RISING

鳳 鷹弥

反乱軍七武衆 リズ・ミックホーム



雪上をうめき声と共に吹き飛ばされていくロードは何とか、途中で足を使って回転し、雪上に膝を立てて止まる。


くそ....思ったより、あれだけの炎の開放は....


身体に負担が掛かるな....


口から流れ出る血を手の甲で拭うと、ゆっくりと立ち上がる。


「そろそろ諦めろォ...役者不足な俺のブログゥ....アーイエー...」


「へへっ...マフラー汚れちまった...謝んなきゃな...」


突如笑い始めたロードを見てヒューズが不思議そうに動きを止める。


「お前らが狙ってるアイツはさ...周りの奴が傷ついたりすると自分の事の様に胸を痛めるんだ...」


ゆっくりとロードが刀を握り直し、ヒューズに向けて切っ先を突き付ける。



「だから、俺に諦めるとかいう選択肢は無ェんだよ。悪いな...俺は負けらんねェ...」



強がりと一瞬で見透かせるほど、ロードはふらつきながらも言ってのける。

すると、ニヤリと笑ったヒューズが槍を収めようとするのと同時に、その静寂を切り裂くように甲高い女性の声が響く。



「あーっ!やっと見つけたよォ。ヒュズっちー!」



ヒューズにパタパタと駆け足で近づいてくる女性を見て、ヒューズは覚醒を収める。


「おう、リズゥ!こんなとこで何してるぅ?コンパ相手を抱きしめるぅ。アーイエー」


「アハハっ。相変わらず訳わかんないねぇ。ヒュズっち」


屈託ない笑顔でヒューズを罵倒するリズの視線がふと、ロードに向けられる。


「てかヒュズっち。ダメじゃん。エル様が彼は殺すなって言ってたよぉ?」


「殺してない。ただの手合わせ、酒には枝豆ぇ、アーイエー」


「初めまして。えーっと、ロード・ヘヴンリー。....恋の騎士....あだ名はぁ....」


眉間に指先を当てて悩む、リズになんて声を掛けていいか解らず黙り込むロード。


「恋はラブ....んーっ....ラブちゃん!決定ぃ。君のあだ名はラブちゃん!」


「あだ名からあだ名決めたら原型無くなるだろうがァ!!」


とりあえず理不尽なあだ名決定に突っ込むロード。


「男の子がぐちゃぐちゃ言わないのぉ。さては小っちゃいな?君の」


またも屈託のない笑顔を浮かべたリズに怒りが込み上げて来るロードは拳を固めていた。


つーか....恋の騎士。


広まり過ぎだろ...ウィルフィンの野郎....


てかエル様って誰だ?




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