RISING
反乱軍七武衆 ヒューズ・ロギウス
「あっ....アイツ....ガスタさん。どこに行ったんすか?あの野郎」
ディルの背中が茂みの方に消えていくとロードはガスタに尋ねる。
すると、ガスタは濁すように笑顔をロードに振りまく。
「結果、救われる形になったな。何が目的だったのだ?」
シェリーを抱えたまま、シルヴァが疑問を呟くと、ノスティエル雪原を駆けていた一行の前に巨大な湖、ヨーヴァシル湖が見えて来ていた。
ヨーヴァシル湖を沿うように駆ける一行と丁度、目の前からぶつかるように駆けてくる男の姿も視界に入る。
「今度は誰....ってありゃ反乱軍か」
黒い団服が視界に入ったロードがガスタらの前にジャンプし陣取る。
シルヴァはシェリーを抱えているため、背後に距離を取り、防御の体制を取った。
すると、目の前から駆けて来ていた反乱軍の男が急停止すると、それに併せてロードらも距離を取る。
「ん?ヒャッハア....なんて幸運。俺様、やっぱスゲェ!!」
高らかに声を挙げたその男に、ロードは反射で一歩下がる。
「うおおっ....いきなり何だよ?アンタ....」
「カンタンな役割分担....虎視眈々と獲物をゲット....アーイエー....俺様の名前はヒューズ....フレーズに感嘆....!」
ビシッと人差し指を突き付けたヒューズにロードは言葉を失う。
おい....今度はラッパーか....?
元ヤクザに刀狩りに、ヤンキー、そんでチャラ男と来て.....コイツか....
エルヴィスの趣味なのか....?
キャラが濃ゆすぎる.....!
眩暈を起こしたようにふらつくロードを横目にヒューズはクオリティの低いラップを連呼していた。
「....まあいい。獲物ってのは誰だよ....?」
「お前以外だ....そいつは意外。猪飼も驚く見解ィ....!」
「....わかった。じゃあ離れててくれ。此処は俺がやる」
ロードはヒューズの方を向いたまま、後方のガスタらに声を掛ける。
驚くガスタらを尻目に、ロードは続ける。
「態々、狙われてるアンタらが戦う事はねぇ....後で落ち合おうぜ....」
それを聞いたシルヴァはガスタの肩を叩くと、ヨーヴァシル湖とは反対の雪原を駆けだし、市街地区の方へと向かった。
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