深淵の罪人と守り人の指輪

ノベルバユーザー133926

9話 森からの脱出

森の中を走りながら特訓し続けているうちに朝方になっていた。
「クロナまだなのか?」
「あと少しなので頑張ってください。」
と言われたが、後ろの方にいる魔獣たちに打ち続けているが減るどころか増え続けている一方であった。
「あの、魔獣をまとめて打ったらダメですかね?」
シルヴィーに話しかけてみると。
「マスター、調節できなかったときはわかってますよね?」
だめだ、また怒られてしまうと思いつつ断念しつつ一匹ずつ打っていくのであった。

三十分ぐらいたった頃、森を向け魔獣が追いかけてこなくなっていた。
「はぁはぁ、休まないか?」
「さすが私も疲れましたよ。」
「ご主人様、休憩なされますか?」
森を向けれたが、ほとんど走り続けていたので三人とも疲労困憊といった状態である。
「そうだな、休憩がてらさっきの話の続きをしよう。」
と日陰に腰を下ろし話を始めた。
「この大陸には、トライム帝国ともう一つ国があるのか?」
「はい、あそこに見えるでしょうか?」
とクロナは指を指した。
「あそこにあるのがキリマリア王国首都ヒーリミル。王国最後の防衛線です。」
「最後のということは、あの首都が落とされたら王国は終わりじゃあないのか?」
疑問を抱きつつ聞くと。
「それは大丈夫ですよ。あそこには終焉の巫女というお方がいますので。」
終焉の巫女? またこの世界の言葉かと、頭を悩ませているとそれを察したのかシルヴィーが説明をしてくれた。
「マスター。終焉の巫女というのは、この大陸で力を余した選ばれし五人の内の一人ですよ。」
へぇーそんなにすごい人なのか。
とぼーっと話を聞いてると、シルヴィーからとんでもない一言が聞こえてきた。
「マスターもその一人ですよ。」
んっ??? とんでもないことが聞こえたんだが
「今、シルヴィーなんて」
「ご主人様もその一人なのです。深淵の罪人や終焉の巫女や他にも...」
憂鬱になりそうな話を耳を塞ぎつつ
「あぁ~~、やめてくれよ。俺は普通の人間なんだから、そんな選ばれし者だなんて荷が重すぎるから。」
と喚きつつ休むのであった。


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