RISING
核弾頭と鉄壁
「いよっしゃあああああ!!此処は俺様がハクくてマブい活躍で、先陣切ったらァ!!」
鉄パイプを二本、振り回し、ガルダが相手陣営を伺う。
そして、それを見たエルヴィスがニヤリと笑って頷くと、それを確認したガルダが声を上げる。
「俺様は、反乱軍切っての暴れん坊....上等すんなら容赦しねェ。ガルダ・ステンローザ様よォ....そこんとこ夜露死苦ゥ!!!!」
お決まりの名乗り口上を高らかに宣言したガルダは、崖を無視して空中へと飛び立つ。
「さあ、お前の力でヤツらに風穴開けて来いッ....ガルダ..」
エルヴィスの声を背にガルダは、空中でギフトを開放する。
瞬く間に上昇したギフトを纏うと、ガルダは叫びにも似た大声を発する。
「奏嵐覚醒ッ!!”闘魂兵鷲”ッ!!!!」
覚醒に依って得た翼をはためかせて、ガルダは革命軍陣営に向けて、一気に飛翔していく。
ガルダという男を現すかのような、捨て身の核弾頭が陣営に迫るのを革命軍の幹部たちが目に映す。
「オラァ!!待たせたなッ....仏恥義理の初撃....食らえァァ!!!!」
ガルダが鉄パイプに竜巻を纏って放とうとすると、革命軍から唯一人が武器を構えて前に出る。
すると、円錐状の大槍をガルダに向けて空中へと飛び立つ。
「お初にお目に掛かる....革命軍七星剣の一人、デューク・オースティンと申す者。私の槍で貴公を貫くのみ....行くぞ?」
「へっ....いいぜ?俺様がハクくてマブいって事。証明したらァァァ!!!!」
空中へと飛び出たデュークに向けて、刈安色に近い黄色の竜巻が、デューク、そして革命軍陣地へと放たれると、デュークが放った波動と共に、大爆発を起こす。
そして、爆炎が晴れて行くと共に、陣地で一歩たりとも動いていない革命軍の各位を見て、ガルダは眉間に皺を寄せる。
「あァ....?俺様のハクくてマブい一撃が届いて無ェだァ?」
「届かせると思うか....?」
「あァ?」
爆炎の中から現れたデュークの姿はガルダ同様、変貌を遂げていた。
「錬鋼覚醒.."幻影騎士”」
「ほう。テメェのそれは初めて見るぜ」
「何度も軍同士は交わって来たが、この組み合わせは初。しかし聞いている。貴公は好戦的で反乱軍の核弾頭とも言える男だと。だからこそ、私が出た。革命軍一の鉄壁とも称される私がな」
爆炎が掻き消えた空中でレアドキルナの戦い、その一戦目とも言える戦いが今まさに加速を始めようとしていた。
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