俺に稲妻が走る時、それはつまり覚醒の時

そらち

第8話 救世主

火柱が体を舞っている..。

光堂君を助けに行こうとした時、
いきなり前に現れたその人は、炎を纏っていた。

「情けねえぜ..こんな奴にやられるなんて..」

細身なのに、力強い目つきで長身だから
とてもカッコよく見えてしまう。
あれが俗に言う「イケメン」なのだろうか。

その人は、目にも止まらぬ速さでAIの
背後に廻り、紅く燃え上がる両手で焼き尽くして
しまった。

「終わりだ..クソが..!」

あまりの迫力で声も出なかった..。

光堂君があれほど苦戦していた敵を、
一瞬で倒してしまうなんて..。

「そこの女!もう出てきて良いぜ!」

「あ、、はい、、」
ここに居ることがバレていて少し驚いた。

「俺は 結城 蒼(ゆうき そう)だ。あんたは?」
「あ、荒川 優奈です…」

結城さんは光堂君を担いで言った。
「まずはこいつの治療が必要だ。ついてこいよ。」

私は言われた通り結城さんについていった。

ーー

「..い..おい..聞こえっか!?」

誰か男の声で目が覚めた。

「...いっつ!!」
体中が痛む。起き上がれない。

「まだ寝てろよ、貢」

「誰だ..あんたは..なんで俺の名前を..」

「後で話してやる。それより今は彼女に無事を
報告してやれ。」

「水、買ってきましたー。」
荒川の声が聞こえる..。そうか、あいつも無事だったか。

「良かった..荒川..」
「あ!!光堂君!!目が覚めたのね!!良かった..」

「心配かけて..ごめんな。」
荒川は泣き出しそうだった。
「ほんとだよお..もう..」

一段落ついたところで、俺は本題に入る。

「そんで、あんたは一体何者なんだ?」

その男は窓の外を見ながら答えた。

「俺は..結城 蒼。元AI推進委員会の幹部だ。」

コメント

コメントを書く

「冒険」の人気作品

書籍化作品