名も無き世界から

くぅく

名も無き世界から1

「神様…この平凡な世界から連れ出して」



ある子供が願った
神様の届かぬ所で  届かぬ声で  届かぬ世界で

でも、神様は確かに自分に手を差し伸べてくれた

あの日までは────




起きるとそこは見たことない世界だった
明らかに地球とは違った
目の前であるく人…?
いや、謎の生物達
喋る動物  虫など  気持ち悪かった

ここはおそらく街だろう

道の真ん中で座っていたせいで周りからは変な目で見られる。変な気分だ。当たり前だけど

すると

「おい、あんた、邪魔なんだけど」

牛…?のおばさんが注意してくる
牛なのに髪が生えてる
普通ならありえない

「ちょっと、きいてるの!?」

怒鳴る牛おばさん
ビクっとして  立ち上がった

「もー、ちゃんとしてよね!?最近の若いもんは世の中のルール知らないの!?」

会って早々に説教
腰に手を当てて親みたいに怒ってくる
そこから、10分ぐらい説教された
流石に耐えれなかったためその場から逃げた

「ちょっと!!話は終わってないのよ!もー!」

体力には自信があったためすぐにまくことができた
でも、ここは人混みだらけ
すぐに見つかるだろう
なんで、説教から逃げてるんだろ
今思うと自分がダサく感じた

この街に来て30分はたったと思う

疲れた  お腹もすいてきた
でも、お金なんてない
そもそも、ここどんなお金なのか知らないし
どうしよう……


ドォォォォォンッッッッ!

突然どこからが大きな音がした
銃の音だろうか
でも、すごい響いてる  この街相当でかいだろう
向こうから変な黒い物体が走ってきた
銃をもっていた 
路地裏に隠れていたため、黒い物体は気づかない
近くで見ると…目がめっちゃ大きく、体が小さい
虫の進化系みたい
てか、この世界…人間はいないの?
しばらくじーっとみてるとその黒い物体と目が合った
やばいっ!逃げないと
急いでその場から離れた
追ってきてるとかは分からないけど
身の危険を感じた

しばらく走った
細い道を曲がり曲がり…息が切れて止まる
その場にしゃがんだ

「ちっ!さっきの奴どこ行きやがった!」

やっぱり追ってきていた
逃げてよかった
でも、この場所だとまたすぐに見つかるだろう

って、さっきとおんなじ事考えてる

横っ腹が痛くなってきた
でも、取り敢えず立ち上がり人通りが最も少ない場所に移動しようと思った
痛い横っ腹を抑えて小さく歩く
一歩一歩ゆっくりと

「おい!!今度あっち探してみろ!」

え…グルなのか…
早く離れて目のつかないところへ…

「あ!兄貴!いやした!」

みつかった…
なんで追われてたのかわからないけど
なんで逃げなきゃいけないのかわからないけど

走った

捕まると絶対死ぬ

と、思ったから

流石に息がきれる
汗だくになりながら
痛い横っ腹を抑えて、走った


頬にかすった

銃の玉が

痛い。血が滲む

銃を次々と打つ
でも、そのほとんどが当たっていなかった
曲がり角が多いからであった

それにしても、細い道はずっと続いた
痛い。限界だ
倒れ込む  
這いずりながらかべにもたれる
薄暗い場所だった
人目もつかない
頬は絆創膏を貼れば済む
でも、横っ腹が痛すぎる
もう立てそうにない

人影があった
息をとめた 口を抑えて 目を瞑って
片目を恐る恐るあけると
真ん前にはあのグルの一人らしき人?がいた
鼓動が大きくなる

怖い  殺される
そいつは手を伸ばしてきた

目を瞑る

「……っ!……」

頭を撫でてくれた
嬉しいわけでもないのに安心した
お母さんの手みたい

「ごめんなー…」

そいつは謝った
頭を撫でながら
でも、そいつがどんな奴かわからなかった
目を瞑ってたから
目を開けて  顔をみた
意外とイケメン?なのかな
耳が尖ってた 長いし
あいつとはかけ離れていた
人間にそっくり…

「おーい!そっちいたかー?」

あっちから声がした
ビクっとする
身を縮める
それを見てそいつは

「誰も居なかったぞー!」

と返した  

なんでなんだろ
ただ、呆然とそいつをみた
鼓動は小さくなった

「じゃあな!」

そいつは行ってしまった

「…まって!……」

でも、その声は小さかった

やっぱり届かない声だ



それから時間が経った
横っ腹の痛みはひいていた
頬の血も固まっていた

「はぁー…」

大きなため息を履いて
立てった
路地裏から出ようとしたけど
何も考えずに走ったからどこにいるのか分からない
なんとなくで歩き出した

歩くにつれあたりも暗くなる

暗くなるにつれ人?も減っていく

人?が減っていくにつれ、暗い者達が増えていく

暗い者達な増えていくにつれ、怖くなる



怖いよ…


「ねーねー、君ー?何してるのー?」

声をかけられた
やっぱり人間ってめずらしいの?
振り向くと

「やぁっぱり君だー」

昼間の黒い……物体…
周りには連れがいた

走る

でも、腕を掴まれた
鼓動が再び大きくなる

嫌だ…

行きたくない


(殺せば?)


聞こえてきた微かな声
この言葉がこの場の状況をかえた

その瞬間──

黒い物体のポッケからポケットナイフを奪い取った
そして切りつけた

血がでている  大量に

腕は離された

今だと思い
ポケットナイフを持ったまま逃げた
ナイフを見ると血がついている

汚い…色がおかしい
赤いはずがどす黒い赤だった

さっさと血をふくと自分のポケットにしまった

この世界に来てから何かと事件に巻き込まれる

「はぁー…」

もう一度ため息をついた

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