RISING
ディルに与えらえた任務
対して、ロードに止められていたソフィアは、歯を食いしばり、背後へのバックステップで距離を取る。
「私は..この組織で果たすべき事がある。任を遂行し、組織に在籍していなければ叶わぬのだ..。邪魔をするなら容赦しない..死して巡れ..ロード・ヘヴンリ―!」
ソフィアは一気に身体から白銅色のギフトを解き放つ。
「覚醒か..?クソ..どいつもこいつも..」
ロードは刀にありったけの炎を纏って、受けて立とうと構える。
だが、ソフィアが覚醒を開放しようとした次の瞬間、ソフィアの短剣に止まれと諭すように優しく手が添えられる。
「アンタらも来てんのか..全くどんだけ手厚いんだよ..ニャロウ..」
ロードの視線の先に映ったのは、死蜘蛛狂天三羽烏リゼア・ゴードトプスと、ディル・ウォンリザードだった。
「フフフフ..ソフィア。止めなさい..」
「ディル..?..リゼア..?」
気が抜けたように、波動の揺れが収まって行くソフィアは二人に視線を向ける。
「ディル..この男に関しての任務とは何なのであるか..?」
移動中に答えは出なかったのか、リゼアがディルへと訊く。
「任務..?今回はレイド拘束の任では無いの..?」
「ん..俺に関しての任務..?..つか、ディル..アンタには訊きたい事があるぞ」
会話が聞こえたロードも、炎を収めてディルへ視線を向ける。
「フフフ..質問が多いな。先ずはソフィアの質問だが今回はレイド拘束の任で間違いない..だが、私には別件も絡んでしまったという訳だ..で?赤髪、君の訊きたい事とは..?」
ソフィアの短剣に触れていた刀から手を放し、ディルは、ソフィアの前に立つ。
「ガスタさんに訊かれてたよな?”今のアンタは味方か?”って、どういう意味だよ..」
ロードの問いに、ディルは一呼吸置いて口を開く。
「結論から言おう。...私個人としては、味方であるつもりだ。だが、状況に依っては味方とも敵とも成り得る..」
「はっ..意味わかんねェぞ?」
ロードの不思議そうな表情を一度置いて、ディルはもう一つ、リゼアの質問に対する答えを出す。
「フフフ..いずれ解る。そして最後の質問だ..赤髪、君に関する依頼で、私個人に与えられた任務とは..ロード・ヘヴンリ―と云う男の守護だ..」
唐突な、ディルの発言にロードは驚いて、言葉を失っていた。
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