RISING

鳳 鷹弥

ギフトと波動

「え…U・Jが!?」


ベッドの上でブラッドが助けてくれたとレザノフから伝え聞いたロードは驚きを隠せなかった。


ブラッドは昨夜、光の街での謎の一団の目撃情報を受け、辻斬り事件も絡んだ上でドーマンから救援を受けての来訪だったらしい。


「そうか、救われちまったな。それはそうと、2人も怪我が無くて何よりだ」


2人に目を向けると、嬉しそうに笑うシェリーを横目に呆れた様にレザノフが口を開く。


「ボロボロの方に言われても素直に喜べませんよ」


その言葉にハッとしたシェリーは頑張って笑顔を揉み消そうとする。


にしても、あの力は…
何だったんだ…?


会話の途中で昨夜のことを思い出し、怪訝そうに考え事をするロードにレザノフが口を開く。


「ギフト…」


「え…?」


「説明しましょう。昨夜貴方も授かったギフトの事を」


ギフトとは、神から授かりし力。
そういう意味合いで付けられた力の名前であり、その神は、自然現象や事象を操る十の能力を所持している。


対して人間は、生まれながらにしてその十の能力に相対する様に十の波動の内、どれか1つを有している。


そして、全ては解き明かされていないが波動を持つ人間は何処かのタイミングで、そのギフトを授かる場合がある。


種類はー。


業火ごうかのギフト


閃光せんこうのギフト


迅雷じんらいのギフト


疾風しっぷうのギフト


氷臥ひょうがのギフト


暗黒あんこくのギフト


流水りゅうすいのギフト


鉄鏡てっきょうのギフト


樹木じゅもくのギフト


大地だいちのギフト


「この中で言うと、ロード様のは業火。ウィルフィンのは疾風のギフトでしたね」



訳がわからん…


新しいワードが出過ぎた…


誰も覚えらんねぇだろ。


頭の中をぐちゃぐちゃにしながらロードは何とか話を聞いていたが、レザノフはそのまま話し続ける。


ギフトというのは、その力を身体や武器、物に纏わせたり、何かを起点に射出したり、それを扱う人間によって十人十色と言ってもいい程姿形を変えるらしい。


「だからこそ、慣れていないロード様の様に全てを射出して力を使い果たしてしまったり、ウィルフィンの様に力を圧縮し刀身のみに纏わせる例もそう。まあ、燃費はウィルフィンの方が良かったと言う訳です。」


此処まで聞いたは良いもののロードの反応は想像通りだった。


わかるかァァァ!!!!!


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