やがて枯れる花たちへ
処刑前夜
ある盗人がお縄にかかった。かなりの有名な盗人で、中々どうして姿をくらますのが上手かった。それがなんと自首をしたそうな。
「阿呆な話です。奪った金で至福を肥やし、しゃくしゃくと下人商人役人までもを見下ろし酒を浴びていました。しかし私は寺の前に横たう飢えた猫と、それを丸々入れられそうな自身の膨れた腹に、やるせなさを感じてしまったのです。私は旅館に齧り残した魚を一尾すらもやれないのです。寺の前にいるのに仏様はそいつが生きてる間にどうこうすることは出来ないのです。」
明日はその盗人の処刑日だ。
「阿呆な話です。奪った金で至福を肥やし、しゃくしゃくと下人商人役人までもを見下ろし酒を浴びていました。しかし私は寺の前に横たう飢えた猫と、それを丸々入れられそうな自身の膨れた腹に、やるせなさを感じてしまったのです。私は旅館に齧り残した魚を一尾すらもやれないのです。寺の前にいるのに仏様はそいつが生きてる間にどうこうすることは出来ないのです。」
明日はその盗人の処刑日だ。
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