俺に稲妻が走る時、それはつまり覚醒の時

そらち

第2話 前進

電流が体を流れている、..気がする。

雨はいつの間にか降り止んでいた。

世界を変える。そう言って出てきたは良いものの、
これからどうすれば良いか全く考えていなかった。

「どうすっか...」

たった数十分で両親を殺され、
その衝動からAIに反抗し砕くなんて、
今日はなんて日なんだ。

それでも心は落ち着いていた。

今の俺は負ける気がしない。

「でも、流石に疲れたな..」

体は疲労を感じていた。
近くの公園で休むことにした俺は、昔の記憶を頼りに
歩き出した。

公園に着き、水飲み場に向かった。
「こんな状況でも、喉は乾くもんだな..」

蛇口を捻り水を出す。少し濁った水は、
幼い頃よく飲んだ記憶がある。

手ですくってみようとした。
だが、水が手に触れた瞬間、体中に刺激と痛烈な
痛みが走る。

「ツッ!!」

慌てて水飲み場から離れる。
手が麻痺している。

「やっぱり..俺の体には電流が..」
それは確信に変わった。

その事実は確かに強力な力ではあったが、
水から大きなダメージを受ける事にもなる。

「それでも、これは大きな一歩だ。」

俺は薄暗い空を見上げた。

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