RISING

鳳 鷹弥

帝国軍少将 サーガ・レオレックス

「まあ俺みたいな下っ端じゃあ解らない部分は多いわ…。これ以上は良く解らん…」


ブラッドがそう話し終えようとすると、背後から足音が聞こえてくる。


「なら、付け足しだけ俺がしてやろうか?ブラッド」


扉が開き、帝国軍の軍服の男がニヤリと笑みを浮かべながらその場へと踏み入れて来た。


「サーガか…何やってんのよ?お前」


帝国軍の軍服を前に、ロードは少し身構えるが、ザックとブラッドの反応から構えを緩める。


「ザックさん、久しぶりっス。これ、手土産っスから」


国王直下帝国軍 少将
サーガ・レオレックス
32歳 183cm 76kg

籐黄色のサイドを刈り上げた2ブロックのショートヘアで、波の様な黒いタトゥーがシンメトリーに頬に掘られている。

色白の肌に面長で、細面の顔に鼻に、絆創膏を貼っているのが特徴的な男。

黒いロングブーツに、肌色のパンツを履いていて、白いタンクトップを軍服の下に着用していて、赤と黒の大きな玉の数珠のネックレスを付けている。


「ありがとうサーガ。今日は、子供達も喜んでくれるね、助かるよ」


ニッコリと笑顔で返した、ザックに紹介させられてサーガがロード達3人を視界に入れ認識する。


すると、続きを話せとばかりにブラッドがサーガを小突く。


「話ぶった切ったままだったっスね。シェリー姫にはキツい話かもしんないけどいいっスか?」


「はい…。お願いいたします…」


何か覚悟を決めた様に頷いたシェリーを見て、サーガが続ける。


「俺は、宰相ガズナ様に多少の不信感を覚えて、探りを入れてるわけでは無いっスけど、情報を集めてたんスよ」


サーガが言うには、宰相ガズナは帝国軍の威厳を保つ為に、実力主義の登用方を投じた当人である。

ノアの行動から、シェリーが公使として来たタイミングを見計らい、とある絵図を描いているらしい。


「何かの絵が無いのなら、シェリー姫が入国したタイミングで、あの掌返し・・・はやっぱり奇妙っスから」


ガズナの性格的に考えれば、シェリーを利用する事が、プレジア政府、そして何よりもガズナ個人への付加価値があると踏んでいるのでは無いかと。


「恐らくは、ノアとエルヴィス。今市民からの支持を獲得している総長2人の失脚・・の為にシェリー姫を利用しようとしてるんじゃ無いっスかね…」


サーガの集めた情報から紐解かれる新たな火種にシェリーは凍り付く。

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