RISING

鳳 鷹弥

麗游 vs 犀角



大渦から姿を現したリズは海瓏のギフトによって姿を変えていた。



「”流麗人魚ストリームマーメイド”っ!」



リズの下半身はミカン色の鱗を持つ魚の尾となり、団服の前が開け、こちらもミカン色の貝殻で胸を隠している。

臍の周りには、貝殻が連なったアクセサリーを身に着け、耳は魚のヒレのような形で伸びている。

カリステッィクは魚のフィンのような形に変わり、宙に浮いていた。



「アタシは”麗游れいゆう”麗らかに戦場を泳いで倒すよ?貴方を。エル様の為にねっ!」



紺青色の水の道をスティックによって描き上げると、急スピードで尾を振り真っすぐに突進していく。

すると、瞬間的に身体に大渦を纏うと、更なる加速と特性・連鎖を利用した連続攻撃を仕掛けるとウォッカは炎を纏わせた鎖鉄球を足元に打ち付け、大きな炎の壁で防御するが、リズに押し切られ、その攻撃をいなしながらも受け、背後へと吹き飛ばされる。

ゆっくりと、身体を起こす、ウォッカは優雅に宙を泳ぐリズを見てニヤリと笑う。



「バハハハ...ロックな一撃だァ...危なかったぜ。エル様ってのァお嬢ちゃん所の総長の事かい?」



「うん!そうだよっ。引っ込み思案で一人だったアタシにとっては、やっと出来た心を許せる居場所なんだっ、だから皆の笑顔の為ならアタシ、頑張るのっ!」



「時代に並び立ったカリスマか...恥ずかしながらよォ...俺も、20ぐらい下の若僧を認め、担いでる訳だ...お嬢ちゃんの話、オジサンには泣けそうな話だけどよォ...俺も負けられん」



「アハハっ。思ったよりいい人っ。行くよ?クロマリモンっ!」



「おっと!それは俺の呼び名か...忘れかけてたぜェ!!”犀角さいかく”ウォッカ・スパーナァ!!ロックに行くぜェ!!」



桑実色の炎を纏った鎖鉄球を空中へ放つと、そこから鎖を旋回し、火の粉を空中へ撒くように散らす。

そして火の粉が、リズの周りを囲むタイミングで、鎖鉄球をリズに向けて放つと熱量の異常上昇を重ね、リズの周りで火花が起こり、花火のような爆発を起こす。

それを、リズは大渦で防ごうとするが、突如、そこに身体を硬化した男が薙刀を持ち乱入してきた。

爆発が起こした炎と黒煙を薙刀で振り払うと、そのまま岩場へと着地する男を目掛けてリズもまた急降下していく。



「全然っピンチじゃ無いよ?なのに助けに来るなんてぇ、もしかしてアタシが好きなの?ねぇ、エゼちんっ!」

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品