RISING
雪原に降る氷の雨
「迅いのは認める。はあ...でもだからって追いつけません。じゃ務まらないのよ。私はね...」
氷の矢を一本、足元に射ると、それが、突っ込んでくるノエル目掛けて氷撃と変わり雪の地面を凍らせながら襲い掛かる。
ノエルは翼で旋回し、空中へ避けると、目の前に弓を構えたアドリーが現れる。
「終わりよ。ノエル・スティング」
「そう簡単に行くか?」
翼で白花色の突風を起こされ、アドリーは後方へと一気に吹き飛ばされる。
「しまった....」
「さあ。終わりだ」
体制を立て直せない、アドリーへ向かって鉤爪を突き出し急降下する。
ノエルが迫る中、何とか片手で氷の盾を造形しようとするアドリーへ更に突風を浴びせ、動きを完全に止めに掛かり、更に間合いを詰めたノエルの一撃が迫った刹那、何とか右手で造形した氷の矢を右手で放ち、ノエルの左翼のみ凍結に成功する。
「まだ粘るか」
左翼が動きを止め、飛行が困難となったノエルの一撃はアドリーに届かなかった物の、着地分の距離を失ってしまい、そのまま地面に叩きつけられてしまう。
ノエルは空中を落下していくが、鉤爪で氷を撃破し、無事に着地する。
雪の中に落とされたアドリーは、氷を手で払い、脱出するが右腕を痛めてしまった。
「ぐっ....はあ...片手が少しヤバいかな....」
「氷を造形する身体の一部を痛めればその分、動きは制限される。覚醒を前にした瞬間に貴様も覚醒を見せぬからだ。手の内を隠してピンチに陥るなど参謀としてはあるまじき失態だな」
顔を引きつらせて痛みを堪えるアドリーを前に、ゆっくりと間合いを詰めながらノエルが声を挙げた。
それを見て、アドリーは小さく笑みを浮かべる。
「貴方こそ、悉くチャンスに手を抜くのね。はあ....舐められた物だわ...」
「ふん。狩猟対象者が良く宣ったものだ。私はお前を殺さぬ。生け捕りにして全てを吐かせなければな。それには、組織の全てを把握しているであろう、お前ら大幹部クラスが狙い目だ」
鉤爪同士を研ぎ合わせながら、更に間合いを詰める、ノエルの姿に、腕を抱えながら後ずさりするアドリー。
その二人の耳に届く大声が、突如木霊する。
「颯爽と助っ人に登場ォ!!!アーイエー.....ヒャッハア!!!!」
ラップ調を響かせたヒューズが空中から槍陣怪馬のジャベリンの一撃をノエルに向けて投げ飛ばした。
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