やがて枯れる花たちへ

こむぎ子

誕生日前日(中)

静かに影は泣いた。さよならの時間が来た。虹なんて白昼夢だと喜びを轢き殺す雨とタイヤ、エンジン音。雲が広がる。夜が這い寄る。それでも美しいのだ。魅入られてしまった。まだ感動が抜けきれていないんだ。胃酸の警笛、やがて午後六時。

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