異世界召喚の予定が転生になりました…?

如月

プロローグ2





死ぬ。




そんな未来が確定した翌日

王様からの召集を受けてクラスメートが大広間に集められた。

「お主らが此処に呼ばれたのに際し、女神様から大方の説明を受けていると思うが、我々に協力願いたい。」

内容は
 人族の領土は四つの国に別れており、今居る王国、皇帝率いる帝国、女神を崇拝している教国、各々の中継地に位置する民主主義国家の共和国、に別れているそうで
その四国の内、最も魔国に近い王国が魔人族の標的にされたので自国防衛のために力を貸してほしい
とのことで
ここ数年魔人族の力が急成長しており対応しきれないので、勇者召喚と言う形を取ったとのこと

人族と魔人族の他に妖精族、龍族、獣人族という五種族に別れており

妖精族は魔法に特化しており、精霊魔法も使える長寿種族

獣人族は筋力が特化しており、筋力だけで空を走るとまで言われている獣耳種族

龍族は翼があり筋力も発達しており、挙げ句の果てに龍魔法という固有魔法も持つ最強種と位置付けされているが、人前にはあまり顔を出さない隠居種族

魔人族は妖精族程ではないが魔法を使え、獣人族ほどではないが筋力も発達している良いとこ取り種族

人族は獣人族よりかは魔法を使え、妖精族より筋力が発達している器用貧乏種族

と位置付けされているらしく、魔人族は人族を劣等種と見下す傾向があるらしい
それにより今回、領土侵行が計画されている模様

 それに対して人族は対抗するために兵を募り装備や兵糧も確保し万全の状態で挑む

しかしながら種族差というものは酷なもので、人族最強と言われている人でも魔王の側近に善戦できるか…というほどの状況らしい。

その状況を打開するために、先人達も用いた勇者召喚の魔方陣を用いて対抗しようという算段だそうだ。

駒扱い宣言を受けても勇者井沢サンは
「魔王という存在は力の弱いものを力が弱いという理由だけで迫害しようとしているのか!酷い奴等だ!」
と、魔人族に対して憤怒するだけだった。

 一方、郷夜達何時も絡んでくる三人は
「命掛けるっつーことか…?」
「倒すってことは殺すってことだよね…私には無理だよ…」
「要するにあたし達は駒ってことね…」
と、三者三様の現状把握を行っていた。よかった、コイツらはアホじゃない…


 「この現状を踏まえてお主らには戦力の底上げをしてもらうことになる。ステータスと念じれば他人には不可視の状態で己のステータスが現れるのじゃが、それを確認の上で、戦闘に参加するか否かを決断してほしい。」
と王様の隣に居る護衛の人に言われる。
「一応此方側でも適正を把握しておきたいのでこの水晶に手をかざしていただきたい」

この水晶と言われて視点を移した先には、直径30㎝程度のガラス玉が護衛の人の手元に有った。

この水晶には、適正の属性を教えてくれるらしく、属性によって発光色が変わるらしい。

そう聞いて一番始めに井沢が名乗りをあげた。

井沢が水晶に手を当て、その場で受けている説明通りに力をいれると…

赤、黄色、白の三色が交互に発光した。

「おぉ!これは三属性ですな!火と雷と光の三属性とは…攻撃に関してはトップクラスの素質でしょうな。」
と、大臣が興奮気味に話す。

木村、六条も続くように水晶に触れていたが、
木村は火、水、土、風、雷の属性を示す五色が発光し
六条は水、土、光を示す三色が発光していた。

 大臣曰く、井沢が前衛火力、木村が後方火力、六条が後方支援に特化しているようで、パーティーを組むのが良いらしい。

他にも、御猫先生には光が非常に強く発光したり
郷夜には火と土と闇が発光し、祥弧には水と光、優は雷と闇属性と言うように様々な色に発光していた。

「輝ー!俺は前衛らしくて、ここの二人とパーティー組むこと進められたわ!輝の属性によっては四人パーティーだな!」と、興奮気味に話す郷夜だが
俺は事前にステータスを見て知っており、雷、光、闇の適正があるそう。
雷で攻撃、光で回復、闇でデバフと言う形で何とか自己完結出来るようだ。

しかしながら光と闇の両方の属性を持つ人はクラスメートの中でも俺だけらしく、闇属性の力を光属性に書き換えて隠蔽することにした。

そのため闇属性の魔力を弱めるイメージをし、自分の中の光っぽい何かを強くイメージした。

すると…

「光属性の一つだけですか…いえ、光と闇が稀な存在は確かなのですが、戦闘には向かないかと思われます。」

雷属性も光に消された…!?

