オマケ　第１話

【昨晩の出来事】


　新司は本屋から出てきた。
　本屋にいていたのは今日発売のラノベを買うため。


　新司にとってはこれを買うために今日を過ごしたといっても過言ではない。
　早速帰って読んでみようとしか頭の中には無いことが証拠となるだろう。


「喉が渇いたなぁ」


　今日は昼にコーラを飲んでから一度も水分を口にしていない。
　今は１２時過ぎ。

　約半日は何も飲んでいなかったのだ。

　そりゃあ、喉が渇いたって仕方ないだろう。
　むしろ、良く半日も何も飲まずに耐えたものだ。

　その精神力を他のところに移して欲しいものだ。
　何故に新司は高い精神力をこんな無駄なことに使うのだろう。


「ここから近い公園って確か自動販売機あったよな」


　本当は頭で考えているのだが、本人は気付かぬ間に口に出しているのだ。

　これは癖で妹からも何回も注意されているがなかなか治ることはない。
　いや、治す気はあるのだが、ここまでの癖となってしまっては、なおしようがないのだ。


「とっととい〜こう」


　と、言いながらもスキップで公園に向かう新司。

　まあ公園は本屋の前なので、１分も掛からずに着いた。

　そして、遊具の横にある自動販売機の目にまで来た。
　ここはメーカーが違う自動販売機が５台あるし、その殆ど違う種類が入っているので、新司は自分の好きな飲み物が見つかった。


　まあそれは普通にコーラだ。
　新司は自分でこの世で一番コーラを飲んでいると思うという程のコーラ好きだ。

　普段学校に行っていないので、家で過ごしている間はずっとコーラを飲んでいる。
　それも１.５リットル。

　それをひとりで飲んでしまう。

　平均的には１日にそれを４本ぐらい飲んでいることになるのだろう。

　まあ今日はコーラの箱がなかったために、半日も何も飲まないこととなったが。


　ーープッシュ


　良い音が夜の公園に鳴り響いた。
　炭酸が抜けていない証拠だ。


　……開けていないのに抜けていたらそもそも不良品だからそんなのは無いだろう。
　絶対に無いとは言い切らない。


　だって絶対はこの世にないから。


「……やべぇ、俺コーラで酔ったか？」


　酒でもない限り、酔うことなど無いだろう。

　そう新司が錯覚してしまうのも無理がなかった。

　公園の隣にある森が白く輝いていた・・・・・・・のだ。


　それを数秒見て新司はおかしいと気付いた。
　森が白く輝くなど聞いたことが無い。

　こんな超常現象、危ない予感しかしない。

　そう新司は感じすぐさまこの公園から立ち去った。