やがて枯れる花たちへ

こむぎ子

青い遺書

「彼女が妊娠をしました。」
そこで私の筆は止まりました。これ以上書ける力もない。ペン先からインクが垂れ続けます。インクに筆を浸からせてやる力もない。私は、人間であることと、このやるせなさと、人生に嫌気が差したのです。どうか、どうか。次生まれるのが私でありますように。そして子宮をぐちゃぐちゃにされて彼女の胎で死ぬのも、私でありますように。

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