

しかし......

「お前はバカか?大バカなのか?
 それは剣だろ!お前は斧がいいんだろ!?」

『ふえーーーーーーん!ごめんなさーい(´;ω;`)』

俺は当然のように駄女神の頬をつねった

まさか自分が取得していないスキルの武器を選ぶとは思わなかった
いや、バカなおっぱいであるアテナだからこそか

(なんと言うかまぁ、欲望に忠実な駄女神だよな)

そんなやり取りをしている俺達を、武器屋のおやっさんはまるで不審なものでも見るかのように伺っている

騒がしくしてすいません......
やっぱりアテナがいると色々と面倒事が増えるな
さっさと購入して帰ろう

それからしばらくしてアテナが選んだのは、先端に刺の付いた両刃斧であるバトルアックスだった

〔それはお嬢ちゃんには重すぎると思うが?〕
『へいきよー!女神である私に不可能はないわー!』
〔女神......?〕

こ、このバカ!
自分から女神であることをばらしやがった!

おやっさんが怪しげな目で俺達を見る

そして......

〔にいちゃん......大変だな。まぁがんばれよ。おまけするからよ〕

俺はおやっさんに同情された
アテナはどうやら痛い子だと思われたようだ
まぁ、自分を女神とか言っちゃう子はそう思われても仕方がない

『なんでー!私、女神なのにー!智慧の女神なんだよー!』

アテナは地団駄踏んで悔しがっている
俺は、それが女神らしくないんだ、と言ってやりたい

「それで?斧を持ってみた感触はどうだった?」
『持てなかったー』
「......なんだって?」
『だからー!重くて持てなかったのー!』

「・・・」
〔・・・〕

こいつ!
さっき女神には不可能はないとか言ってなかったか
結局重くて持てないとかバカかよ!

(落ち着け、俺。こいつはバカなおっぱい。こいつはバカなおっぱい)

「おやっさん。アテナでも持てそうな斧ありますか?」
〔これなんかどうだ?この店で一番軽い斧だ〕

おやっさんが出してきたのは、木こりが持っていそうな簡単な作りの鉄の斧だった

攻撃力はなさそうだが、アテナには期待していないので問題ない

『えー?これー?なんか女神たる私に相応しくなくなーい?』
「うるせえな!文句言ってないで早く持てよ!」
『もう仕方ないなー!』

アテナがぷうっと頬を膨らませ、ぶつくさと文句を言っている
ちょっとかわいい

『ふみーーーーーーーー!ふみーーーーーーーー!』

アテナが踏ん張って力を入れているようだが、斧は全く持ち上がる様子がない

『ふみーーーーーーーー!ふみーーーーーーーー!』
「......お前、なにやってんの?」
『はぁはぁ......重くて持ち上がらないー』
「・・・」
〔・・・〕

俺はおやっさんを見る
おやっさんは首を横にふった

〔この斧より軽いとなると、この短剣ぐらいしかないな〕

いや、短剣を出されてもどうしようもないんだが
アテナは斧スキルだしなぁ

そんなことを考えていたら、アテナが短剣に興味を示した

『ふみーーーーーーーー!ふみーーーーーーーー!』

しかし、斧同様持ち上がることはなかった

『はぁはぁ......これも重いー!』
「た、短剣も持てないとか冗談だろ!?」
『歩~!私、色々持ってみて気付いたんだけどさー!』
「な、なんだよ?」

『私、今までティーカップより重いもの持ったことないんだよねー!あははははー( ´∀` )』

───ブチッ!

「あははははー( ´∀` )じゃねえ!くそ駄女神!
 ふざけんなよ!お前に使った女神ポイント返せや!」

『ふえーーーーーーーーん!ごめんなさーい(´;ω;`)』

キレた俺はいつものように駄女神の頬をおもいっきりつねった


こうして俺は大量の女神ポイントを無駄にしてしまったのである


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『アテナ』 レベル:2 危険度:極小

種族:女神
年齢:ーーー
性別:♀

女神ポイント:80

【一言】武器ってなんであんなに重いのー!腕がぱんぱんで痛いー(´;ω;`)
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アユムの所持金:250000ルクア
冒険者のランク:B(クリア回数:4回)

このお話の歩数:約21250歩
ここまでの歩数:約251590歩
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『アユム・マイニチ』 レベル:708【↑10】

種族:人間
年齢:26
性別:♂

職業:凡人
称号:女神の付き人

体力:718(+708)【↑10】
魔力:708(+708)【↑10】
筋力:713(+708)【↑10】
耐久:713(+708)【↑10】
敏捷:768(+708)【↑10】

技能:言語理解/ステータス/鑑定Lv.2/浄化魔法Lv.2
   剣術Lv.2/体術Lv.2/索敵Lv.2/治癒魔法Lv.2
   感知Lv.2/隠密Lv.2/偽造Lv.2
   初級火魔法Lv.1/初級水魔法Lv.1
   初級風魔法Lv.1/初級光魔法Lv.1
   状態異常耐性Lv.2/魔法耐性Lv.2

固有:ウォーキングLv.708 604/709
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