RISING
鳳凰 ロード・ヘヴンリー
「それしか無ェなら、答えは決まってる。俺は”前に進む”。強くなる....どんだけ絶望味わったって立ち止まる理由になんかならねェんだよッ!!」
ロードの言葉と覚悟に呼応する様に、ロードの身体を真紅の炎が渦を巻いて行く。
「....このギフトの上昇は....」
グレイは目の前の光景に目を細め、これから起こるであろう事象を予測する。
その渦は大きくうねり、ロードを包みながら、空中へと浮かび上がって行く。
その渦が神々しい炎を描き、小さく縮小していく様を首を上げてグレイは見つめる。
そして、人の大きさと共に、縮小しきったその渦が急激に熱量を増し、弾き飛ぶように熱風と共に駆け抜けると、紺碧の火柱までもを消し飛ばす。
その中心に現れたロードの姿がグレイを始めとした幻魔団、死蜘蛛狂天の三羽烏、そしてレイドの視界へと映り込む。
グレイは、ロードを前にして初めてニヤリ笑みを見せ、ディルとレイドは珍しく驚いた表情を浮かべてロードの姿に言葉を失う。
ロードの背には、真紅の翼が生え赤い羽織の裾には真紅の炎が灯る。
両腕には真紅の手甲、首元から胴に掛けて”ある紅き鳥”を模した防具が身につけられた姿へと変わったロードは、空中で全てが煌めく真紅へと染まった刀”鳳炎”を地上のグレイへ突き付ける。
「神炎覚醒”紅蓮炎鳳”」
翼をゆらりとはためかせながらロードは続ける。
「やっと....やっと手にした力だ。俺は強くなってシェリーを護り....自分自身の答えを目指して突き進んでやる」
ロードの言葉を受けたグレイはまたもニヤリと笑う。
そして、その姿を視界に入れた他の人間は動けなくなっていたが、レイドもまたグレイと同じ様に、ニヤリと笑って心の中で呟く。
そうか....目覚めたか....
この国の護り神として祀られる”鳳凰”
リア....お前が待ってたのが
ロードだったとは....
しゃらくせェが、これも運命ってヤツか
「ふっ....ぐっ...グァハハハハッ....面倒臭ェだけのカスかと思ってたが....こんな隠し玉もってやがったとは。その力、俺様にぶつけて来い!」
高らかに笑って見せた、グレイの背後でディルが呟く。
「フフフ....彼の異名は..この先..轟くかもしれないよ。護り神の力を模したギフトを目覚めさせた男”鳳凰”ロード・ヘヴンリー....」
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