中二病少女と鉄棒

つうばく

中二病少女と鉄棒

中(ryC「ふっ、やっと我の前に現れたか、陰刻を刻まれし男よ」

B「お前が呼び出したんだ。……陰刻が刻まれてるってダサすぎだろ」

C「所詮、下等民族の言葉か。我の魂に貴様の言が響くわけないんだよ」

B「……めっちゃショック受けてるだろ。泣き顔だぞ、今?」

C「言うなぁっ! ……そんな事よりもだ、今日貴様を」

B「さっき陰刻を刻まれし男とか言ってなかったか……?」

C「そういうの良いんです! ……B君そういう所だけ鋭すぎだよ」ボソッ

B「何か言ったか?」

C「貴方が馬鹿すぎて私が疲れルゥーって話です!!」

B「……そうか? 俺が馬鹿だとしても中二病だぞ、お前。どっちか上かなんて……」

C「あぁー! そうだ、今日はB君に相談があったんだったー!」

B「……ま、良いか。で、何だ?」

C「ふっふっフ。アッハッハッハッッ! 遂に出来たのだよ……!」

B「何が?」

C「遂に我は……『奇跡』と呼ぶ神の定義に於いても存在しない原理では計り知れない現象を、起こしッ! アレを可能とすることがッ!」

B「……どうせ、逆上がりとかだろ」

C「どうせとはなんだ、貴様ッ! ……細いフォルムからは考えられない硬さ!それに冷たさ!」

B「まあ、鉄の棒だからな」

C「……そしてその鉄の細長い塊で」

B「あっ、言い換えた」

C「……そしてその鉄の細長い塊に身を任せて、一気に茶色き大地グランドを蹴り上げる!」

B「長くなりそうだからもう良いぞ」

C「えっ!? 最後まで言わせてよ! 短気か! B君は短気か!」

B「何でそこまで言われなければなんないんだよ……」

C「それでですね〜B君にちょっと相談が〜」

B「なんだ? 次は前回りでも教えろっていうのか?」

C「あっ、はい。そうなんですよ〜」

B「やだ」

C「へ?」

B「嫌だ」

C「へ? 私の耳が悪くでもなったんですかね? もう一度言ってもらえますか?」

B「……はぁー。分かったから、そのゴマすりみたいな感じの手をやめろ」

C「はーい! やめまーす」

B「止めんのはえぇーな、おい」

C「じゃあどう行うかの説明を頼むぞ我が師」

B「何か俺の名がレベルアップした気がするんだが……」

C「気にしないでさっさとしてくれ!」

B「はいはい。とりあえず、公園に移動するぞ」

C「あいあいさー」


ーー公園へ


C「ツバメのポーズから足を曲げて回るッ!」

B「さっきからそれ何回言うんだよ……」

C「いや、言というのは何度も言うことによってその力を発揮するのだ」

B「詠唱かよ!」

C「似てるね」

B「似てねぇーよ!」

C「じゃあ行くよB君。私は行くよ!」

B「ん。行け」

C「行くよ! 本当に行くよ!」

B「ん。行け」

C「私は……我は行くぞッ!」

B「うざい。さっさといけや!」


Bはツバメ態勢のCの補助を止め、思いっきり前に倒した。


C「うぁわゎあああぁあぁぁあ!」

B「……行けただろ?」

C「あっ……」

B「やっぱお前は出来んだって。ほら、もっかいやってみろ」バシッ

C「ひゃっい! B君、女の子のお尻は叩いてたダメぇ!」

B「……それもそうだな。すまん」

C「分かればよし。次からはちゃんとやる前に言うこと」

B「言ったら良いのかよ……」

C「言っても駄目に決まってんじゃん。何言ってんのB君は」

B「お前もう黙ってろよ」

C「じゃあいっきまーす」


Cはぎこちなくだが前回りをした


C「どう! 出来た……ごほんっ。我は銀の色を靡かせる鉄棒で難易度マックスの【前回りアラウンド・ザ・ビフォア】を我は成功したぞー!」

B「はいはい。良くやったな」

C「えへへ。もっと褒めるのだ」

B「けど、難易度で言えば初級ぐらいなんじゃないか? 前回りって?」

C「ぐっへ!? まぁ、まぁ、細かいことは気にするな」

B「……」

C「そんな冷たい目で見るなっ!」

B「……わかったから。もう今日は遅いし帰るぞ」

C「……分かった」

B「あと、ちょっとコンビニ寄らせろよ」

C「まぁ、良いけど?」

B「出来たご褒美にでも何か奢ってやるよ。……あと絆創膏もな」

C「あっ、気付いてたの?」

B「気付くわ、そりゃー。まぁ、さっさと行くぞ」

CはBの言葉に思いっきりの笑顔でーー

「うんっ! 行こっかB君!」

コメント

  • ノベルバユーザー599850

    自分も同じ様な経験があったのでおっとなりました。
    自分にも彼の様に助けてくれる男がいたら好かれる主人公みたいなイイ女になるよう頑張りたい。

    0
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