RISING

鳳 鷹弥

育ての親との久々の再会

「いやはや…やはり…やりますねェ…」


廃墟の中は、今まさに決着が着こうとしていた、ランスの猛攻を受け血まみれになったスネイクは膝を折って地面を向いて俯いている。


「お前が…昔から一度でも…俺に勝てたことがあんのかァ?まだ早ェよ小僧が」


ランスは鎗を肩に構え、スネイクに背中を向けて話す。


「いやはや…甘いんですね。トドメ…刺さないんですか…?ランス…殿…」


「昔のよしみだ…一度は見逃してやる。だがな…二度目は無ェ。よう覚えとけ…」


スネイクは、言葉を発する事もなく足を引きずりながら廃墟を後にする。

ランスは、覚醒を納めるとゆっくりとまた丸岩に座り込む。


「オイ…いつ迄そんなとこ隠れてんだ?早く出てこいよ…」


ランスの言葉に気恥ずかしそうに、岩陰から出て、ロードはランスに近付いて行く。


「ランス…」


「久しぶりだな、我が息子よ…」


ランスはニヤリと笑うと、ロードに語りかける用に話し掛ける。


「だいぶ色んなとこで戦争に絡んでるみたいだが、此れだけは守れ。俺との繋がりを露呈させるなよ?…そうなりゃ…お前もお前の本当の親父も…立場が悪くなる…傾国させる程にな…」


「わかんねぇよ。ランス…お前が俺の面倒を見てくれるようになった15年より前、アンタは何者だったんだ?さっきの奴とも顔見知りみたいだったしよ…」


わからないと言わんばかりに下唇を噛んだ、ロードは俯く。


「時が来たら話す。俺は今もお前の親父を護るために、動いてる。それだけは…信じてくれ…」


ランスの言葉に、返答も出来ないほど行き詰まった表情を見せるロードの頭をポンと手のひらで叩くと、ランスはロードに背中を向ける。


「…離れた今でも…俺はお前の親父を信用し、ロードお前の事も愛してる…じゃあな…」


離れて行くランスに何も声を飛ばせぬまま、ロードはその背中を見送ってしまう。


ただの思いつきじゃなかったんだろ…?


2年前、俺と離れたのは…


恐らく俺と…親父を護る為…


何か起こったんだろ…?


ランス…アンタの周りで…


頭を抱え丸岩に座り込んだロードの元へ、ガルダが到着する。


「オイ!戦ってた奴等はどうした!?」


「どっか行っちまったよ。2人ともな…」


ガルダの声に顔も挙げないまま、答えたロードを見て、ガルダは不思議な表情を浮かべたまま、ロードに近付いて行った。

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