深淵の罪人と守り人の指輪

ノベルバユーザー133926

10話 首都ヒーリミル

話が終わり、三人で歩き始めたところシルヴィーがクロナに話しかけていた。
「クロナさんはなぜ追われていたのですか?」
シルヴィーが聞いてみるとクロナは少し俯いた状態になり、
「もともと私は帝国に囚われていたのです。」
「なぜ囚われていたのですか?」
クロナの服装からしていいようにされてなかったと思ったが、囚われていたなんて
そう思いつつ、クロナが答え始めていた。
「帝国は魔具の力を契約なしで引き出そうする、魔術を研究していました。その実験として私が使われていたのです。」
クロナは悲しい顔をしながら答えている中、シルヴィーは考えるような顔をして答える。
「しかし、なぜそのようなことを研究していたのでしょうか?」
確かに、魔具はこの大陸が作られたと言われる自然遺物そのような力を引き出してどうしようというのだろうか。
今まで説明してもらっていたことを、思い出しながら考えていると
「帝国は七つの魔具を集め、絶対的力を手に入れようとしています。魔具は決められた者にしか契約が成功しないので、無理やりにも力を引き出そうとする研究をしているのです。」
今までずっとクロナはその研究に我慢していたのか。
俯いているクロナの頭を優しく撫でながら
「辛かったんだな。」
俺はそう一言掛けることしかできなかった。

俺たちは、歩いてるうちに首都ヒールミルについていた。
「門の前で検問していますね。」
どうしたらいいんだよ、俺の格好この世界の衣服と焦りつつ考えていると
「マスターの格好怪しまれますね。」
「シルヴィーさんこちらに来てもらってもいいですか?」
何かクロナがシルヴィーに話しかけていた。
「え? 本当にやるんですか?」
「はい」
何を話しているんだ? 首をかしげているとシルヴィーがこちらにきてから
「マスター、少し付き合ってください。」
言われ何もわからないまま連れていかれた。

「そこのもの立ち止まれ。」
検問をしている警備兵の者に声を掛けられていた。
「お前たちヒーリミルに入る前に身分を証明できるものはあるか?」
「私たちは、街から街へと旅をしている旅芸人です。」
クロナが警備兵にそう言った。
「旅芸人なのかそれでは何か余興を見せてくれないか?」
なんでそうなんだよ!! と思いつつ、さっきシルヴィーに言われたとおりに俺は最初から出していた白銀の銃を取り出した。
そしてシルヴィーは少し離れたところに行き、頭の上に果実を乗せた。
「それでは今からあの少女の頭の上にある果実を打ち抜いてご覧入れましょう。」
クロナが言い終わるのを確認してから引き金を引いた。
当然のさっきまで動き回る魔獣に当てていたので何も動きがない果実に当てるのは簡単であった。
そして空中に向かって銃を投げ光輝き消えていくのを、確認してから一礼した。
「まぁ、余興に関してはいまいちだったが、あの少女に向けていたものは何だ?」
警護兵の人は興味を示しながら聞いてくるが、
「すみません。あれは少し特殊でして見せるのは断っているのです。」
クロナが答えると
「そうなのか、とりあえず旅芸人だと分かったのでここを通るがよい。」
俺たちは、首都ヒーリミルの門をくぐるのであった。

街についてからどうしようか? と考えていた時シルヴィーから
「私には少し蓄えがあるのでクロナさんを連れて買い物してきます。」
「俺も一緒じゃあだめなのか?」
そう聞くと
「マスターはいやらしい目で見てくるのでダメです。」
なんだそりゃ?
「わかったがどこで待ち合わせするんだ?」
「時間がかかると思われるんで正午に鐘がなるので中央の噴水のところでどうですか?」
「あぁ、わかった。」
「ご主人様、あとでその私の姿を見て感想おねがいしますね。」
言い残し二人と別れるのであった。

二人と別れてから一時間くらいたった頃であった。
「ちょっとそこのお嬢ちゃん俺たちと遊ばないか?」
と路地裏の方から男の声が聞こえた。
この世界にもナンパみたいなことしてるやついるのか。
「少しだけでもいいからお兄さんたちと遊ぼうよ。」
男たちは強引に少女に話しかけているので
「あのー」
と助けようとし割って入った。
「お前なんだよ」
いきなり睨まれたよ。
「えっと、この子が困ってそうなんで助けようとしたんですけど。」
「なんだよ。お前死にたいのか?そこどけよ。」
男たちは今にも襲ってきそうなのでいやになりつつ銃を取り出した。
「一応、言いますが痛い目遭いたくないんでしたら引き下がってくれませんか?」
言い方が悪かったのか男たちは殴りかかってきた。
えー、なんでだよ。
そう思いつつ調整し引き金引いて男たち打っていた。
「くそ、お前覚えていろよ。」
そう言い残し男たちは逃げて行った。
はぁ~めんどくさいなぁ
そう思いつつ絡まれていた少女の方を見ると
「あなた普通の人間?」
「え?」
一瞬何を言っているのかわからなかったが少女話しかけてくる。
「あなたの魔力なぜ底がないのかしら?」
「君は一体何を言っているんだ?」
そう返すと少女の一言に驚いた。
「私には人の魔力量が見えるのよ。」
「君は何者なんだい?」
俺はまたまた驚愕した。
「私はこの大陸で選ばれし者の五人の内の一人≪終焉の巫女≫ライラ・クロスフィールドよ。」
そう名乗ったのであった。


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