RISING

鳳 鷹弥

革命軍七星剣 アレン・ノーザン


色んなとこで…


戦いが起きてるのがわかる…


無事でいてくれよ…?シェリー…


革命軍のアジトに潜入したロードは、最下層とも思われる地下三階の通路を駆けていた。


てか、何だかんだ…


久しぶりの出番だな…


俺…主人公だよな…?


ロードは、大きな扉を蹴破ると、大きく広まった洋室に辿り着く。

と、そこには、紫色の髪の少年が、中央のソファに腰掛け、剣を床に立て掛け、俯き目を閉じていた。


「オイオイ…扉は手で開けてくれよ。流浪人…ロード・ヘヴンリー…」


「お前は確かあの時の…」


ロードの頭の中に、始まりの街コミンチャーレでの記憶が蘇る。

それは、反乱軍と革命軍の激突。アドラスと交戦していた革命軍の剣士、アレン・ノーザンの姿だった。


「今さらのこのこ何の用だ。それに…ノア様直々の誘いは断ったテメェが革命軍の敷居を跨ぐのもおかしな話だ…」


アレンは目を開き、剣を肩に掛けるとカツカツと音を立ててロードに近づいて来る。


「そんな事より、シェリーは無事か?」


「テメェに答えてやる義理はねぇだろ?革命軍への入隊を拒否した野郎にはな」


結果としてはそうなのかも知れないが、経緯の説明不十分なのか、アレンの性分なのか、誤解が生じていた。


「拒否した訳じゃねぇ…時間を貰ったんだ。ノアにな…」


「ノア様。残念そうだったよ…ノア様にあんな顔させやがってェ!!」


肩に掛けていた剣を、突如振り切り、ロードを襲う。


「ニャロ…」


ロードはバックステップでそれを避けるも、アレンの眉間に皺を寄せた鋭い睨みがロードに向けられる。


「そもそも、此処が突然バレたのも不可思議さ。テメェにだって疑いの目が掛かっても不思議じゃねぇだろ?」


「俺は、この場所もさっき知ったんだ。流せる訳がねぇ…情報なんて…」


「言葉でそれを丸く収められるなら最初はなからこんな問答は起きねぇんだよ。革命軍七星剣吹燕すいえんアレン・ノーザン…まかり通る…!」


アレンが再び、剣を構えてロードに斬りかかると、ロードは舌打ち混じりに刀を抜刀する。


やるしかねぇのか…?


シェリーも心配だってのに…!


アレンの剣とロードの刀がぶつかり派手な金属音を奏でる。

両者退かず、鍔迫り合いの様相となり、火花が散る戦いが幕開ける。

だが、ロードはシェリーの安否が脳裏によぎり続ける事となる。



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