死んだと思ったら神獣に転生しました

宵月

住処へ行くようです 前編

「お…、…きろ、し……うの雛…、おい、起きろ!」
誰かが俺を起こそうとする声が聞こえる。
「ううん…」
「おい、起きろと言っとるじゃろ!」
と、凶悪な爪で突っつかれた。

「ふみゃん!…いてぇー、なにするんだ!」
「それは我が言いたいわ!勝手に我のステータスを覗き見てそのあと気絶するなど!我にケンカを売っておるのか!」
なんだか俺が悪いみたいになってる気がする。だが勘違いしないでほしい。俺は目の前の竜のステータスを見たくて見たわけではない。
「あんたがステータスを見ろって言ったんだろ!」
「だからと言って我のステータスを見ろとは言っとらんじゃろ!お主自身のステータスを見ろと言っとるのじゃ!」
「俺だってダグラス・・・・のステータスを見たくて見たわけじゃない!」
「…なぜお主が我の名を知っている。ステータスの一部の部分は見えないようにしてあったはずじゃが」
「え?見えないようにって?称号竜王とかたぶん全部見たぞ。」
「なに、竜王もみただと!」
と聞いてきた。
「あ、ああ、見たというか見えたというか…」
「むう。まあ見えてしまったものは仕方がない。あらためて我こそが五大竜王の雷竜王ダグラスじゃ。よろしくのう、神獣の雛よ」
「ああ、よろしく。ところで一つ質問何だがいいか?」
「別に構わんぞ」
「神獣になったということは、この世界でなにかしらの意味があるということなんだよな?」
「ふむ、まあそこら辺の知識は我が住処にて教えてやろう。」
え?竜王の住処?俺食われないよね?
「まさか俺を食べる気じゃ…」
「誰が、神獣を食べるか!お主にこの世界のことや、魔物についてなどを教えてやるという意味じゃ!」
「そ、そうか。じゃあよろしく頼む。」
「ふむ、では我が住処へ行こうかのう。」
こうして、俺はダグラスの住む地へと向かって行ったのだった。

「そう言えばお主、飛べるか?」
「飛べるか!」
若干の不安を抱えながら。

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