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強奪の勇者~奪って奪って最強です~

雪桜 尚

ドワーフから強奪!!②

迷宮ダンジョン全く!ご主人様はああ言う場所をわきまえない行動が多過ぎます!!先ほどのもどれだけ恥ずかしかったことか!!わかってます!!?」
「はい、今回は心の底から反省しております」

今俺は道のど真ん中で叫んだことをエイミーに咎められていた。
側から見たら俺は全くもって主人には見えないだろう。

「はぁ、ご主人様はどうしてこうもっと周りを見て行動ができないのですか?だから迷子になったり子供に変な人扱いされたりするんです」
「はい、ごもっともであります」

俺は完全に萎縮してしまっている。

「反省してますか?」
「はい。海よりも深く」
「ならよろしいです、これからは気をつけてくださいね?」
「はい」

俺はようやくエイミーの説教から解放された。
そして俺は強く心に決めるのだった。
もうエイミーを怒らせるのはやめようと。

「それでは、ご主人様に一つ質問をさせていただきます」

先ほどとは打って変わってお淑やかにエイミーが俺に話しかけてくる。

「なんですか?」
「もうお説教は終わりましたから敬語はいいです」
「わかった。それで質問ってなんだ?」
「質問とはですね、ご主人様は迷宮ダンジョンにどうやって入るか知っていますか?」
「いや?知るわけないだろ?」

俺は堂々とエイミーにそう言った。
するとエイミーは頭を抑え大きく一つ溜息をついた。

「だと思いました。質問してを言って正解でしたね。どうせまた突っ走る気だったんでしょう?」
「バレてたか。そうだよ突っ走る気でいた」
「なら説明しておきます。迷宮ダンジョンに入るには冒険者ギルドで迷宮入場許可証というのを発行してもらわないといけません。これはCランク以上の冒険者しか発行してもらえないのですがこれは問題ありません。入ると各階層をクリアするまで外に出られませんので今日のうちにしっかり準備してから参りましょう」
「わかった。それじゃまず買い出しに行くか」

俺とエイミーは並んで歩き出した。
するとクイっと袖を引っ張られた。
振り返るとそこには俺の袖を掴んだエイミーが立っていた。
その頬は若干赤みが差しているように見える。

「ん?どうした?エイミー?」
「あの、そのですね、ご主人様は目を話すと何をしでかすかわかりませんから手を」
「ああ、手を繋ぎたいのか、ほら」

俺はエイミーに向かって自分の右手を差し出した。
おずおずとエイミーはその手を握ってくる。

「あの、ご主人様、私の我儘を聞いていただいてありがとうございます」
「いいよ、まだちょっとしか立ってないけどエイミーには迷惑かけてるからな」

俺は照れを隠すようにガシガシと頭を書いた。
するとエイミーは花のような笑顔を浮かべていうのだ。

「はい!本当にご主人様には迷惑をかけられましたよ」

エイミーの辛辣な一言が心に刺さる。
きっと悪気はないのだろう。ないと思いたい。

「あっ!ご主人様ここです。ここで迷宮ダンジョンで必要なものが一通り買い揃えられます」
「そうなのか。にしてもエイミーはそんなことどこで聞いたんだ?」
「それは……」

エイミーの顔に影が差した。
どうやら聞かれたくないのだろう。

「ああ、わるいな。言いたくないなら言わなくてもいいぞ?でも、いつかエイミーが言えるよになったら聞かせてくれ」
「すいません、ご主人様」

本当に申し訳なさそうにエイミーはそう言った。

「構わないさ、俺にだって隠し事の一つや二つあるからな」
「ご主人様の場合はこの世界の人間なのかすら怪しいですからね」

ギィクゥ

俺は壊れたロボットのような動きでエイミーを見る。
当のエイミーはなんでもないように俺に笑いかけてきた。

「何をしているのですか、ご主人様?また不審者扱いされますよ」
「あ、ああそうだな!早く必要なものを買ってここを出ようか!!恥ずかしいし」
「わっちょっとまってください」

俺はエイミーの右手を掴んで急いで店の中に入った。
店に入ると、青みがかった銀髪の美人さんと、数名の客が

「いらっしゃいませー。何をお求めでしょうか?」

どうやら、美人さんは店員だったようだ。
「えっと、迷宮ダンジョンに必要なものを一式」
「わかりました。少々お待ちください」

美人さんはそう言い残すと店の奥絵と消えて言った。

「なぁ、エイミー。さっきこの世界の人間じゃないかもしれないって言ったの、本気か?」
「な訳ないじゃないですか。それにご主人様がたとえこの世界の人間じゃなくても私はご主人様についていきますよ」
「なっ」

俺は自分の頬が真っ赤に染まって行くのを感じた。
自分の内側に炎があるかのように全身が熱い。
頭はボーッとして、エイミーがいつもより5割り増しくらい可愛く見える。

「ご主人様、大丈夫ですか?顔が赤いですけど?」
「だ、大丈夫だよ!!」

俺はぶっきらぼうにそういうと赤くなっている顔を隠すように反対を向いた。

「お待たせしましたー」

美人さんが両手にいっぱいの商品を持って俺たちのも音に戻ってくる。
その声は救済そのものだった。

「ありがとう!助かった」

俺は美人さんが商品を机の上に置いたのを確認すると、跪いて感謝を告げた。

「え?な、ななな何をしているんですかぁ!?」

美人さんは困惑半分照れ半分といった感じで、ワタワタしている。

「ご主人様?ナニヲシテイルノデスカ?」

突如、背後に凄まじい殺気を感じた。

「いや、そのな?わかるだろ」
「わかりません」

そして俺はこの後、鬼を見た。
この世界に来て龍やモンスター、人間離れした身体能力を持つエミリアなど恐ろしいものに出会って来たが、エイミーはそれをはるかに凌駕するほど恐ろしかった。
エイミーの背後には般若が佇んでいたような気がする。まぁ怖すぎて覚えてないが。

