執事様は旦那様

水無月 あげは

執事?羊?

私はごくごく普通の大学生。そして、今日をもちまして…一般人を卒業します。



ではなく……
きっかけはほんの1時間前の事です。




私は生まれた時から母一人子一人で生活をしていました。いわゆる母子家庭ってやつだね。友達にだって恵まれてたし、成績だって悪くない方だもん。スポーツは…うん。まぁ…いいじゃん。気にしないで!(圧力)



母子家庭は大変なんていわれていたけど、言うほど大変なんて思ったことはない。



そんな母親を1週間前に失くした。理由は持病によるものだった。余命も宣告されていたから1カ月長生き出来たことだけが喜ばしいことだった。





そんな私は本日の現在インターホンが鳴って玄関を見る
と、真っ黒なスーツを着た男性が立っていました。



私は頭にハテナを浮かべていると、彼胸に手を当て、頭を下げこう言った。


「お初にお目にかかります。本日より真波お嬢様の執事となります。佐野と申します。どうぞよろしくお願いします。」



羊????????


あの…もふもふした毛並みの????????



「あの…ヒツジって…」


「いえ、真波お嬢様執事(シツジ)でございます。真波お嬢様をお迎えにあがりました。」




?!?!?!?


ええぇ!あの「◯イちゃんの執事」とかの執事!?!?!?!



なんで?なんで!?
なんで私を迎えに来っ…って何が何だかわからーん!!!!






「失礼いたしました。混乱されてるようなので簡単に説明させて頂きます。まず、先ほども申し上げましたが、私(わたくし)本日より真波お嬢様の執事となります、佐野と申します。」



彼はそこから何故この状況に当たるか説明してくれた。



要するに、私の父親は超のお金持ち、母親の実家が結婚を猛反対し、母親は父親の為に実家から出て暮らすことにした。だが、父親の実家は母親の実家が目当てだった為に母親が実家を出たと知り、母親を見捨てるように言われた。さもなくば、母親の中の子供もろとも抹殺すると脅されたそうだ。それを母に正直に言ったら、母は「じゃあいつか…わたしが死んだらこの子をお願いします。それまではわたしが育てます。」と言って別れたそうだ。



そんなこともあり、父親とは会えなかったそうだ。
だが、私のことは母からの手紙やアルバムで成長を見守っていたそうだ。そして、母親は亡くなってしまったことで、約束を守るべく執事を遣わしたとのことだ。



父の名は「水谷滋」誰でも知ってる、あの有名な芸能プロダクションの社長だ。




そんな人がまさか私の父親とは…




「つきましては本日より屋敷に住んで頂きたいと旦那様から仰せつかっておりますので、一緒に屋敷まで来て頂きます。このアパートにある必要なもの、屋敷で生活される必需品などございましたら私に仰っていただければすぐ用意いたします。」





いやいや…待ってよぉ〜



「でわ、まいりましょ。」




そんなぁぁぁぁぁ!!




福島真波…本日よりお嬢様というものになっしまいました。


そして、この執事様は…この後とんでもないことになるとも知らずに…



『福島真波…ふん。俺をどう楽しませてくれるのかなぁ…』

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