やがて枯れる花たちへ

こむぎ子

朝露

花と名付ければ相応しい人だった。
涙と名付けても相応しい人だった。
草の朝露のような淡く、美しい手で僕の涙を拭った。
君が僕の名前を呼ぶ、僕が君の名前を呼ぶ。
互いに嘘つきの名前だ。
それでも生まれた愛は透明だった。

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