RISING

鳳 鷹弥

隠密傭兵の新たな刺客

その殺気は正に、今孤児村のシェリー達がいる館を包囲していた。

黒い忍び装束に身を包んだ兵を10人程従えスキンヘッドの長い白ヒゲの男が前に出て館に向けて声を飛ばす。


「居るのは解っておるぞ。シェリー姫君、此処は隠密傭兵死蜘蛛狂天、三羽烏の一人である某が包囲させて頂いた」


低音のその男の声に反応し、館から出て来たのは2丁拳銃を構えたバルモアの護衛隊長レザノフだった。


「隠密傭兵と語りながらまた派手な行動ですな。闇に溶け任務を遂行する、という理念はもういらないという事でしょうか」


「ディルの言った通りである。その必要が無くなるほど、大きな仕事だという事だ。某達にとってな」


隠密傭兵 死蜘蛛狂天 三羽烏
リゼア・ゴードトプス
48歳 210cm 125kg

スキンヘッドに、尖った太い眉毛と、鼻下から顎に掛けて伸びた長い白髭が特徴的な男。

瑠璃色のマントの下の忍び装束は、胸元を完全に広げていて浮き上がった筋肉質の身体つきが見て取れ、鋼の肉体とも言える身体つきをしている。

背中には戦斧を背負っており怪力主体のパワー型と言うのが見て取れる。


「元々、隠密には向いてなさそうな方ですがね…まあそんなものは無関係。姫に害なす敵は我が聖弾を持って排除させて頂きましょう」


「某にとってもこれは仕事。手抜きなどする気は無いのである」


低音の声で、言い放つとリゼアは背中の戦斧を軽々と持ち上げる。


「バルモア護衛隊隊長“衛弾えいだん”レザノフ・スタールマン。姫の前に貴公を没して参る。覚悟を」


リゼアは戦斧を手に、レザノフとの間合いを詰め上段から斧を振り下ろす。

レザノフな横にスウェイステップを掛けると、移動の中で2丁拳銃を構え一発ずつ撃ち放つ。


だが、リゼアの周りに黄色の砂嵐が渦巻き、その弾を二発とも弾く。


「某は、大地のギフトの授与者である。そう簡単に一撃を撃ち込もうなど不届き千万」


振り返り様に戦斧を振り回し、更にレザノフに向けて攻撃を繰り返す。


「戦い方は攻戦一本。実に読みやすく単純ですな。攻略の糸口は無駄に機を与えない事、でしょうな」


レザノフは、2丁拳銃に鉄鏡のギフトを込め、装填された銃弾をコーティングする。


「そして、一撃ずつ確実に撃ち込む」


構えた拳銃から、灰色の弾丸を放つもまたも黄色の砂嵐による防御を受ける。

が、レザノフは表情一つ変える事なく、スウェイステップを繰り返しながら左右前後から弾丸を撃ち込んで行く。


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