藝術

大槻越

第1話 自分とは

「疲れた・・・・・」

そう一人で言いながら冬眠するようにその家の外から出ることはなかった。

「僕はダメだ、僕はダメな人間なんだ・・・」
自分の部屋のベッドで苦し紛れに言い、そのまま眠りについてしまった。



気づけば24時間眠りについていた。
24時間眠りについた後は、かすかな快感が生まれる。いや、違う。不快感から開放されただけのことだけである。しかし、それが自分にとってどれだけの幸せであるか・・・他人に分かるものか。



しかし、その幸せもそう長くは続かない。
「今日はアルバイトか…」
最近は仮病で休みがちだったスーパーのアルバイトもそろそろ真面目に行かなければと思っていた頃だった。

朝の8時ごろに起きた今日一日も、気づけば夕方の5時。
 なにもせず、ただぼーっとしていた自分が夜になるにつれその行動に後悔していく。

アルバイトは6時から。自分はのんびりとパジャマから私服に着替える。
「・・・・・」
この行動をしただけで凄いと思った自分が嫌になる。
そこまで自分は、これまでナマケモノのような生活を続けていたのだと、今更だが、振り返ってようやくわかった。しかし、あくまでも分かっただけである。

(ズル休みしたことなんて、店長にバレてるだろうなぁ・・・・・)

そう思うと、余計に自分を責めることになるから、あえて店のせいにしようと、無意味な考えを持ったのはつい最近である。

そのように考えながらも、どちらにしろ今日も怒られるのである。

(このような人生を作ったのは自分ではないか・・・)
このように思いたいが、今はそれ所ではない。
今は自分を責めずに生きていこうと考えに考えると、どちらにしろ自分を責めることになる。



結局、店長に怒られ、辛い辛い1日であった。




来月のシフトも作らなきゃいけない。
これが自分にとって一番の辛さかもしれない。

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