RISING
少女の気紛れ
「なっ…なんだ?」
馬車の横に立ち尽くすと、10人程の武装した護衛に護られていることに気づき、二頭の白馬が先導しているのを目に入れる。
すると中から、か細い少女の声が聞こえてくる。
「追われているのですか?」
「えっ…?」
図星の所で驚いていると、馬車の窓がゆっくりと開いていくのがわかった。
「ああ…これはこれは。公使様の護衛隊の皆様。ご苦労様です。つかぬ事をお聞きしますが帯刀した赤髪の侍がこちらに来てはいませんか?」
数分して、ロードと同じ道を走って来たドーマンが公使と呼ばれた少女の馬車を発見すると、馬車を先頭で護衛していた男と会話を交わす。
だが、その護衛の年老いた男は首を横に振った。
その会話を聞いていたロードは、驚く。
俺を庇った…?
何の為に…こいつら何者だ?
疑心暗鬼の中、少女のいる馬車の中でロードはひっそりと会話を聞いていた。
「そうですか…では、もしその様な男が見つかりましたらご一報下さい。必ずあの男は、拙者が捕まえますので!」
ドーマンは、敬礼をして、馬車の横を走り去って行った。
ドーマンが走り去り、馬車が動き出すのを、確認してロードは息を吐く。
「ぷっ………はぁぁぁぁぁ……」
それも溜めていた息を全て吐き出すが如く、豪快に。
「良かったですわね。難を逃れた様で」
椅子に座っていた少女が椅子の後ろで隠れていたロードに声を掛ける。
「ぉっ…おう。助かった…ありがとな」
ロードは椅子の横に移動し、少女と目を合わせてお礼を言う。
「あ…」
その少女と目を合わせて、ロードは顔を赤らめ開いた口を閉じられないでいた。
この子…この服装…この気品…?
それに武装した護衛に護られた馬車…
いいとこのお嬢様なんじゃ…?
「どうかしましたか?私の顔に何か付いていますでしょうか?」
少し慌てて、その少女は手鏡で自分の顔を確認している。
「あ…あの…」
言葉に詰まる様に、苦し紛れの言葉を発したロードに、不思議そうにその少女はまた目を向ける。
「何でしょう?お侍様」
「なんで俺が何者かもわからずに助けてくれたんだ?しかも、事が収まった後にも怖がる様子も聞いてくる様子もねぇし…」
終始、不思議そうにロードはその少女に質問を、投げかけていたが、その言葉を聞いて少女は手を口に当てて小さく笑った。
「フフッ…お侍様、何故か悪いお方には見えません。あ…これじゃ答えになってませんわね。強いて言えば…気紛れ…ですかね。これも…答えになってませんか?」
ロードはその言葉を聞いて、力が抜けた様に座り込んでしまった。
馬車の横に立ち尽くすと、10人程の武装した護衛に護られていることに気づき、二頭の白馬が先導しているのを目に入れる。
すると中から、か細い少女の声が聞こえてくる。
「追われているのですか?」
「えっ…?」
図星の所で驚いていると、馬車の窓がゆっくりと開いていくのがわかった。
「ああ…これはこれは。公使様の護衛隊の皆様。ご苦労様です。つかぬ事をお聞きしますが帯刀した赤髪の侍がこちらに来てはいませんか?」
数分して、ロードと同じ道を走って来たドーマンが公使と呼ばれた少女の馬車を発見すると、馬車を先頭で護衛していた男と会話を交わす。
だが、その護衛の年老いた男は首を横に振った。
その会話を聞いていたロードは、驚く。
俺を庇った…?
何の為に…こいつら何者だ?
疑心暗鬼の中、少女のいる馬車の中でロードはひっそりと会話を聞いていた。
「そうですか…では、もしその様な男が見つかりましたらご一報下さい。必ずあの男は、拙者が捕まえますので!」
ドーマンは、敬礼をして、馬車の横を走り去って行った。
ドーマンが走り去り、馬車が動き出すのを、確認してロードは息を吐く。
「ぷっ………はぁぁぁぁぁ……」
それも溜めていた息を全て吐き出すが如く、豪快に。
「良かったですわね。難を逃れた様で」
椅子に座っていた少女が椅子の後ろで隠れていたロードに声を掛ける。
「ぉっ…おう。助かった…ありがとな」
ロードは椅子の横に移動し、少女と目を合わせてお礼を言う。
「あ…」
その少女と目を合わせて、ロードは顔を赤らめ開いた口を閉じられないでいた。
この子…この服装…この気品…?
それに武装した護衛に護られた馬車…
いいとこのお嬢様なんじゃ…?
「どうかしましたか?私の顔に何か付いていますでしょうか?」
少し慌てて、その少女は手鏡で自分の顔を確認している。
「あ…あの…」
言葉に詰まる様に、苦し紛れの言葉を発したロードに、不思議そうにその少女はまた目を向ける。
「何でしょう?お侍様」
「なんで俺が何者かもわからずに助けてくれたんだ?しかも、事が収まった後にも怖がる様子も聞いてくる様子もねぇし…」
終始、不思議そうにロードはその少女に質問を、投げかけていたが、その言葉を聞いて少女は手を口に当てて小さく笑った。
「フフッ…お侍様、何故か悪いお方には見えません。あ…これじゃ答えになってませんわね。強いて言えば…気紛れ…ですかね。これも…答えになってませんか?」
ロードはその言葉を聞いて、力が抜けた様に座り込んでしまった。
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