RISING
闇蝙蝠 vs 義剣
だが、鍔迫り合いでは決着は付かず、両者刀を引き距離を取る。
そして、間合いを取りながら機会を伺っていると、先に動いたのはドーマンだった。
長刀を脇に仕舞い込む様に抱え、直線的に走り出すと、ウィルフィンの手前で、斜めにステップを踏み、足場を斬り崩すように、低い体勢から回し斬りを放つ。
すると、風を身体に纏ったウィルフィンは空中へと飛び上がり、上空から加速させた刀を振り下ろす。
ドーマンは長刀を硬化させ、下から両手で握った刀を振り上げて応戦する。
刀がぶつかると共に、爆風が起こり、ウィルフィンは背後に飛ばされるがゆっくりと着地する。
が、勢いで負けたか、ドーマンはそのままコンクリートを転がる様に吹き飛ばされ、身体を起こした時には口から流血を起こしていた。
「反乱軍副長....ウィルフィン・フィンドール。その名は伊達では無いな」
「こんな時に言うのは違うかもしれないが、貴様もやる....」
「拙者に世辞は無用。義の刃で貴様を穿つ。結果が全て...だ...」
ドーマンはまたも硬化させた長刀を振り上げ、空中からウィルフィンを狙う。
「世辞では無いのだがな..」
ウィルフィンは真っ向勝負とばかりに刀を足の向きに構え、空中へと飛び、ドーマンの長刀に併せるように、下から斜めに斬り上げる。
そして、またも甲高い音と共に、刀同士がぶつかり、今度は両者とも弾かれ、爆風と共に吹き飛ばされる。
「またウィルフィンの悪い癖だ....楽しんでやがる。一人で楽しみやがって..」
羨ましそうに眉を潜めたエルヴィスは路の側面に当たるコンクリートの壁に背を預けて、腕を組んでいた。
「つか、最近アイツ。吹っ切れたな....」
エルヴィスが視線を送る中、二人は吹き飛ばされながらも身体を起こし何度も斬り掛かりお互いをぶつけて行く。
そして、ドーマンが一息入れて立ち止まった所で、ウィルフィンも同じように足を止める。
「....押されているのは拙者か。なら致し方無し」
ドーマンの身体が金糸雀色のオーラで包み込まれる。
「覚醒..錬鋼のギフト"仁貫剣士”....」
身体を金糸雀色の鋼が、包み、胴、籠手、垂、脛当てと剣道の防具の様に纏われていく。
そして、頭部には迷彩色のバンダナが、ヘッドガードに変形し、額から、揉み上げ、顎の部分へと伸びて行く。
「仕切り直しとさせて貰おう、参る!!」
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