RISING

鳳 鷹弥

各勢力の動き


「私が追われている理由は、ランスと同じですよ」


ロードは、黙ってガスタの言葉に聞き入る。

正直、そこに口を挟みたくなるのを必死に堪えて。

何故なら、ランスが追われている理由。このガスタという男とロードは、15年前に会っている。ランスが表舞台から姿を消し、ロードの傍にいたその年と重なっているからだ。



「私やランスは、かつて同じ場所で職を頂いた同期。ある事情から私達は表舞台より姿を消し、兼ねてから親交があり、同じ志を持った者達と、極秘裏に組織を立ち上げました」



ガスタはゆっくりと、言葉を続ける。



「我々は、あるお方を御守りする為、敢えて日陰の道を選択。そして、不安視されていたある問題が動き始めた所で、我々も行動を開始しました」



ガスタは、こう続ける。

数多の勢力が入り混じる中、我々が狙われる理由は各組織の現状を把握せねば、と。


この戦争の重要な三大勢力が一。国王直下帝国軍。

帝国軍自体は、ガスタらを表向きには狙わず、変わらず双つの勢力の捕縛、拿捕、壊滅を目的に動いている。

そして、独立師団革命軍。

革命軍は当初の流れから言えば、バルモア王国、次期王女に当たるシェリー・ノスタルジアを招致した時点で本来ならば政府との話し合いの末、開国を狙う筈だった。

しかし、護国師団反乱軍。

彼らは、自らの武力で他国の勢力を抑え、改めて護国の意思を打ち出すと言った状況から革命軍との関係は対立へと自然に定着した。

だが一つ、反乱軍は、今回の革命軍の開国案に対し、政府である帝国軍の掌返しを目の当たりにした事で、国のトップとしての器を疑念。

そして、兼ねてより、政府が裏で手回しし、行方を追っていたガスタら三名の内、二人の情報をキャッチし、政府を出し抜く一つの切っ掛けになればと行方を追っている。

そして、政府直下裏帝機関・幻魔団。

プレジア王国の表の顔が正義を司る帝国軍だとすれば、その裏で政府に於いて害悪と為された物や問題を裁いてきたのがこの組織。

安直に受け取れば、ガスタらは政府にとって不利益な存在である、または情報を持っているという事だろう。


「各組織の幾つかはこの流れで、私たちを.....。ん?ロード様ツ!?」


話しながらロードを一瞥したガスタの眼に映ったのは、白目を剥いて血の気を失くし、今にも倒れそうなロードだった。

背中を苦笑いのシェリーに支えられながら。


話.....長ェっす...........!


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