RISING
流浪人 戦火へ
「大丈夫だよ。そんな輩な真似はしないさ」
サバネは高笑いを浮かべると、騒動に注視していた野次馬の間に、妙な空間が出来、逆に注目を浴びてしまった。
「あれが、革命軍に反乱軍…!」
そんなことは気にも止めずにロードは、両軍の動向に視線を戻す。
「邪魔立てするってんなら、死ぬ覚悟は出来てるってことだよなァ…?」
アレンが剣を抜き、アドラスに切っ先を向けて問う。
「死ぬつもりは毛頭ねぇが、喧嘩売った気ではいるぞ?おら、来いよ小童共ォ!!!」
アドラスの咆哮のような叫び声と共に、一斉に反乱軍が革命軍に向かって進撃する。
「はっ…迎え撃ってやれェ!!!」
アレンの一言で革命軍も歩を進め、均衡状態を完全に崩すと、至る所で、斬り合いが始まった。
その中心部をゆるりと幹部同士が進み、顔を付き合わせる。
「もう引退したほうがいいぞ?オッさん…」
「ワシに勝てたら…考えてやらんこともないわ」
ニヤリと笑みを浮かべたアドラスは、背中に担いでいた斧を手に取ると、戦闘態勢に入る。
アレンもまた剣を両手で握り、改めて戦闘態勢を作ると、首の骨を2回ほど鳴らして見せた。
そして、無言の中、風が止むのを皮切りに剣と斧が高い金属音を奏でて、混じり合う。
その瞬間、野次馬の過半数は叫び声と共に何処へかと消えていった。
ーーが、ロードはその戦いを目に焼き付ける。
斧を力任せに振るうアドラスとは対照的に、アレンはその体格通りのスピードを生かした戦法で戦闘に浸る。
「おらァ…どうした?小童ァ…。そんなもんでデカイ口叩いてんかァ?おォ…?」
「るせぇぞ…小童、小童ってバカにしやがって…。俺は小童なんかじゃねぇよォ!!」
挑発に乗ったアレンは一気に間合いを詰め、斬りかかるが、アドラスの斧に防がれ、巨躯に見合う腕で振り払われてしまう。
床に打ちつけられたアレンは、額から血を流しながら、直ぐ様、アドラスを見上げる。
ーーキャァァァァ!!
戦いに夢中になっていた、ロードの耳にふと、女性の叫びが聞こえてくる。
そちらに目を向けると、逃げ遅れた女性に斬りかかる反乱軍の兵士の姿があったーー。
何かを考える余暇もなく、ロードは背中に差していた刀を引き抜くと、その反乱軍の兵士との距離を詰め、一気に腹部を切り裂くーー。
「オイオイ…反乱軍ってのは、一般人にまで危害を加えるってのか…?」
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コメント
鳳 鷹弥
神原様、こちらこそコメントありがとうございます!
励みになります。
また引き締めて頑張ります。
姉川京
読んでみましたが、この話は凄く好きです!
これからもお互い頑張りましょうね♪
あともし宜しければ僕の作品もよろしくお願いします!