RISING

鳳 鷹弥

廻り出す運命の歯車



人混みを掻き分けながら、ロードは爆発音の
した方へ疾る。

すると、港付近に止められていた商戦を中央に
挟むように2色の団服が双列していた。


その双列を取り囲む様に野次馬が広がり、
港町の広場を騒然としている。


だが、爆発は海上で起こったらしく、
街に被害は出ていない。



「おいおい、勘弁してくれよ。こっちの仕事道具だぜ?あの燃えクズみたいになった船よぉ」


純白の団服勢の中央に立っていた男が声を挙げる。


紫色の髪を、風になびかせ、苛立ちを露わにした
表情を浮かべるその青年は続ける。


「何とか言ったらどうなんだ?あ?アドラスッ!」


そう投げ掛けられた逆側の漆黒の団服に身を包む
集団の中央に聳え立つ、岩の様な肉体の男が
ニヤリと笑みを浮かべ、口を開く。


「なぁに、こちらも仕事なんだからそんな怒ることぁないわ。なあ、アレン」


その岩の様な肉体の男は白い髭をさすりながら答える。



「なんだ?あいつら…」


ボソリと野次馬の中に混じっていたロードは、その様子を眺めながら呟く。

するとーー。


「なんだ君、帯刀しているくせに彼等を知らないのかい?」


おもむろに話しかけてくる声にロードは振り向く。



「ーー誰だ?アンタ…?」



「おっと失礼。僕はサバネ。フリーの情報屋をやってるんだ」



情報屋サバネと名乗った男は、カーディガンにハンチングとラフな格好をしていたが、ポケットからメモ帳を取り出すと、返答を待たずに喋り出す。


「あの白い団服の連中が、今噂の革命軍!ただ1人だけ中央に、マントをしている男がいるだろう?あれがアレン・ノーザン。革命軍の幹部だよ」


アレン・ノーザン
独立師団革命軍 幹部

紫色の髪に派手なピアスが目を引く男だ。

170cm 58kg 17歳


「因みに向こうの黒い軍団が反乱軍!あの中央の金ラインの入った団服の袖を破いてる、白髭の男が、こちらも幹部。アドラス・ホーキンスさ」


アドラス・ホーキンス
護国師団反乱軍 幹部

袖の破かれた団服を使用し、喉元を覆う様な白髭が特徴の男。

194cm 100kg 42歳



キョトンとした顔でただマシンガントークを聞いていたロードを漸く喋るタイミングを見つける。


「おい…。情報屋ってそれで金取るわけじゃねぇだろうな…?」

コメント

  • 湊

    読みやすい文章ですね(*^^*)
    ストーリーが分かりやすくて頭の中にイメージがすぐ浮かびます!
    これからも読み進めますね(*^▽^*)

    1
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