獣人とか竜人とか人間がいない世界に転生したけど夢あるファンタジーも糞もないこの世界

睡眠魔

3話 カルロッタ姐さんの子育て授業とまさかの隊長殿

レオンさんは引きづられながら、私は抱かれながら小さなテントに連行された
着くと、レオンさんはポイッと床に投げられ、私はベッドに寝かされた
レオンさんの扱い雑やなあ・・・それと、レオンさんムキムキなのによくカルロッタ姐さん持てるなあ・・・


「いいかい?まずこのくらいのサイズだったら乳を飲ませるんだ。もう数ヶ月したら離乳食だよ。それで、乳はこれ、哺乳瓶で飲ませるんだ。乳は体温くらいに温めなきゃ、飲ましちゃダメだよ」


哺乳瓶に微温い乳を入れ、私を抱き上げて口に入れた
・・・美味っ
んくんくと、必死に飲んでいると変な視線を感じた
・・・うわっ気持ち悪っ
其方を向くと、ネグルさんを筆頭に顔がもう気持ち悪いとしか言い様のないくらいに緩ませて此方を見ていた
・・・泣いてやろ


「ひっ・・・うぐっ・・・ふええええぇぇぇぇんんん!うあーっ!」

「・・・アンタ達、何やってんだい?」

「「「アッやべ」」」

「・・・」


レオンさんに抱えられ、そっと目を隠された
・・・えー、有りがちな奴ですかー
なんか凄い音がするなー・・・気になるなー・・・
暫くすると、するりと手は退かされた
途中だった為、乳を哺乳瓶で飲まされると眠くなってきた
・・・うーん、展開早い様な気もするけど、眠いしねえ
・・・
・・・寝るかなあ


「それじゃあこれから子育てについて、ミッチリと教え込むからね!覚悟しな!」

「あ、嗚呼・・・」


・・・面白そうだし、起きてるか


「まず、基本的に赤子は1人じゃ何も出来ない。トイレもだ。そこで、トイレを何時するか分からない為にこのオムツを履かせておく。したら泣くからそれが目印になる。そして、オムツは使い捨てだから使ったら丸めて捨て、尻を拭き新しいのに取り合える」

「そこもするのか」

「当たり前だよ。あと、腹減った時にも泣くから、まずはオムツから確認すんだよ?」

「分かった」

「宜しい。そして大切なのが過度なストレスを与えず、運動をさせること。ストレスはさっきみたいなのとかで出るから注意だね。運動はハイハイとか数時間レベルでいい。赤子の頃は殆ど寝てばかりだからね」

「そうなのか・・・」

「それじゃあ今からオムツ交換するからよく見てな」


え、ちょ、待っ
お、落ち着こうぜ!?
ねえ、ゴロン、って寝かさないで!?
布剥がさないで!?
ねえ、待っ、オムツ替えは黒歴史になるからア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!







・・・グスン
恥ずかしかった・・・
この事は一生忘れないからな・・・多分・・・



「この子、男の子だったんだね」

「それでも可愛いと思うぞ」

「そりゃ赤ん坊は皆可愛いさ。まっ、この子は輪を掛けて可愛いけどね」

「将来はどうなるのだろうな」

「さあね。それじゃあもう昼前だし、飯にしようかね」


おお、飯か
獣人さん達って何食べるんだろうなー
・・・・・・・あれ、そう言えば鴉達いなくね?
おーい鴉達〜


バサバサバサ


心の中で呼ぶと、あの不安定で心配になる飛び方で来た
・・・嘴に色んな物咥えてるって事は、餌付けされてたのか
呆れて見ていると、ごめんなさいとでも言うかの様にスリスリと擦り寄ってきた
・・・可愛いし気持ちいいから許す!
レオンさんの腕の中でキャッキャウフフしてると、レオンさんから凄い微笑ましい目線を送られた
・・・・・・マジで子供になって来てんな
さっきの食堂テントに行くと、ベビーベッドらしき柵のあるベッドに寝かされた
勿論、鴉達も一緒だ
・・・そう言えば、名前付けしてないなあ・・・
実はレオンさんに森で運ばれている時にステータスを見たり外国語を調べたりする事が出来た
ルイーズは元々知ってたから分かったけど
因みに今のステータスはこうなっている

名前:ルイーズ(筝洋 浮焚)
種族:半獣人
Lv:1
年齢:0歳

HP:10   MP:20   STR:15    DEX:25   VIT:10
AGI:10   INT:105   MND:100   LUK:50

スキル
神の加護:ステータスが3倍になる
レオン・エペイスト大尉の子:兵から可愛がられる
転生者:ステータスが2倍になる
鑑定Lv1:何でも調べられる。自分以外は簡略化される
隠蔽Lv1:自分の姿やステータスなど隠せる。また、他人や物にも付与が可能。今は自分しか隠せない
全異常状態無効:全ての異常状態を防げる