「まったく、そういうことなら早くいってくださればよかったのに」

俺はあの手この手でエイミーの質問猛攻を耐え抜き、機嫌をとることでなんとかことなきを得たのだ。

「あのー、よろしいですか?」
「「あっ」」

美人さんとは別の店員が困ったような、というか困った表情を浮かべて俺たちの方を見ていた。
さっきの美人さんはエイミーの殺気に驚いて、足元に水溜りを作ってしまった。
美人さんはもうお嫁にいけないといいながら店の奥に消えていき、そのまま出ていってしまった。
本当に悪いこと押してしまったと思う。

「すいません、私があんな事をしたあまりに」

エイミーは店の端っこで縮こまっている。

「いえいえ、この街ではこんな事しょっちゅうですよ」
「そうなんですか?」
「はい。ここナロンは冒険者には始まりにして終わりの町と言われています」
「へぇー、なんでですか?」
「ここの迷宮ダンジョンは初心者向けでありながらまだ踏破されていないんです。聞いたところによると、90階層を超えてからは難易度がバカみたいに上がるとかで」
「なるほど」

明日から迷宮ダンジョンに挑戦する身として嬉しい情報である。

「初心者の時にお世話になって、ベテランになってからまたお世話になる町、という意味を込めて始まりにして終わりの町と呼ばれているのです」
「へぇ〜。でもそれとこの街で喧嘩が良く起きるのとどうつながるんですか?」
「ああ、起きるのは喧嘩じゃなくて痴話喧嘩」
「それにしてもどういう事ですか?」

痴話喧嘩と言われて恥ずかしかったのかエイミーはさらに縮こまっている。

「冒険者になりたての頃は新米同士でパーティーを組みますよね?」

俺はよくわからないので、曖昧に返事をしておく。

「そうすると比較的力の弱い女の子は男の子に助けられることが多くなります」
「ああ、そういうことか!」

俺はポンっと手を叩いた。

「その後、女の子が恋に落ちて付き合い始めカップルが成立。それが至る所で起きるから街にカップルが溢れる。だから色々なところで痴話喧嘩が起きると」
「はい、そういうことです」

そこまでいって俺は気がついてしまった。
この人は俺たちをカップルと言っていることに。

「べ、べべ、別に俺たちはカップルじゃないですよ!!?」
「ああ、そうなんですか。てっきりそうだっと」

店員さんは俺の反応を楽しんでいるようだ。
エイミーは羞恥からさらに小さく縮こまる。

「や、やめてくださいよ。ここで商品買うの最後にしようかな……」

俺が小さく呟くと、店員さんは二号一気に態度を変えて謝って来た。

「どうしよっかなー」
「わ、わかりました。今回の買い物の金額は3割引にさせていただきますので平にご容赦を」
「3割かー。エイミー、いじられてかわいそうだなー」
「わかりました、半額、半額でどうですか」
「いいでしょう、これからもよろしくお願いしますね」

俺はドス黒い笑みを浮かべながら店員にそう言った。

「はぁ、まさかお客様に交渉を持ちかけてくる気概があるとは……まさに大損害ですよ」
「ははは、人を見かけで選んじゃいけないってことですね」
「本当ですよ。私、ジークフリードと申します。どうぞジークとお呼びください」
「ジークさんですね。僕、いや俺はアルティオム・ルーカスだ。アルって呼んでくれ」
「はい、アルさんですね。お連れの方はエイミーさんですね?」
「ああ、さっきの美人さんは?」
「彼女はイリスです」
「わかった。俺たちが済まなかったと言っていたと伝えといてくれ」
「はい、わかりました。こちらが商品になります。詳細はこちらに」
「わかった」

俺の目の前には二つの山ができていた。一つは寝袋やランプなどの山。もう一つはポーションの山だ。

「にしても量が多いな」
「ご主人様、魔法の鞄を買って見てはいかがですか?今日の買い物は半額だそうですし」

エイミーがいつの間にか復活していて、そんなことを言った。
ジークさんは顔にダラダラと汗をかいていた。

「ジークさん、魔法の鞄を」
「は、はい……」

ジークさんは意気消沈して商品を取りに行く。
そんなジークさんを見て俺は少しかわいそうになった。
まあ、俺たちをいじったのが悪いんだがな。

「こちら、魔法の鞄になります」

ジークさんが差し出したのはなんの飾り気もないただの鞄であった。

「この中にはその人の持つ魔力に比例してたくさんのものが入ります」
「わかった」

エイミーはともかく俺は龍と同じ魔力があるから問題ないだろう。

「おお!はいる、はいるぞ!!」

俺はポンポンと魔法の鞄にものを詰め込んで行く。
程なくして、全ての商品を鞄の中に収めた。

「いやー、いい買い物をしたな。いくらだ?」
「えっと、金貨150枚のところ半額のため75枚ですね」
「はい」

俺はポンっと80枚の金貨を出す。

「5枚ほど多いですが」
「迷惑料ってことでとっておいてくれ」

俺はそういうと、店を後にした。
迷宮ダンジョンに期待を寄せながら。

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