RISING

鳳 鷹弥

森羅 vs 旋鼬

「ヒアウィ…ゴーッ!!」


高らかに開戦を告げた、ヤハウェは側転の様に身体を回転させながらロッドを振り回し、アレスを襲う。


一言多いとかじゃないね…


総てがうるさいんだ、この人…


ほぼ、スルーして見せたアレスは、言葉と同様に最小限の回避で攻撃をもスルーしたアレスは肘打ちの容量でヤハウェの胸元に細かく連撃でトンファーを叩き込む。


「アッ…アウチッ…」


ヤハウェは吹き飛ばされ、本棚の壁に叩き込まれ地面に伏せると、落下してきた本の下敷きになる。


「ふぅ…本には申し訳ないけど先手を打ってきたのはあの人だからね」


アレスは、本の心配をしながら、本の下敷きになったヤハウェが動かない事を怪しげに思う。


当たりどころが悪かった…?


いや、それは考えにくいかな


反撃に備えその場所から動かず、構えると、アレスの背後から細い植物の蔦が生え始める。


「…っ…」


アレスは両腕をその蔦に絡まれると、動きが制限されてしまう。


「ゲット…!」


ヤハウェは、足を振り上げ反動で起き上がると、ニヤリと笑ってアレスに近づいて行く。


だが、ヤハウェは同じ様に床から飛び出た蔦に足を絡まれる。


「ワッツ…!」


「疑い深さは、戦いには現れないんですかね?お互い同じ樹木のギフトだと解っている筈なのにね」


両者が、その蔦を引きちぎると今度は武器にオーラを纏い両者が地面を蹴る。


「オールライッ…もう同じ轍は踏まないさ…」


「踏んで頂けると楽なんですがねぇ…」


両者の武器が交わりながら正真正銘五分五分の戦いを繰り広げて行くと、ヤハウェがリズムを変え始める。

足技を含めて地面を蹴りながらロッドで攻め込むスタイルで完全に攻勢に転じた。

すると、アレスは大量に生やした蔦とトンファーでそれを器用に弾き守備に徹する。


「ワオ…トンファーなんてものを持ちながら守備型の戦闘スタイル、森羅しんらの異名にピッタリだね」


「それを言うなら鼬の如くすばしっこいその戦闘スタイルは、旋鼬せんゆうらしくていいですよ」


アレスは防御に徹していても、防戦一方という訳ではなく、ロッドを弾きながら細かく一撃ずつ加えて行く。


「アウチッ…中々やるねぇ…その余裕なフェイス、そろそろブレイクしたいねぇ…」


「外国語混じりの話し方がキャラだとしたらキャラ崩壊だけは気をつけた方がいいですよ?」


「バッドジョークさ、それは…ね!」


ヤハウェがロッドを構えて防御態勢のアレスの元に飛び込んで行く。

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