RISING

鳳 鷹弥

謎の機関と一本槍

2人の激闘が、始まろうとしている中ロードは、廃墟へと踏み入った。

廃墟と言うだけあって岩壁にはいくつもの破損の痕があり、天井もほぼ抜けている。

地面は、砂漠そのままで砂塵を巻き上げながら奥へと進む。


すると奥の天井から光が差し込む場所の丸岩に座り込むマント姿の男の姿があった。


ロードはその男に近づこうとするが、反対側から近寄ってきた男の姿を見て、急転、岩陰に転がり込む。


あれは…?誰だ…


藍鼠色の羽織…?


反乱軍でもなければ


革命軍…帝国軍でもない…


死蜘蛛狂天の三羽烏…ディルが


羽織っていた瑠璃色のマントの色でもない…


エルヴィスの言っていた


例の奴等ってアイツの事か…?


「いやはや…漸く見つけましたぞ…。ランス・テラモーノ。15年も表舞台から消え何処へ…?」


「裏帝機関…幻魔団か。俺に何か用か?」


「用が無ければこんな辺境の地に私めがわざわざ、足を運ぶなど、無いに等しい…」


政府直下裏帝機関 幻魔団 四眷属
スネイク・ドラーアッシュ
42歳 205cm 98kg

幻魔団特有と思われる藍鼠色の羽織に、中には黒と白の混色の牡丹柄の着物を着ている。

着物をはだけさせ、胸の下までサラシを巻いているのがわかり、その下から緑色の蛇の刺青が顔を出しているのがわかる。

前髪を上げた朽葉色のパーマヘア。顎と鼻下に無精髭を生やし、スクウェアのメガネを掛けた男。


「そうだな。裏帝機関の四眷属にまで上り詰めたお前がわざわざなあ…」


「いやはや…貴方程の大物ですから。力的には一般兵では敵わないでしょうからね。渋々という訳です…」


ランスと呼ばれたマントの男は立ち上がると、マントを勢いよく脱ぎ捨て、スネイクに睨みを利かす。


「見よや見よやァ…眼前に控えしはァ…陽下に佇む…王家の一本槍…ランス・テラモーノ様たァ俺のことよ!」

ランス・テラモーノ
47歳 190cm 102kg

パーマがかった前髪を上げた黒髪に、もみあげから鼻下、顎まで繋がった髭が特徴的で、尖った眉毛。

赤と白の混色の太陽と荒ぶる熊が刺繍された着物を着ていて、顔には赤のペイントが施されている。

裸足に下駄と傾奇者という印象を受ける締まった肉体の強靭な身体つき。


出た…ランスのあの名乗り…


ガルダと言い、ランスといい…


なんか良くああゆうのに会う日だな…


ロードは岩陰で、苦笑いしながら久しぶりのランスを見つめていた。



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