先生よりも発光が弱く、一色しか光らなかったため周りがどよめく。

「シズネさんは光属性のみのようですね…ミネコさんより光が弱いとすると…戦闘に挑むには厳しいと思われますが、あくまで適正ですので光しか使えない、と言うわけでは有りませんのでご心配なく」

と、大臣にフォローされてしまった。
まぁいいか…戦力が六日後に死ぬ方が色々問題ありそうだし、弱者の冠を被りながら死んだ方が周りも絶望しなくて済むだろう。俺の友人達には悪いけど…

各々の適正を知ったところで、続いて案内されたのは王国内でも有名人とされる二人の前だった。

 その二人は武術に長けている男性と魔法に長けている女性ということで、これから武術魔法それぞれの先生になるそうだ。
二人とも元々冒険者だったそうで、Sランク昇格時に国から声が掛かったそうで、冒険者からも人気のある人らしい

二人とも御結婚してるそうで、家族のため収入の安定する国の騎士を選んだそうだ。

「これから武術に関する指南を任されたイフィートだ。よろしく」
「同じく魔法指南を任されましたシラルです。よろしくお願いしますね」

 冒険者に対しての認識や対応も悪くないようで、国の多くの場所で元冒険者が活躍しているらしく、戦闘による被害で戦えなくなった冒険者がギルドや宿屋などと言った形で冒険者を支える職に就いてる人も珍しくないそうだ。

勇者は冒険者とは別の境遇だろうし、どういう扱いをされるかわからないけどな…

それぞれ自己紹介を終え10分程度のアイスブレイクの後

「よーし!なら早速始めるか!」とイフィートが切り出した。

曰く
 武術は身体能力に依存し、魔法は魔力と詠唱により発動するらしい。

「明るいうちに基礎体力の訓練、その後に魔法関係の訓練を予定している!いくら勇者とはいえ、スキルや素質だけではD級程度の敵を倒せるくらいだからな!」

「それでも素質だけでDまで倒せるのは羨ましい限りですけどね。」

一般的に、冒険者や騎士、魔術師の養成所卒業レベルがD級だそうだ。
つまるところ素質だけで卒業出来るらしい…。

勇者恐るべし

「まぁ勇者様方は相手が魔王だからな!生半可な叩き込みはしないつもりだから覚悟しといてくれ」

「私の方も仕事は全力で全うさせていただきます。」

というわけで、訓練が始まった。

 武術訓練では自分の装備を決め、その装備を着込みランニング5㎞の後
素振り、組手、イフィートとの実践形式の対戦を行い
魔法訓練では、魔法に関する基礎知識や属性相性、各属性の初級魔法習得の練習、詠唱の暗記という濃密な1日1日を過ごしていった。

訓練メニューによって運動が得意か否かで前衛と後衛が自然と別れていき、三日後にはそれぞれのパーティーが連携をとれるようになっていった。

奏輝も郷夜のパーティーに入れて貰いながら前衛として頑張っていたが、転移初日含めて既に五日も経っているので身入りが良くないのは仕方がなかった。



 今日から近くのダンジョン攻略だっけか…死ぬこと考えすぎてここ2日寝れてないんだよな…
体悲鳴あげてるけど神経が鋭敏になりすぎて全く眠れねぇ

そんなことを自室で考えていると…

コンコンコン
と、ノックが響いた。

「誰?」
「私です。祥弧です。」
まさかの来客…

「どうした?飯も終わったし寝るだけだろう?何か用か?」
「いや、嶋村くんと優ちゃんで話してたんだけど、やっぱり静音くん体調悪いのかな?と思って…」
嶋村くんには行かなくて良いって言われたけどつい気になって…
と申し訳なさそうに呟く

「気にするな。明日からダンジョン攻略だろう?俺もお前も寝れずに実力が出せなくなるのが一番マズイだろうし、もう寝とけ。俺もダンジョン攻略に緊張してるだけだし、終われば何ともない。」

何ともどころか何もかも無くなるけれども、諭すように返事をする。

「そっか、なら大丈夫だね。ダンジョン攻略にはイフィートさんとシラルさんが来てくれるみたいだから安心だけど、明日から頑張ろうね。」

そっと扉を閉めて帰る三村。

安心だけど…だけどねぇ…
何か含みのある言葉が出てきていたが、これが敢えて選んだのだとすると女の勘って怖いな。

にしても郷夜のやつ何か気づいてるな…周りの人間が鋭くて困る。
神崎も中々気の回る奴だし…
この状況下では嬉しいやら悲しいやら複雑だな。

取り敢えず明日、郷夜にどこまで推測してるのか聞いてみるか…

そう決断して、今日もまた眠れない夜を過ごした。





どうも、如月です。
今回からあとがきを追加します。
所謂処女作なので、一話の字数感覚がいまいち把握できてない状況…
今回は短めです。

行き当たりばったりで書いてる作品なので、誤字脱字…は確認してるつもりですが、有ればコメントで報告お願いします。
更新頻度に関しては、リアルの都合次第なので
頑張って月に一回は更新したいと思ってます。
想像力豊かな月には二話、三話と乏しい月には一話
そんな感じの認識でお願いします。

てか作者大阪に住んでるから、地震の後処理超大変。
取り敢えず、一話の長さのアンケートを取りたい…切実に

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