異能力主義学園の判定不能(イレギュラー)
Episode.1「入学」
◇高校前◇
「ここが異能力の聖地。」
十五歳の少年が立っているのは、とある高校の校門だ。この高校にはある宣伝文句が存在する。
『異能師を目指そう』
この高校『国立異能科高等学校』は世界で唯一の異能科高校だ。毎年受験者は百万人を超える。日本だけではなく、外国からも受験者を受け入れているからだ。各中学から受験者の履歴書のみで合格者が決まる。異例の受験スタイルだ。
高校は全寮制、各学年の生徒数は総員五千人。合格者には祝福が用意される。この祝福は合格者に異能力を与えてくれる。
異能力の種類は無数にある。被ることもあれば、珍しい能力が出ることも。全ては運だ。
その国立異能科高等学校に十五歳の少年、黒霧隼斗は合格した。今日は入学式だ。
* * * * *
「新入生は体育館にお集まり下さい。」
校内放送が流れた。入学式が始まるようだ。
異能科高校の体育館は、東京ドームと同じ面積を有する。ここでは、年に数回ある異能力大会の会場ともなるのだ。体育館前には新入生と思われる長蛇の列が出来ていた。
「これは時間が掛かりそうだな。」
ハヤトも入学生なので長蛇の列に並んだが、体育館に入る迄に一時間以上掛かった。
体育館の中は圧巻だった。まずは人の数だ。在校生は一万人程度、それに加えて教師や閣僚までもがいた。流石というべきだろう。
ハヤトの後ろにも新入生がいた為、式自体が始まったのはさらに一時間後だった。
「今から入学式を始めます。」
先程の校内放送と同じ声が聞こえた。若い声だから恐らく生徒会だろう。
「次は生徒会長からです。」
入学式は進み、殆ど終わりに差し掛かった頃に生徒会長が式台に登壇した。
「新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。この学校には優れた異能師のみが集められます。学力のみに囚われず、技能や才覚から優れた五千人です。皆さんには入学式の後に、祝福と呼ばれる異能力の元が配られます。」
生徒会長は女性だ。黒髪は普通なのだが、眼は緑色と日本人としては珍しい。白い肌からもハーフだろう。
「三ヶ月に一回、この学校では学園内での異能師のトップを決める異能力大会が催されます。ここでの好成績は通知表にも影響してきます。また学年トップには優遇制度も付きます。是非、頑張って下さい。」
生徒会長の挨拶は以上だった。生徒会にも特別評価が付くみたいだ。
生徒会長の降壇後、入学式は終わり、新入生に祝福が配られた。
「それでは新入生は祝福に対して『開け』と言って下さい。」
『開け』
新入生達が一斉に言い出した。唱えた直後、直方体の箱である祝福から光が漏れ出すようになっている。
「俺もしようか。『開け』。……くっ。」
祝福の光はハヤトの目を眩ませた。
「……これだけか?」
光が漏れ出した後、何も起こらなかった。箱の中にも何も無い。
「光が漏れ出した時点で終了です。新入生の皆さん、お疲れ様でした。明日はまた体育館の集合となります。遅刻は無いようにして下さい。校則違反は違反レベルにもよりますが、それに比例した処罰がくだりますので注意して下さい。また、校外では異能力は使えないので、こちらも注意して下さい。」
解散となった。明日は能力テストがある。何の能力か、確認するのだ。これについては学校側も事前に把握できるものではない。
明日が楽しみだ。
「ここが異能力の聖地。」
十五歳の少年が立っているのは、とある高校の校門だ。この高校にはある宣伝文句が存在する。
『異能師を目指そう』
この高校『国立異能科高等学校』は世界で唯一の異能科高校だ。毎年受験者は百万人を超える。日本だけではなく、外国からも受験者を受け入れているからだ。各中学から受験者の履歴書のみで合格者が決まる。異例の受験スタイルだ。
高校は全寮制、各学年の生徒数は総員五千人。合格者には祝福が用意される。この祝福は合格者に異能力を与えてくれる。
異能力の種類は無数にある。被ることもあれば、珍しい能力が出ることも。全ては運だ。
その国立異能科高等学校に十五歳の少年、黒霧隼斗は合格した。今日は入学式だ。
* * * * *
「新入生は体育館にお集まり下さい。」
校内放送が流れた。入学式が始まるようだ。
異能科高校の体育館は、東京ドームと同じ面積を有する。ここでは、年に数回ある異能力大会の会場ともなるのだ。体育館前には新入生と思われる長蛇の列が出来ていた。
「これは時間が掛かりそうだな。」
ハヤトも入学生なので長蛇の列に並んだが、体育館に入る迄に一時間以上掛かった。
体育館の中は圧巻だった。まずは人の数だ。在校生は一万人程度、それに加えて教師や閣僚までもがいた。流石というべきだろう。
ハヤトの後ろにも新入生がいた為、式自体が始まったのはさらに一時間後だった。
「今から入学式を始めます。」
先程の校内放送と同じ声が聞こえた。若い声だから恐らく生徒会だろう。
「次は生徒会長からです。」
入学式は進み、殆ど終わりに差し掛かった頃に生徒会長が式台に登壇した。
「新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。この学校には優れた異能師のみが集められます。学力のみに囚われず、技能や才覚から優れた五千人です。皆さんには入学式の後に、祝福と呼ばれる異能力の元が配られます。」
生徒会長は女性だ。黒髪は普通なのだが、眼は緑色と日本人としては珍しい。白い肌からもハーフだろう。
「三ヶ月に一回、この学校では学園内での異能師のトップを決める異能力大会が催されます。ここでの好成績は通知表にも影響してきます。また学年トップには優遇制度も付きます。是非、頑張って下さい。」
生徒会長の挨拶は以上だった。生徒会にも特別評価が付くみたいだ。
生徒会長の降壇後、入学式は終わり、新入生に祝福が配られた。
「それでは新入生は祝福に対して『開け』と言って下さい。」
『開け』
新入生達が一斉に言い出した。唱えた直後、直方体の箱である祝福から光が漏れ出すようになっている。
「俺もしようか。『開け』。……くっ。」
祝福の光はハヤトの目を眩ませた。
「……これだけか?」
光が漏れ出した後、何も起こらなかった。箱の中にも何も無い。
「光が漏れ出した時点で終了です。新入生の皆さん、お疲れ様でした。明日はまた体育館の集合となります。遅刻は無いようにして下さい。校則違反は違反レベルにもよりますが、それに比例した処罰がくだりますので注意して下さい。また、校外では異能力は使えないので、こちらも注意して下さい。」
解散となった。明日は能力テストがある。何の能力か、確認するのだ。これについては学校側も事前に把握できるものではない。
明日が楽しみだ。
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