にほんなろうばなし

穴の空いた靴下

にほんなろうばなし

 むかーしむかし、おじーさんとおばーさんがいました。
 おじーさんはやまへやまのさちやどうぶつをかりにはいり、おばーさんはふもとのまちまでてづくりのどうぐをうりにでかけました。

 おじーさんがしばらくやまのなかをあるいていると、どこからかけんげきのおとやひとのかけごえ、まものがあらぶるこえがきこえてきます。
 そうです、このやまにはたくさんのどうぶつといっしょにまものといわれるいじょうなちからをもつせいぶつがいるのです。

「まったく余計な仕事を増やしおって……」

 おじーさんはめんどくさそうにしんたいきょうかのまほうをかけると、かぜのようなはやさでおとのしたほうへとむかいます。
 おじーさんがとうちゃくしたころにはすでににんげんははいぼくしており、そのしにくをまものたちがむさぼっているところでした。

「間に合わなかったか……」

 おじいさんがにがにがしくはきすてたことばにはんのうするように……

「た……すけ……て……」

 かすかなこえがきこえました。
 おじーさんはすぐさまあいけんヴェステカリウスをとりだし、まものどもにとびこんでいきます。
 まものたちはおいぼれがふえたがくってもうまくなさそうだとめんどくさそうにあいてをしようとしますが、そのはんだんはあやまりだったとすぐにきがつきます。
 てきとうにつめをふりおろしたばしょにはおじーさんのすがたはなく、すでにみずからのどうたいをきりきざまれていることにまものがきづいたときにはいのちもかられているのです。

 おじーさんはそのむかし、きょうだいなまおうをたおしたゆうしゃだったのです。
 まものたちはこまぎれになったまもののすがたにいかりいっせいにおじーさんにおそいかかりますが、おじーさんのあいてにはなりません。
 いっせんのもとにおなかまどうようにくへんへとかえられてしまいます。

「あいたたた、最近はすぐ肩にくるのぉ……」

 やいばにわずかについたちをはらいながらヴェステカリウスをさやへとおさめるおじーさん。
 かぼそいこえのしたばしゃのなかへといそいではいります。

「……おそかったか……」

 そこにははらわたをくいちぎられたじょせいのしたいがよこたわっていました。

「……すまぬ……」

 おじーさんはじょせいのいたいをととのえ、くようのためひをはなとうとします。
 そのときです。

「ふぎゃーふぎゃー!」

 まるでおじーさんがくるのをまっていたかのようにじょせいのはいごのにもつのやまのおくからあかごのこえがきこえるではありませんか!

「なんと……おーよしよし、この女性が命を賭して守ったのじゃな……」

 おじーさんはあかごをだきしめます。
 ひがついていたようにないていたあかごはおじーさんにだかれるとぴたりとなきやみ、きゃっきゃとおじーさんのひげであそびはじめます。

「……よし、お前は私達が立派に育てあげる!
 こんな世界で強く強く生きていけるように!!」

 たかだかとかかげられたあかごはうれしそうにえみをうかべるのでした。

 せかいをすくったもとゆうしゃのおじーさん。
 きせきのせいじょとしておなじパーティでせかいをすくったおばーさん。
 そしてそのなかまたちといっしょに、すくすくとあかごはせいちょうしていきます。

 しかし、おじーさんとおばーさんはしらなかったのです。

 そのあかごのなかみは、にほんというくにで、まんがとげーむ、らのべにどっぷりとはまってにーとせいかつ16ねん、30さいにしてとうにょうびょうでこのよをさったおとこのたましいがはいっていたことに……

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