魔法
ヒール:下級回復魔法。使うMPは2。HPが5治る
フレイム:下級炎魔法。使うMPは2。ダメージは10
ヒュドール:下級水魔法。使うMPは2。ダメージは10
ソイル:下級土魔法。使うMPは2。ダメージは10

神様からのお知らせ
成長は獣人族と同じで、1年で二歳になるよ!
君はマルタタイガーという青い虎の半獣人だよ!その世界では美しさ故に既に五百年前に滅んだ一族だから、気を付けてね☆まあ、竜人達はすごい長生きだから知ってると思うけど☆
あと階級とかは古代ローマ時代の物だからね☆


・・・わー、意外につよーい。というかチートやん
というか神様ふざけたな
まあそりゃそうだよな、神様にあったんだし特典くれたし
そして一番下のお知らせは知らん、帰ってくれ
なんだよマルタタイガーって!青い虎って!現実世界でも絶滅危惧種だったよね!?中国の伝統の薬になるとかで!
・・・ヤバい、死なぬ様にしなくては
すると、威圧感のある気配と声がした


「レオン大尉、レオン・エペイスト大尉はおるか!」

「はっ!グランデ少佐!」


お?誰か来たな。・・・レオンさんの上司かあ
というかレオンさん大尉だったのには驚いたなー
それより上の少佐が上司なのは当たり前か
・・・そうだ、鑑定してみよう!


名前:アードラー・グランデ
種族:大鷲の獣人
Lv:61
年齢:45

HP:628   MP:456

スキル
少佐の威圧:半径10メートル以内の生き物達に無差別に威圧を掛ける。威力は子供が気絶する程。大の大人が怯えるぐらい

好物は鮭や肉

強面な見掛けによらず小さい子や撫でられたりブラッシングされるのが好き。嘴と尾は家族や恋人以外が触れるのはNG

⚠これ以上は読み込めません⚠


・・・えーっと、何処から突っ込めばいいのやら
というか、相手を鑑定する場合は好物とか出るんだ
でも撫でられるの好きなのかー、意外やなホント
あとあんま威圧感じんのだが・・・


「レオン大尉、貴殿が未知の赤子を拾ったと報告があったが」

「はっ!確かに拾いました」

「ふむ・・・。その赤子、名は何という」

「ルイーズです。ルイーズと名付けました」

「ルイーズ、か・・・。1度でいい、見る事は構わぬだろうか」

「はっ、勿論であります」


・・・あ!
何時の間に食堂からは、レオンさんと少佐さんと私以外が消えていた
多分、人払いをしたのはカルロッタ姐さんだろう
そして、レオンさんが此方に歩いて来た
ヒョイっと持ち上げられ、少佐さんの所まで持っていかれる


「ふむ・・・確かに獣族の血は引いているようだが・・・」


私の耳と尻尾を見て言う
・・・そうだ
今、少佐さんとの距離はかなり近い
・・・頭を撫でてみよう
やっぱりさ、反応とか気になるじゃん・・・?
ほら、よく親とか気になったらすぐ調べろとか言う人居るじゃん?
・・・・・・・・・うし、今だ!


わしゃわしゃっ


「ッ!?ふあ・・・///」

「!?グランデ、しょ、少佐!?」

「あいー!あうあうあー!(凄い気持ち良さそうだな!)」

「こ、こら!ルイーズ、やめんか!グランデ少佐を撫でるなど、なんて恐れ多い事を・・・!」

「えー?あういあ!あにょあるあ?(えー?別にいいやん!あの顔だよ?)」


少佐さんの顔を指さすと、釣られてレオンさんも見た
そこには凄いだらしなく緩み切った・・・ほわっとした顔が
おう、周りにお花が飛んでるよ 
ヤベェな
レオンさんなんてポカン、ってなってるし
ただ、指が腹に食い込んで痛いけどね!
結構痛いよ!
・・・あ、レオンさん意識戻った


「グランデ少佐・・・?」

「はへぇ・・・・・・はっ!・・・あ、こ、これはだな!?///」

「あー・・・秘密にしておきますよ。三人の秘密に、ね」

「う、うむ・・・頼んだぞ、レオン大尉」


少佐さんはこっちを見て頭をわしゃっと撫でた後、レオンさんと仕事?の話をして帰って行った


「全く・・・あの少佐の頭を撫でるとは・・・肝が据わった息子を持ったものだ・・・」


溜息を吐きながら呆れたように笑うと、ぐしゃぐしゃと頭を撫でてきた
乱暴だが、温かく気持ちのいいものだ
撫でている手に擦り寄ると、更に撫でてくれた
・・・ちょっち痛いけど



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