RISING

鳳 鷹弥

義剣 vs 暴刃

「はっ…甘ェよッ」


ギルドの側の地面から土が礫となって、乱れ飛ぶ。

刀を振り上げていたドーマンの脇にヒットし、今度はドーマンが仰け反る。


「ぐっ…」


「おらッ…!」


態勢を立て直したギルドは、仰け反るドーマンに対し、太刀を横に薙ぎ払う。

何とか長刀の先で、弾こうとしたドーマンだったが態勢の悪さから押し切られ、攻撃は何とか回避するも膝をついてしまう。


「そんなもんかァ?」


ギルドはニヤリと笑うと太刀を上段に構え、一気に振り下ろす。


ドーマンは咄嗟に、右腕をガードに出すと、その腕が太刀を受けて金属音を奏でる。

まるで刃同士がぶつかったかの様に。


「流石は暴刃…見事な連撃である。しかし拙者の身体は斬れぬよ。鉄鏡のギフトの硬化を破らぬ限りな」


ドーマンは鉄鏡のギフトの硬化を利用し、腕を硬化させて凌いでいた。

だが、ドーマンの身体が地面に向けて押し込まれて行く。


「勝気に語るのはいいけどよ…俺のギフトの事忘れてねぇか?」


ギルドの刀が瞬く間に、重力を帯びドーマンを押し込んで行く。


「ぐっ…」


「オラオラァ…そんな態勢になったのが運の尽き…テメェはツイテねぇんだよッ!」


ドーマンはこの状況を打破する様に、裏手に構えた長刀の柄でギルドの太刀の鍔を打ち腕から太刀を外すと横に転がり、受け身を取ると現状を打破する。


「運など興味は無い。拙者が日々積み重ねる鍛錬がそれを凌駕してみせよう」


「…やってみな…!」


両者の刀が再び交わり、高い金属音を鳴らすと、弾き合い、そして直ぐに振りかぶり何度も何度も刃がぶつかり合う。


「暴刃の異名通り、その重厚な太刀を片手で振り回すとは貴公…驚異の怪力だ」


「それに付いてくるテメェの技術も中々だ。この刃も俺も…研ぎ澄まされて行く感覚たまらねぇ…」


「戦いを愉しむとは不埒なり。拙者の義の刃で成敗致す」


軸足を踏み込むと、重心移動を溜めに溜め込み、此処ぞとばかりにギルドの右肩目掛けて突きを撃つ。


「利き腕狙いかよ。お優しいねェ…」


それを回避したギルドは、ドーマンの腕を掴むとニヤリと笑う。


「しまった…」


「勝ちてェなら喉元狙って来いよォ!」


ドーマンをその自慢の怪力で投げ飛ばすと地面を蹴り、宙に舞うドーマン目掛けて地面を蹴り、空中で刀を振りかぶる。


「オラァ!!」


ドーマンは身体を硬化させるも、太刀の勢いは殺せず、地面に勢い良く叩き付けられた。

コメント

  • Leiren Storathijs

    ふおおお!なんか色んな所でドンパチ起こして興奮する展開です!ここまで更新が楽しみな作品と出会えるとは!

    更新楽しみに待ってます!

    1
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