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リア充VS非リア『ブサイク達の大逆転』 ――名前の壁は超えてやる!

雪見だいふく

容姿で決めるって、おかしくないか!?!?

 ……俺の名前は、『田中たなか……』。この後は言いたくない。親は、何故こんな名前を俺に付けたのだろうか。

 ……名乗りますよ! あぁっ!? コホン。気を取り直して、俺の名前は『田中 モテ茄子もてなすび』。顔も普通。運動神経もそこそこ。勉強だって中の中。そんな俺は、この名前のインパクトだけで、学校生活を生き残っ てきた。

『モテ茄子』
 こんな奴。世界のどこを探してもいないだろう。まぁ、俺は晴れて高校生となった。

「ふぅ……今日から一日頑張るゲス!」

 校舎に入る前、両腕をグッと上げて、テンションを上げる。

 俺が今日から入学する『イケメン不平等高校』は前年度出来たばかりで、とても綺麗な高校だ。もう一つある別校の方は、うん。として。

 そんな、この高校にはルールがある……。
 すると、女の先生が教壇を叩き注目を集める。

「今日だけは、特別にこのクラスで授業を受けて貰いますがー! 明日からは別です。今日のあなた達のイケメン度をしっかりと見極めさせて、もらいます!」

 この、イケメン度だ。
 イケメン度によって、クラスはランクAから、ランクFまで、割り振られる。
 女子は可愛さで、これも、また決まりは同様だ。

 まぁ。俺は普通の容姿だし、CかDが無難かな。なんて……思っていた俺が馬鹿だった。

 イケメン多すぎんだろ!

 こ、このままだと、EかFランクにされちまうぞ。
 ちなみに、Fランクになってしまうと、とても汚い別校舎送りにされてしまう。

「どうも、初めまして。天王寺てんのうじ 三鶴みつるです」

 そいつは白髪のイケメンで髪は天パだ。金も持っていそうで、イケメン中のイケメン。ハイスペック。そんな感じだった。

「キャー」と、女子が騒ぎ始める。

 まずは、自己紹介が始まる。男子の中で、好きな人から、勝手にやっていくというルールなのだが……。一番のイケメンが先にやってしまったせいで、後がやりづらいという事態が起こっている。

 そうだ! ここで、自己紹介をしたら、カッコイイんじゃないか!?

 俺は席を立ち、前に出る。

「どうも。田中 モテ茄子です。宜しくお願いします!」


「「……」」


 教室が沈黙に包まれたあと、一斉に皆が笑い出す。
 地獄だ……。皆の笑いものだ。
 その後も、イケメンや普通、ブスの自己紹介は続き、今度は女子の番に入る。
 色々と可愛い女子がいたが、特に印象に残ってしまった人がいた。

雨宮あめみや 可憐かれんです。よろしくお願いします」

 金色の髪をファサッと上げて、少し赤っぽい目を光らせる。
 身長は高く。スタイル抜群。モデルと言われても、疑う余地もないだろう。

 それから、普通の教室で授業が行われた。
 何だ……。中学のおさらいっていうか、基本中の基本問題で超簡単なやつだな。

 それはクイズ形式で行われ、手を挙げたやつが答えていく。

「第一問。1582年に明智光秀が起こした変は?」

「はい!」と、一斉に皆が声を出す。良いランクを得るためだ。

 そして、ワンテンポ遅れて、三鶴が手を上げる。

「はい」

 教室に響くイケボ。

「て、天王寺君っ……」「「キャー」」

 と、女子が一斉に甘い顔をする。

 ムカつくぜぇぇえええ!!

「じゃ、じゃあ、天王寺君っ」

 先生は先程までの笑顔とは別に赤くなり、女としての笑顔になっていた。
 先生まで、惹かれてんじゃねぇよ!

「ふっ……」

 と、前髪を横に払う。
 一々、そういうの要らないから早くしてくれないかなぁ?!

『金剛力士像の舞』

「キャー!!」

 ……え?
 何だよ、金剛力士像の舞って! 巨人が迫ってくるのより怖いよ!

「やっぱりカッコイイなぁ……。天王寺君は……」

 舐めてんのか? この先公がボケぇ! と、今にもキレだしそうだった。
 恐らく、周りの男子も同じ気持ちだろう。イケメンを除いて。
 何故か、他のイケメン達も髪を払ったり、偉そうにしてるのが腹立つんだよなぁ!

 ……その後も、俺達、普通にチャンスが回ってくることは無かった。
 そして、成果を見終わったのか学校は終わりになる。

「いやぁー。今日はイケメンが拝……ゴホン。良い成果を見ることが出来ました。今日は早く帰って、明日の結果発表に期待して下さい」

 その声で、皆が一斉に帰り始める。

「じゃあ、僕はこっちから帰ろうかな」

 いかにも、スポーツ系の色黒イケメンが、窓からバク転で退出する。
 すると、下にいた使用人のような男女がマットを広げて待ち構えていた。

 ……って、ええっ!?!?

「キャー!! カッコイイ!!」

 めちゃくちゃな世界やな!
 イケメンなら、何でも許されるんですか?! 俺だって、イケメンになれば、何をしてもいいんですか!?

『こんな世界はもう嫌だ!』

 そして、俺は電車に乗って家に帰った。

「ただいま」
「エロ茄子ー。高校はどうだった?」
「お前、名前付けたくせに間違えんなよ! モテ茄子だ! 言わせんなクソ!」
「はいはい」

 何で、そんな興味無さそうなんだよ! お前が付けたんだろ! お前が!

「で、高校はどうだった?」
「理不尽だったよ」

 俺は自室に行くと鞄を床に投げ、ベッドに寝転がった。
 気がつけば俺は寝ていた。

 ――翌日。
 俺はいやいや学校へ向かうため電車に乗っていた。

 ガタンゴトンガタンゴトン

 電車に揺らされ、高校へ向かう。
 今日はクラス配分が学園前に貼られる。
 何クラスかなー! まぁ、何もしなかっし、D、E、くらいが妥当かな!
 Fにさえ、ならなければ底辺じゃないからいいよな!

 そして、運命のクラス配分の紙が貼られた。

 俺は順にDクラスから見ていく。

 ……俺の名前はない。

 まぁ、俺ならこんなもんだよな。
 次は、Eクラス。

 ……ない。

 ま、まじか。周りの顔を見た感じ、ここくらいが妥当だと思ったんだけど。

 ええっ!?!? なら、俺はCクラスなのか! やったぜ! 平凡がちょっとはまともになったって感じだな。

 ……ない。

 なら、B、Aクラスか!?

 ……ない。

 ま、まさかなー! ははっ!!

 ……ある。

 俺がFクラスぅ!?!?
 Dクラスの紙の前で喜ぶあいつの方が余程ブスだろ! 目が狂っていやがる! だって、目はデメキンだぞ!!
 そんな怒りをぶつけるために、足をバタバタしていると、何者かに肩を掴まれる。

「止めなさい。Aクラス様の通る場所が汚れるでしょうが! Fは便器で踊ってなさい!」

 そう言い、防弾チョッキのような装備を付けた男に古い校舎へ引きづられ、連れていかれた。

「嫌だァ!! 止めてくれぇ!!」


 何かの間違いだよなぁ!?

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