RISING
ディルの謎
「おい....ディル....お前何のつもりだ....」
アノンがディルに大刀を突き付けると、鋭い剣幕で威嚇する。
「フフフ....言ったろう?遊びだと」
「クソが....話にならん。なら....テメェも一緒に壊れろ!!!」
「フフフ.....墓所での戦闘は、罰が当たる....」
ディルは、ソフィアに目配せすると、ソフィアは滝を斬撃で割り、割った個所を一時的に凍らせると、サバネを抱え、一時的に撤退する。
「我々も、一度上へ」
「ああ....」
ロードらも、上へ避難を始めると、ディルはアノンの大刀を敢えて狙い斬撃を薙ぎ払いで与え、後方へ吹っ飛ばす。
「フフフ.....申し訳ない。手が滑りました」
ニヤリと笑うと、アノンが吹き飛ぶのを確認し、ディルも滝の上へと離脱を始め、ディルが通ると同時にソフィアが滝全てを一度、ギフトで凍結させる。
「テメェら隠密傭兵が何故邪魔しやがる....テメェらは....!」
「フフフ.....手柄は我々の手で収めなければ、金にならないからだよ。幻魔団....」
空中でディルが言葉を締めるのと同時に、ソフィアの氷が滝を完全に凍結させた。
「ソフィア....先ずは兄を安全な場所へ連れて行きなさい....」
「申し訳ない....」
サバネを抱えたソフィアはディルの言葉で市街地区へと進路を変える。
シルヴァに抱かれシェリーはガスタの後ろを付いて、先ずはアノンの範囲から離れることを最優先に駆けて行く。
が、ロードはその後ろを付いてくる、ディルに向けて抜刀し戦闘に入ろうとする。
すると、優しい声でガスタがそれを止める。
「ロード様。刀はそのままで。....ディル....今の君は敵なのかい?」
ガスタの言葉に、ロードとシェリーが驚嘆の表情を浮かべる。
「ガスタさん!コイツは光の街でシェリーを狙って来てんだ!」
「だから聞いています。今の君は敵なのか...と。ねぇディル?」
雪道を駆けながらガスタの問いは、ディルへと届く。
すると、一気に加速し、ディルはガスタの横を並走しながらガスタのみに聞こえるであろう、声で呟く。
「フフフ....此方にも此方の事情がある故、彼らには野暮な事は話さぬ様、頼みましたよ。ガスタ殿....」
「....承知致したよ....」
「フフフ....では....」
会話を終えると、ディルは茂みの方へと姿を消し、一行から離れて行った。
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