RISING
出立の朝
「よし…」
ロードは、身支度を整え刀を背に背負うと、腕の包帯や顔の絆創膏はそのままに息を吐いて部屋から出るとエントランスへ向かって行く。
「あっ!ロード様っ。お早よう御座います。怪我は如何ですか?」
既に身支度を終えてエントランスで待っていたシェリーに声を掛けられる。
「ああ、そんなに気にならねぇしもう大丈夫だろう」
ロードは会話をしながら、辺りを見渡すとレザノフを始めとした護衛隊が既に準備万端とばかりに馬車の周りに揃っていた。
「俺、最後か?待たせちまったかな…」
気にした素振りを見せ、頭をポリポリと掻くロードにシェリーがニコッと笑って口を開く。
「いーえ。皆様もう既に30分も前には揃っていたそうですよ?ロード様の10分前行動が遅く見えるくらいに用意周到な方々ですわね」
まあ、それくらい護衛隊にとって
重要な任務だってことだよな…。
シェリーが狙われてまだ1日しか経ってない。
次の刺客が来たってなんら
おかしい事じゃねぇもんな…
ロードが考え事をしていると、レザノフが正面からツカツカと革靴を鳴らして歩いて来る。
「今回の護衛、共にお願い致しますよ。ロード様」
「こちらこそ。修行の方も空いた時間で頼む…」
あの時は、聞き慣れない言葉が多過ぎて
パニックになってたのもあるかもしれないが…
時間が空いて思い出すと
あのままU・Jが来なかったら…
シェリー達はウィルフィンに
殺されてた可能性がある…
強く…強くなってみせねぇと…
「ロード様…」
「ん…?」
シェリーが下からロードの顔を覗き込み口を開く。
「表情が険し過ぎます…人生笑ってないと損ですよ?」
ニコッと笑うシェリーの笑顔を見て、ロードはシェリーの笑顔には不思議な力があるような気がして来る。
「ああ…ちげぇねぇ…。こうか?」
ロードとシェリーが顔を突き合わせて笑顔を作っているのを見て、レザノフの表情も和らいでいく。
太陽…
そう錯覚してしまうほど
シェリーにはそういった魅力があるんだよなぁ…
すると、護衛隊の隊員の1人が点検を終えたと報告し、出発の陣形を取る。
ロードも馬車へ向かうと、馬車内のソファの様な椅子に腰かけたシェリーがロードを観て話し出す。
「この光の街から風の街ヴェントへは、西の大山ブリュッセルマウンテンを超えた先にあります」
「ああ。と…その前に1つ聞いていいか?」
不思議そうに首を傾げたシェリーに対し、ロードは眉間に皺を寄せて尋ねる。
「護衛任務なのに…何でまた俺は馬車の中にいるんだ…?」
ロードは、身支度を整え刀を背に背負うと、腕の包帯や顔の絆創膏はそのままに息を吐いて部屋から出るとエントランスへ向かって行く。
「あっ!ロード様っ。お早よう御座います。怪我は如何ですか?」
既に身支度を終えてエントランスで待っていたシェリーに声を掛けられる。
「ああ、そんなに気にならねぇしもう大丈夫だろう」
ロードは会話をしながら、辺りを見渡すとレザノフを始めとした護衛隊が既に準備万端とばかりに馬車の周りに揃っていた。
「俺、最後か?待たせちまったかな…」
気にした素振りを見せ、頭をポリポリと掻くロードにシェリーがニコッと笑って口を開く。
「いーえ。皆様もう既に30分も前には揃っていたそうですよ?ロード様の10分前行動が遅く見えるくらいに用意周到な方々ですわね」
まあ、それくらい護衛隊にとって
重要な任務だってことだよな…。
シェリーが狙われてまだ1日しか経ってない。
次の刺客が来たってなんら
おかしい事じゃねぇもんな…
ロードが考え事をしていると、レザノフが正面からツカツカと革靴を鳴らして歩いて来る。
「今回の護衛、共にお願い致しますよ。ロード様」
「こちらこそ。修行の方も空いた時間で頼む…」
あの時は、聞き慣れない言葉が多過ぎて
パニックになってたのもあるかもしれないが…
時間が空いて思い出すと
あのままU・Jが来なかったら…
シェリー達はウィルフィンに
殺されてた可能性がある…
強く…強くなってみせねぇと…
「ロード様…」
「ん…?」
シェリーが下からロードの顔を覗き込み口を開く。
「表情が険し過ぎます…人生笑ってないと損ですよ?」
ニコッと笑うシェリーの笑顔を見て、ロードはシェリーの笑顔には不思議な力があるような気がして来る。
「ああ…ちげぇねぇ…。こうか?」
ロードとシェリーが顔を突き合わせて笑顔を作っているのを見て、レザノフの表情も和らいでいく。
太陽…
そう錯覚してしまうほど
シェリーにはそういった魅力があるんだよなぁ…
すると、護衛隊の隊員の1人が点検を終えたと報告し、出発の陣形を取る。
ロードも馬車へ向かうと、馬車内のソファの様な椅子に腰かけたシェリーがロードを観て話し出す。
「この光の街から風の街ヴェントへは、西の大山ブリュッセルマウンテンを超えた先にあります」
「ああ。と…その前に1つ聞いていいか?」
不思議そうに首を傾げたシェリーに対し、ロードは眉間に皺を寄せて尋ねる。
「護衛任務なのに…何でまた俺は馬車の中にいるんだ…?」
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