RISING

鳳 鷹弥

それぞれの交差点

ロジャーズグリフ…。


そうか…!


ロニーが風車を直しに行くって
言ってた場所だ…


そこにウィルフィンがいるのか…?


何故ウィルフィンがそんな所に…


そういや、ロジャーズグリフは…
街の外れだって言ってたな…


街の外れと言えば…


ノアがシェリーを避難させた
アジトも…街の外れ…まさか!!


ロードは、疑問が確信に近づいて行くのを直感で感じ、引き返す様に街の方へ走り出す。


こんな、勘が働くのも珍しい…


だが、いつも通り外れてろ…!


頼むから…


何かを祈る様に、息を切らしながら走っているロードは、最初の疑問を思い出す。


だが…何もないと言っていた浜辺に…


アイツらは何故…


だが、ロジャーズグリフって街の名を


口にしたのはギルドだ…


必ずアイツらはそっちに向かう…


すると、ロードは街の中で見覚えのあるハンチング帽の男を見つける。


街の入り口で別れたサバネだった。


「おい、サバネ!」


「あれ、ロード君…また会ったね…」


走って迫るロードの表情に違和感を覚えたサバネは、軽く身構える。


ロードはサバネの両肩を掴むと、血相を変えて声を荒げる。


「おい…ロジャーズグリフって街がどこにあるか知らねぇか!?」


「とりあえず離せよっ!」


サバネはロードの腕を振り払うと、ロードが顔を突きつける様に距離を縮める。


「アンタ情報屋だろ?教えてくれッ!」


「うるさいな…そっちの道を抜けた先だ…というかこれは情報屋の仕事じゃない。僕は地図か…!」


初めて見せたロードのこんな姿に、サバネも困惑気味に声を荒げる。


「悪い!恩に着るッ!!」


手を挙げてサバネの前から走り去って行くロードの姿を見てサバネは思う。


らしくないな…どうした…








一方、ロジャーズグリフ近郊の森の中で無線の様なものを手に取る男の姿があった。


「ああ…公使の護衛は、ノア…ティア…そして恐らく幹部があと3名程揃っている様だ。お前らも浜辺のアジトを後にしたら合流しろ。アドリー…」


どうやら、無線の向こう側にいるのは反乱軍参謀アドリーの様だ。


「今度こそ、公使をこの手で…あわよくばノアの命、貰い受ける。悪く思うなよ、エルヴィス…」


それは吹き抜けた風に髪と軍服を揺らす反乱軍副長、ウィルフィンの姿だった。


また、シェリーに暗雲が立ち込める。


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